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"自称"何でも屋の幻想郷―――生活  作者: 牙練
自称何でも屋の開店
9/12

“自称”囮作戦 後編

結局、部外者は邪魔者でしかないのかもしれないですね。

新月の夜―――


林道の道に少女が居た。


「―――こんばんは、お嬢さん。」


彼は声を掛けた。


「………誰?」


少女は不思議そうな“しぐさ”を取る。


「俺は自称何でも屋店長の直人と言う。」

「ふ~ん……何かようなのかー?」


少女は、彼に近づく。

だが、彼は少女の後ろに周る様に“移動”した。

そして、少女の位置は彼が現れた草むらを背にしている形となる。


「いやね、君ら妖怪の殺害を依頼されてしまったんだよ。」


苦笑いを浮かべそう告げる。


「無駄だと思うけどなー。」


少女は退屈そうな“振り”をする。


「どうしてそう言いきれるんだい?」


彼は心底不思議そうに“演じる”。


「だって―――」


少女が言葉を発しようとした瞬間―――



「今だっ!」

「おう!」

「殺せ!」


少女の背後から男達が刃物を持って少女―――ルーミアに襲い掛かろうとした!


しかし、それは絵に描いた餅だった。


ダンッ!ダンッ!ダンッ!


銃声の様な弾幕が男達の武器を破壊し。


ウ~サッサッ!


何処かの兎の罠が作動した。


ゴチ~ンッ!







「………なんと言うか、此処まで上手く行くものかね?」

「まぁ上出来でしょ」

「いや~実に気分爽快ウサ」

「これは食べても良い人類なのかー?」

「おにぎりあげるからやめい」


そう、今回の作戦は穴だらけではあったが成功したと言える。

とはいえ、プランBになってしまったが。

当初の予定は、男達が直人をけし掛けて突撃してきたら罠が作動する筈だったのだが、彼事殺そうとした為に予定を変更したのだ。

変更の合図は“ルーミアが直人に近づいても直人が動いてしまう”と言う合図。

それは緊急事態を意味する。

そこでプランBは男達が武器を持って襲ってくる時、鈴仙が弾幕で破壊してゐが罠を作動させるという作戦である。

もっとも、博打ではあったが。


「あのまま全員突撃してこなかったらやばかったな。」

「頭が悪いウサね。」

「普通は妖怪に気づかれずに逃げたって説明されても怪しむと思うけど。」

「馬鹿なのかー。」


言いたい放題である。


「んじゃ鈴仙、頼めるか?」

「任せて。師匠に昔ならった中毒性の無い薬を飲ませるから。」


そう言って、鈴仙は袋からカプセルの様な物を取り出す。


「元々は何の為の奴なんだ?」

「………尋問用?」

「何故疑問系になるし。」

「………知らない方が良いウサ。」

「………お腹すいたのだー。」


何とも言え無い空気が漂った。







とりあえず、仕事は完遂した。


「でも、良かったの?あんな依頼でも一応は仕事でしょ?」


鈴仙は心配そうに尋ねる。


「気にするなよ。家は自称何でも屋だぜ?つまりだ、例え良い報酬だったとしても途中でやりたくなくなったらやめても良いのさ。」

「そんなんで良いウサ?」

「幻想郷に常識は無いんだろ?」

「………それもそうウサね。」


そんな会話をしていると。


ヒー!

タスケテー!


「……今頃は妖怪の襲われてる夢でも見てるのかね。」

「多分ね。」


その言葉通り、悲鳴は止まなかった。

因みに、ルーミアが寝ている男達の居る場所の外周を見張り、内側はてゐが呼び寄せた兎達が見張ってる為問題は無かった。


「しかしまぁ、助かったよ。」

「乗りかかった船って奴よ。」

「私を出し抜いたご褒美ウサ。」

「それならこれから夜を共に『却下。』………ですよねー。」


そうして、夜が明けていく―――





その後、男達は人里から極力出ない生活を送る事にしたらしい。

しかもあのカプセルの副作用なのか、あの時見た“悪夢”と依頼した人物と妖怪を忘れたと言う何ともご都合主義な展開ではあったが、店には何の影響も無いので気にしない事にした。

実は、最初はカプセルでは無く線香の香りで何とかすると言う展開でしたが、コレジャナイ感が半端なかったのでカプセルに変更しました。


次回までが最近書いた話。

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