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『T』

―今から20年前

一つのいのちが

天高く昇っていきました

そのいのちの持ち主を

あたしは心から

愛していました

彼はあたしの

初恋の人でした―


輝くいのちに

出逢った場所

子どもたちの

未来の声がきこえる

嬉しいこと楽しいこと

あるといつもあなたに

「ありがとう」

けれどそこにはいないの

この世界の何処にも

そう気づかされるたび

涙ひとしずく


愛しさのない

色褪せた風景の傍を

今日もあたしは通り過ぎる

あなたがいてくれればいい

そう願いながら前を向く

決して叶わないこの想いを

天のあの人は笑うだろう


煌めくいのちが

傷ついた場所

燃え盛る灯火は

確かにあのとき弱まった

たくさんの人々が行き交う

そこは悲しい場所なのに

「ごめんなさい」

すべて振り切ってでも

連れ戻したかったよ

春の暖かさは感じない

凍える恋心


苦痛に満ちる

色褪せた風景を目の前に

今日もあたしは立ち止まる

お願いだから返してよ

そう叫びながら空を睨む

地上でもがくあたしを

天のあの人は笑うだろう


恋しさも苦さも

個々の場所に詰まってる

振り返り歩き出しそして

何かが終わりはじまる

あたしを嫌う天のあの人よ

いくらでも笑うがいいさ

想いは決して変わらない

これは真実だから


―1995年5月31日

二人をつなぐたった一つの絆が静かに朽ち果てました

同時にあなたは永遠となり

あたしにとって

絶対の存在となりました―


愛しているよりも超越した果てしない想い

あなたと出逢い知った

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