その1
まじめな放送局、略してMHK
というテレビ局の会長は、最近の
日本語の乱れを何とかしたいと
思っていました。
そこで、ヒト型妖精のボピくんを
国語指導員に任命し、言葉改革に
乗り出したのです。
国語指導員は間違った言葉を話
す出演者を厳しく叱らなければい
けません。そこで、ボピ君が選ん
だセリフが「てめえ。ぱーろー」
です。では、本文をご覧下さい。
ボピくんはMHKの国語指導員
に採用されました。これは出演者
の言葉の間違いを直す仕事です。
そして、今日9月17日が出勤
初日です。ボピくんは解説者とア
ナウンサーのいる放送室に同席し
ました。
アナウンサー「えー、本日はヤン
キース対レッドソックスの試合
をお届けしてまいります」
解説者「何と言っても注目したい
のはジャッジ選手のホームラン
ですね」
アナ「はい。レッドソックスの先
発のポンポコ投手は対ジャッジ
に対しては15打数ノーヒット
と完璧に抑えているんですね」
ボピ「てめえ。ぱーろー。今、
何て言いやがったああ」
アナ「はあ。ポンポコ投手は対
ジャッジに対しては15打数
ノーヒットと完璧に抑えてい
ますと申し上げました」
ボピ「てめえ。ぱーろー。日本
語、知らねえのかああああ」
アナ「あのー、私、何か間違った
ことを言いましたでしょうか」
ーつづくー