14/20
饒舌な指
カタカタカタカタ 文字を打つ
私の指はとても饒舌
たくさんの言葉を 紡いで語る
なのに 不思議なのです
こんなにも 夢を語る言葉を持っているのに
こんなにも 愛を語る言葉を知っているのに
私の口は 指先ほど饒舌ではないのです
「嬉しい」
「悲しい」
「好き」
「嫌い」
「ありがとう」
「ごめんなさい」
何千の文章を綴ろうと 何万の文字を綴ろうと
たった一言の言葉には 敵わないと知りつつも
私の口は空回り
思うのと逆様の 言葉ばかりを紡ぐ
私の口は 天邪鬼
カタカタ 私の指は饒舌に
カタカタカタリと 言葉を紡ぐ
それがどんなに 真実であろうと
たった一言には敵わない
なのに何故 その一言が言えないのかと
今日も私の指は 空しさのため息をつく
もっと早くアップする予定だった、やはり昔のテキストです。
まんま自分の事でもあります。
いわゆるセールストーク系は仕事なので感覚が違うらしく平気なんですけど、普通のシャベリは基本苦手です;
文章でなく言葉で思っている事を伝えるのって、難しいですね。