004.人間の町
あれから2年たった。
「ヴィヴィアン、人間の町を見てみたい」
獣人の姿から、ケモ耳と尻尾を隠せることができるようになった。
ヴィヴィアンが絶対に覚えろと言ったから、頑張って出来るようになった。
ヴィヴィアンは、湖の精霊で俺とマーリンを助けてくれたんだ。
そして、精霊の国に連れて行かれて、色々なことを教えてくれた。
魔法や武術などをな。
「まだ、ちょっと早いかなぁ? ランスはどれくらいの時間、耳と尻尾を隠せるのかな?」
鋭いところをついてくる。
「い、1時間」
そう、隠せることが出来るようになっただけで、長時間はまだできない。
「すぐ戻ってくるからさぁ。ほんのちょっとだけでいいから。ね? ヴィヴィア~ン」
甘えるように言うとヴィヴィアンが断れないことを知っている。
「ほ、本当にちょっとだよ。すぐに戻ってこないとダメだからね。コネがないと獣人には、住みにくい世界だから本当に気をつけないとダメだよ」
「マーリンも行くぅ~」
「マーリンは、まだ小さいから、だーめ」
「ちっちゃくないもん。お兄ちゃんと一緒の年だもん」
マーリンを置いていくことには成功した。
でも、町に来たのは失敗だった。
町に中には野良犬が多かった。
野良犬に群れで襲われた。
獣の匂いまでは、消し切れていなかった。
武器もない。
ヴィヴィアンに、攻撃魔法は使っちゃダメだと言われてる。
マーリンには負けてるけど、俺は、人間に比べれると、遥かに魔法力が高いらしい。
攻撃魔法で、町に被害が出れば、当然、捕まると・・・。
なんとか逃げおおせた。
野良犬たちをまいて、大きな家の庭の木の下に隠れた。
塀があって野良犬は越えてこられないからな。
「傷がいてぇ」
噛まれた後が痛い。
かなりの重傷だ。
すでに獣人から子ギツネの姿になっている。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ
芝の上を歩く犬だ。
こんなところまで・・・。




