11話 どうしてこんな簡単な問題で苦戦しているんだ?
「それでは筆記試験を始める! 」
試験監督の声で試験が始まる。
誰一人として声を発さず教室内にはペンを走らせる音だけが聞こえ続ける。
……いや、ここに常識を知らない人が一名。
「ミリア分からない所あったらいつでも俺に聞いていいからな」
「ゆ、ユノ君!?駄目だよ」
「え、あ、え……ユノ様……試験中は声をかけたりしたらいけないってあの先生が……」
「え?そうなのか?」
一切記憶に無いんだが……。
記憶を引っ張りだす。
試験中は私語、飲食は禁止。
当然カンニングもだ。
………………。
…………。
……。
あ、言ってたわすいません。
ふと顔を前に向けると試験監督はもちろん、他の受験生までこちらを見ていた。
皆この世の終わりみたいな顔をしているがまさかーーー
「俺、やらかしてしまったか? 」
この顔を見るにやらかしたのは確実だろう。
このせいで不合格とか無いと願いたい。
もう一度確認する。
そこにあるのは「あ、こいつ終わったわ」と言わんばかりの受験生達。
反応を見るにもう完全にやらかしたみたいだ。
俺は別に来年また受けに来れば良いが心愛を巻き込んでしまっている。
どうする?こいつら全員に〈睡眠魔法〉と〈記憶操作〉で今の無かったことにするか?
ええいもうやけくそだ。
魔法を実行しようとするが、それは杞憂に終わる。
「そこの三人!次会話したら問答無用で不合格だからな! 」
どうやら許されたみたいだ。
ホッと胸を撫で下ろす。
パンパンと手を叩くと
「では仕切り直すぞ。試験時間は90分、それでは始め! 」
再び試験が再開される。
机に置かれている問題用紙に目を落とす。
氏名を書く欄にユノ=ミナトと記入し、大問一に早速取り掛かる。
一問目は最初だからか赤子でも分かるような簡単な問題だった。
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問1)この世に存在する魔法の属性全て答えよ。
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正解は、火属性・水属性・風属性・土属性・緑属性・雷属性・闇属性・光属性・魔属性・無属性・異属性の十一属性。
光属性は天使、魔属性は魔族にしか使えないみたいたがお姉ちゃん達は全員使える。……というか全属性使える。俺もだけど。
お姉ちゃん達はこれが普通のスペックと言っていたが【賢者】の知識では属性を三つ持っているだけでかなりの強者となっているが……。
お姉ちゃん達だからね。不可能は無いのだろう。
それに光属性が使えるのは当たり前だと思う。
だって、天使じゃん?可愛さが。
じゃあ悪魔はって?
……ほら、悪魔だって可愛いじゃん。
こほん。話がズレた。
そして最後の異属性、名前だけ聞くと何かと想像が付きにくいが【異世界転生者】専用の属性らしい。
そう、お姉ちゃん達だ!
愛情込めて育ててくれたからか、俺も異属性持ちである。
移動の際に使用した〈転移魔法〉は異世界転生者にしか使えない。
そのような感じで簡単な問題が続いていく。
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問20)それぞれの初級魔法を構築する詠唱を答えよ。
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詠唱……詠唱って何だ?
いくらなんでも簡単すぎないか……?
この世界に数ある学園の中でも一、二を争う学園だと聞いた。
後半が難しい問題で固められているのだろうか。
しかし最後の問題さえこれだ。
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問100)異世界からの転生者のみが使用出来るとされる〈異世界魔法〉が私達に使えない理由を答えよ。
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何故使えないと決めつけるんだよ……。
思わず頭を抱える。
とりあえず回答を記入するとしよう。
転生者の元で修行をし、何百回、何千回とその魔法をまず見て覚える。
その際に消費された魔力を少しずつ自身の身体に適応させていき、また何千回、何千回と記憶するーーそれの繰り返しだ。
そうすることによって身体がそれを保有し、使用可能にまでこぎつけれる。
全てを記入し終え、ペンを置く。
時計を見ると始まってから十分も経っていない。
周りを見ると皆、頭を悩ませながらペンを動かしていた。
どうやら苦戦している様子。
どうしてこんな簡単な問題で苦戦しているんだ?と、頭をよぎったが、これも作戦かと納得する。
焦っているフリをして周りを騙す。
そうしてまで受かりたいって一周まわって尊敬するな。
あいにく俺の席は1番後ろの左端、する意味が無いのでここは大人しく寝て待つとしようーーー
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