はじまり
「何故こうなっているのか?」
薄暗い地下牢の中で、私は思い出します。私の名前は柳龍一。日本人で年齢は40でした。
地方都市の小さな玩具店を、親から引き継いで経営していました。小さい店ですが、それなりに続けられていました。私の趣味は、プラモデルでした。ロボットから、戦車や戦艦、お城まで、色々と手を出していました。コンテストにも参加して、賞を受賞したこともあります。その分野での売り上げが、店の生命線だったといっても過言ではありません。
そちらに特化しすぎたので、カードゲームの波に乗り遅れ、家庭用ゲーム機の販売にも出遅れました。
その結果、逆に生き残ったかもしれません。
ただ今となっては、すべては過去の話です。
私は、地下牢に入れられています。罪状は貴族殺しです。
日本に貴族は、いません。私が知らないだけで、いたのかもしれませんが、確認できません。
私がいるのは、日本ではありません。
異世界転生?
感のいい人なら、そう思うでしょう。この手の話は、物凄くポピュラーになりました。
残念ながら、私は違うみたいです。
似たような話は、あったと思いますけどね。
私の立場は、召喚獣みたいです。日本人、柳龍一の記憶を宿した獣。
この世界では、良くあることらしいです。召喚石を利用して、異世界の存在を再現する。
その時点で。オリジナルとは別の存在となり、この世界に具現するらしいです。
私が殺した貴族が、言っていました。
何故貴族を殺したか?
必要があったからです。
殺すには、惜しい男でした。でも、仕方ありません。
もうすぐ、私を処刑する為に、兵隊が来るそうです。
それまで、私の身に起こった、この一月の間の事を、語りましょう。
色々と、挑戦中です。
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