その47
ボピ「ちょうど、アメリカの選挙
のことをニュースでやっていた
ので、アメリカの政治に関する
ことをお話ししまちゅ」
令田「まあ、面白そうね」
ボピ「令田さん。アメリカの政治
は、二大政党制になっていると
聞いたことはありませんか?」
令田「ああ。学校の社会の授業で
習った覚えがあるわ」
ボピ「でも、この二大政党制とい
う言葉は変だと思うのでちゅ」
令田「あら、どうして?」
ボピ「では、他に~制という言葉
にはどんなものがありますか」
令田「そうねえ。普通選挙制とか
週休二日制とか指名打者制なん
ていうのがあるわね」
ボピ「そうでちゅね。~制という
のは国や企業や団体などがルー
ルを作って枠組みを定めるとい
う意味なのでちゅ」
令田「なるほど」
ボピ「アメリカには民主党と共和
党という二つの大きな政党があ
るのでちゅが、だからと言って
アメリカは二大政党制だと言っ
てしまうと、この二つの政党以
外は政党を作ってはいけないと
いうルールがあるみたいに聞こ
えてしまうのでちゅ」
令田「実際は作ってもいいの?」
ボピ「いいのでちゅ。でも、様々
な要因により、この二つの政党
以外の政党はなかなか大きくな
れないのでちゅ」
令田「それなら、二大政党制じゃ
なくて、何て言えばいいの?」
ボピ「はい。令田さんは何て言え
ばいいと思いまちゅか?」
令田「そうねえ。ルールで決めら
れているんじゃないけど、そう
いうふうになってるんだから、
二大政党状態とか二大政党状況
と言うべきだわ」
ボピ「ご明察!僕もそれが正しい
言い方だと思いまちゅ」
令田「やったー!先生に褒められ
たわ!」
ボピ「言葉というものは、間違っ
ていても、それが広まってしま
うと改めるのがすごく難しいの
でちゅ。だから、この二大政党
制という言葉もきっと改定され
ることなく使われ続けてしまう
でちょう」
令田「あっ、先生。そんな風に何
か変だなあと思っても改定され
ない言葉は他にもありますよ」
ボピ「どんな言葉でちゅか?」
令田「今、ここに結婚している女
性がいたとするわね。彼女の夫
のことを彼女に尋ねる場合、
ご主人は?って言うでしょ」
ボピ「言いまちゅね」
令田「あれ、変な言葉だなあって
思っても他にいい言葉がないの
よね」
ボピ「確かに、ご主人というと、
上下関係の意味も一緒について
きて、現代に合わないでちゅ」
令田「パートナーって言葉も使い
にくいし・・・」
パートナーという言葉を聞いて、
ボピくんは自分のパートナーの
事を思い出しました。ー後書き
がありますー
ボピくんは実はヒト型妖精で
人間の海斗くんと同性愛結婚
をしています。このことは、
海斗とボピくん、という作品
に書かれています。