1話 捨てられ、そして拾われる
新作です!
数日は複数話投稿します。
「早く捨てろ!ここは魔の森だ。ギルドの討伐ランクSSを超えるような魔物が住み着いていると噂の……ノロノロして食い殺されてはかなわん。あと不気味な少女達が住み着いてると聞いたが……気味が悪いな、さっさとずらかるぞ」
物音一つしない静かな森に男の怒鳴り声が響き渡る。
その隣には何かを抱えている女が付き添っている。
「ごめんね……どうかこの子が来世で生まれた時は幸せな家庭で育てられてますように……」
女はそう言うと、両手で抱いていた赤子を大事そうに地面に置き涙を流しながらその場を先程怒鳴った男と離れていった。
男達が赤子を置いていってから数時間たった頃。
普通の赤子であれば死んでしまってるだろうだがーー
「おぎゃぁぁぁぁ!!おぎゃぁぁぁぁ!!」
息絶える事も無く、大声で泣いている。
誰か……誰か……と。
そんな赤子の声がーー気持ちが届いたのか1人の少女が森の奥から歩いてくる。
「赤ちゃん!?なんで魔の森なんかに……いや、そんな事より早く助けないと!! 」
少女はすぐさま駆け寄ると宝物を持つかのように恐る恐る抱きしめると、また森の奥へと帰って行った。
ーーこの出会いが世界の運命を大きく左右する事になるのはまだ誰も知るよしは無かった。
♢
「きゃぁぁぁぁ!!可愛い〜!! 」
「ん。確かに可愛い……」
「ちっちゃいお手手にゃんねぇ〜」
「確かにそうだな……」
「でしょでしょ〜! 」
魔の森の最奥地にある城の大部屋に、黄色い声が飛び交う。
普段から和気あいあいとした空気で笑顔が絶えない少女達だが今日は一段と声が弾み、満面の笑顔だ。
その理由は、森の清掃当番だった少女が森の入口で拾った赤子の存在である。
「あうぅ……」
目の前でハイテンションな少女達に困惑している様子。
「なぁありあ、この子もしかして……いやそういう事だよな」
「うん……」
悲しそうに頷く少女。
「ん。問題ない。み達が愛情込めて育てて、この子を幸せにする」
「みーにゃ……!ありがとう……皆もそれでいいかな?……」
「「「もちろん!」」」
少女達は任せろと言わんばかりに頷くとお互い顔を見合わせひとしきり笑うのであった。
「どうせなら私達が神様に貰ったスキルも教えてこの子を人類最強にしようぜ」
一人の少女のこの発言が全ての始まりーー
「よし、そうと決まればありさ!買い物に行くぞ!!オムツやらなんやら色々あるだろうし」
「そだね!行こ行こ! 」
「ラノライブの愛情を沢山受けて元気に育ってね!! 」
ーーーそう、世界最強の男がこの世に誕生する瞬間であった。
★☆皆様へのお願い☆★
宜しければ【ブックマーク】や【評価】をお願いします!
面白かった場合は★★★★★、普通だったら★★★、面白くないと思えば★など正直な感想で大丈夫です。
読者様の評価が励みになりますので何卒宜しくお願いします!
合わせてブクマもして頂ければ幸いです。
モチベに繋がるので是非お願いします…!