その64
ボピ「実は、僕と海斗くんはずっ
とラブラブだったわけではなく
やむをえない事情で離れていた
時期もあったのでちゅ」
令田「まあ、そうでしたの?」
ボピ「その離れていた時期に海斗
くんはトマト妖精の女性と深い
仲になり子供も生まれまちた。
でも、広斗と名付けられたその
子の人生は短いものでちた」
令田「人間と妖精の間に生まれた
子供は病気になりやすいからな
のですね」
ボピ「はい。海斗くんはそのこと
に責任を感じてウツ病になって
しまい、今も職場復帰できない
のでちゅ」
令田「まあ、大変ですわね」
ボピ「でも、先日、浜松に帰って
海斗くんに会った時、良いお薬
を見つけたと言って元気そうで
ちた。だから、僕は一生懸命働
いてお薬の代金を稼いで仕送り
するのでちゅ」
令田「先生は本当に海斗さんを愛
しているのですね」
ボピ「はい。でちゅから、申し訳
ないのでちゅが、令田さんとは
深い仲になれないのでちゅ」
令田「わかっています。これから
も師匠と弟子という関係でいて
くださいね」
ボピ「こちらこそお願いします」
令田「それじゃあ、先生。私、そ
ろそろ仕事の時間なので」
ボピ「では、お気を付けて」
令田さんが立ちあがって、クルリ
と向きを変えたとき、良い香りが
したのをボピくんは感じました。
ー後書きがありますー
ー下に挿絵がありますー
海斗くんがトマト妖精の女性と
深い仲になり子供が生まれたこ
とについては
ぞく。かいととぼぴくん
という小説に書かれています。