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変態が書く、校正推敲のやり方(1/2)

少しでも作者さんの参考になればと書きつづってみました。

校正推敲時の労力軽減に繋がれば幸いです。


――――――――――――――――

 変態が書く、校正推敲のやり方

――――――――――――――――


【前置き】

 何かと人の文章を見る機会が増えまして、中には校正推敲の方法がわからない、苦手だ、そんなところに時間をかけるくらいなら続きを書く。

 ……などといった主張を目にします。


 ならばそういった方々の助けになれば良いな。ついでに自分の復習にもなるんだし悪くないかなと、こういったものを記してみることにしました。

 なので、押さえるべきポイントをつれずれなるままに~~っとご紹介していきます。



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【まずはじめに】

 この手の作業というのは慣れです。

 コツさえつかめば修正作業の能率も上がります。

 直して書いてを続けてゆくうちに、自分の癖を把握しやすくなります。


 問題は……

 直し作業に詰まった時のことです。

 ざっと髪の毛が二桁ほど抜けます。


 どうしても直しの糸口がつかめない、頭が回らないと思った時は諦めて下さい。

 仮眠するなり風呂に入るなり糖分とるなり、今と違う頭の状態に誘導する他にありません。


 しかし直しのセオリー、要点を把握しておけば、この詰まりにある程度対処することが可能だと思っています。

 セオリーにそって、創作的ではなく作業的に問題部分を調整してゆく。


 校正はちゃんと読めるように整える作業ですから、むしろ淡々と行うことをオススメいたします。



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【意地になったら負けです】

 修正中、何かすんごい直したくない部分が現れる時があります。

 実はその表現が大事だったり、逆にどうでも良かったりもします。

 どちらにしろ何でそうさせるかというと、書き手がその描写に愛着を持ち過ぎていることが原因です。


 ただ愛着があれば良い表現というわけでもないところがまた、難しいところで、直すべき時は直さなくてはなりません。

 けれど直しを入れると、ほぼ間違いなく本来の表現とズレたものになります。

 

 そこは諦めて下さい。

 どんなに頑張っても無理です。同じ表現同じ意味にはなりません。

 小説全体から見れば些細な部分で、作者には不満足な代替案も、その表現に愛着も何もない読者にはありのままに伝わります。


 矛盾していますが、改良に妥協は付き物です。

 校正推敲では、自らの意地に妥協することが改良に繋がるという、珍妙不可思議な側面があるのです。



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【作業の方法】

 言葉と言葉がちゃんと繋がり、憶測無く読める日本語を目指します。

 一言で言えば簡単ですが、作者は創造者なので文章の意味一つ一つを理解しています。

 これがとても厄介で、誤字脱字から日本語破綻、過大評価過小評価を生みます。


 がんばって客観的になって下さい。

 PDF化させたり、縦読みにしたり、丸めた人差し指の穴から片目で文章を読むなり、まず何とかして「ただの文字の羅列」として読んで下さい。



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【直しのセオリー】

 では実際に、直しのセオリーを書き記します。


 ここに注目すると問題点を見つけやすいよ。

 こうすると問題が解決するよ。

 といった内容です。



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『接続詞の追加、消去』

 ここで一番多いのが、特定の接続詞を使い過ぎるケースです。

 特に「そして」「だが」「しかし」なんかが多いです。


 とても便利なので、気づくと連続で使っています。

 近い範囲で同じ接続詞が続くと……


 「もうちょっと他の言葉はないんかい!!」(おとっつぁん風に)


 みたいな感じになるので、

 別の言葉に置き換えるか削って下さい。


 ・


 また逆の場合もあります。

 必ずしも前の文と、次の文を繋げる必要はないのですが、連続性があれば自然な流れが発生します。


 [だから、こうなって、こういうわけで、その結果こうなんですよ]的な話の流れです。


 接続性が足りないと、読む方は箇条書きを読まされてるみたいな気分に陥ります。

 「つまり」「要するに」「なぜなら」「ところで」「あるいは」「ともかく」「それはそれとして」「一方で」「そして」「だが」「しかし」


 的なものを、箇条書きっぽくなったところに足して下さい。



 ・


 ・



『長文の分割』

 長文を書くなとは言いません。

 むしろ短文だけで構成された文章も、それはそれで辛いものがあるからです。

 バランスが大事です。


 ですが、大半の場合は長文を分割してしまった方がかえって良くなります。

 なぜかと言えば、繋げて描写する必要がそもそも無い部分だったりするのです。


 つれずれなるままに~~っと書いてる時は、思い浮かべたものを書き記すわけですから、思わず接続詞や句読点で、どんどん続けて書いてしまうものです。


 わかりやすくこの一文を分割するならばこうなります。


――――――

 ビフォア

「つれずれなるままに~~っと書いてる時は、思い浮かべたものを書き記すわけですから、思わず接続詞や句読点で、どんどん続けて書いてしまうものです。」


 アフター

「つれずれなるままに~~っと書いてる時は、思い浮かべたものを書き記すわけです。

 だから思わず接続詞や句読点で、どんどん続けて書いてしまうものです。」

――――――


 ささいな部分ではありますが、こうやって分割してゆくと次からの流れが安定します。

 逆に長文は、その長い文体を読み切ったところで一度流れが止まります。

 ああ、やっと読み終わったと一息をつきますし、読解力が必要なものですからモヤモヤが残って後に引きずります。

 アホの私なんかは、何度か読み返しちゃったりします。


 なので、できればアホの私向けに書いて下さい。



 ・


 ・



『単語の重複』


 短い間で同じ単語、表現が重なるのを避けて下さい。

 別の単語に置き換えた方が、何かと見た目が良くなります。


 例

 「彼は剣を握りすぐさま薙いだ。剣は肉へと食い込み、獣は凶暴な咆哮を上げた」

 修正例

 「彼は剣を握りすぐさま薙いだ。斬撃は肉へと食い込み(ry」


 なぜ良くなるかといえば、これも……。


 「もうちょっと他の言葉はないのかしらぁんっ!!」(マダム風に)


 的なことだと思います。

 コレは本当に多いので、本当によくやるので、しかも気づきにくいものなので、意識してチェックすることをおすすめします。



 ・


 ・



『俺、俺、俺、俺、俺』


 初歩的なミスでありながら、実は結構やっちゃうシリーズ、俺の永遠の敵。

 でありながら、いざ省略し過ぎると、誰が何やったかわからん機能不全を起こす困ったちゃん。

 それが「俺」「私」「彼」「彼女」「固有名詞」


 ですが、基本的にこれも多くしつこくなりがちです。

 省略しても問題ないケースが多いので削って下さい。


 ただし、状況解説が入り組むシーンでヘタに削ってしまうと、読者がついていけません。

 バトルや何やらでは逆に、俺、俺、俺、俺、彼、彼女と、ある程度開き直るのも手段です。



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 ・



『……とか――』

 単刀直入に言えば、基本2文字での使用をおすすめします。

 それが正解だというわけではありません。

 過去から続く言葉を、こうやって借りることで言語は成り立っています。


 そのため、その言葉をより論理に特化させた「文章」なんてものは、そりゃもうおっそろしく「形式主義」なのです。

 かつ、ローカルルールに逆らえない宿命にあるのです。


 作者の心の中では4文字、6文字と続くでしょう。

 でも形式的には2文字なのです。

 読者はその2文字で、4文字、6文字文の間を憶測してくれるのです。


 なので増えがちなコイツは、強調したいタイミング以外は2文字使用でいきましょう。



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 ・



『困ったら類語検索』

 あれ、なんかこの単語じゃ意味違うな?

 よく引っかかるパターンです。

 こんな時はネットの類語検索が便利です。

 『http://thesaurus.weblio.jp/』Weblioさんがオススメです。


 でも頼り過ぎると堕落しそうなので、トレーニングとして、まずは自分自身の頭で代わりの言葉を探してみることにしています。


 とはいえ、類語をそのまま使えば簡単に置き換え出来るわけでもないです。

 参考程度に、ついでに自分の語彙を増やすつもり程度に検索してみれば良いと思います。


 どうしても代わりの言葉が見つからない時もあります。

 無いものはないので、諦めましょう。 


 頑張り屋さんは文を書き換えるなり、後に付け足すなり、ハゲと戦って下さい。


―――――――――――

 長いので次ページへ



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