彼の告白、彼女の答え
「付き合ってください!!!」
教室中に響いた声
誰の声か
俺、真紅凛生の声だ
俺は今、人生で初めて出来た好きな人に
絶賛告白中
こそこそと言うのは柄にも無いと思い
教室中に響く声で告白をした
ちなみに、この日の為に恥を忍んで購入した
女性雑誌の恋のお悩みコーナーとやらには
「絶対に大声で告白とかヤダ!」って書いてたが
後悔はしてない
「・・・」
一方、相手はというと熱読している本から
目を逸らさない
てか俺の渾身の告白、聞いてたのか?
女が大の苦手な俺の渾身の告白聞いてた?
クラスの奴等はヒューだのキャーだのと
騒いでる
お前らじゃなくてコイツに喋って欲しい
「・・・」
本から視線を外し、スッと俺を見つめた
彼女、金糸雀琥珀
よかったシカトされてなかった
「…何処に付き合えば良いのですか」
…これはボケなのか
「違うよ金糸雀!凛生は告白してんだよ!」
「琥珀羨ましい~」
お前ら黙っててくれよ頼むから
「告白…ですか」
彼女は怪訝そうな顔をした
俺が告白したのが不快だったのか?
嗚呼、俺の初恋は公の場で大声で告白という名の
雄叫びを上げただけで終わってしまうのだろうか
しかし彼女の口からは
「いいですよ」
何とも嬉しい返事が出た
「ただし」
彼女から条件が出された
「私に恋人という存在を教えてください」
彼女は…恋に関して全くの無知であった