『生きる』
遠い日の記憶の中
今も彷徨い歩く
此処にいれば誰もあたしを傷つけることはできない
優しくてあたたかい場所
けれどあなたは言う
「いつまでも
此処にいてはいけない」
あなたは止まっている
あたしは進んでいる
それが決定的な違い
二人を阻む大きな壁
それを乗り越えるには
ただ時間が過ぎるのを
ひたすら待つだけ
あたしは生きている
けれどあなたは…
遠い日の想い出の中
今も浸り続ける
此処にいればあたしは
あの頃のままでいられる
嬉しくて輝く場所
けれどあなたは言う
「いつまでも
このままじゃいられない」
あなたは変わらない
あたしは変わっていく
それが決定的な違い
二人を引き裂く現実
それを乗り越えるには
あたしが目を逸らさずに
受け入れること
あたしは生きている
けれどあなたは…
「嫌よあたしは
ずっと此処に
あなたの傍にいたい」
こう言ったら
あなたは何て言うだろう
答えは一つ
きっとこう言うわ
あたしの背をおして
ただ一言「生きろ」と…
あたしは生きている
だから進んでいく
あなたの分まで
あたしは目を逸らさない
すべてを受け入れる
そう決意して
一歩踏み出したら
遠くで誰かが呼ぶ声がした
あたしの名前を
呼んで言った
それをきいて
あたしもささやいた
「愛してるよ」