クレーンゲームでうみばに戦争 その6(ラスト)
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
津軽りんご DStars特待生 きまぐれ僕っ娘
【シチュエーション】
オンラインクレーンゲームでばにらとうみのグッズコラボが開催。
その対決動画を晩酌しながらずんだと視聴中。
◇ ◇ ◇ ◇
ずんだ「はーもう、前半戦は見ていてひやひやしたわよ」
「まさかあそこまでピンポン球が入らないなんて」
ばにら「むしろそれが撮れ高になってくれたというか」
「おかげさまで同接の数字もよかったですし」
「切り抜き動画も評判いいみたいです」
ずんだ「うみもうみよね大人げないっていうか」
「アイツの配信も二窓で見てたけれど、絶対に経験者だわアレ」
「クレーンゲームのコツをちゃんと押さえてた」
ばにら「うみ、本気で悔しがってましたからね」
「収録が終ってすぐ『ゲーセン行く!』ってディスコに」
ずんだ「負けず嫌いねえ」
「あんなのに三期生の手綱を握らせちゃダメよ」
「ちゃんとアンタが仕切りなさい」
「まぁ、矢面にアイツを立たせるのはいいけれど」
ばにら「あは、あははは(苦笑)」
「まぁけど、うみも一生懸命やってるので」
「その頑張りは素直に認めているというか」
「それに三期生は一蓮托生ですから」
「みんなで補い合ってやっていけたらなって」
ずんだ「……ふぅん」
「トップVTuberのくせに謙虚なことを言うのね」
ばにら「そ、そうでしょうか?」
ずんだ「うみなんか『いつか絶対にばにらを超える!』って言いふらしてるわよ」
「それくらいの覇気があってもいいと思うけれど」
ばにら「あ、いや、それはうみなりの責任感で」
「私が一人だけ人気が出ちゃったから」
「隣に『同じレベルで立てる人間がいない』と辛いって」
「それで、自分に発破をかけてるんです……」
ずんだ「…………なるほど」
「一番のライバルはやっぱりうみか。アイツ、なんかやらかさないかしら」
ばにら「美月さん⁉」
ずんだ「冗談よ。冗談」
「ほんと三期生は仲が良いわね。羨ましいわ」
ばにら「はい! 私の宝物です!」
ずんだ(良い顔して言うなぁ……)
ばにら「ところで美月さん。今回の件で思い知ったんですが」
「やっぱり、私クレーンゲームが苦手みたいです」
ずんだ「付け焼き刃の私の知識じゃどうにもならなかったものね」
「もうちょっと健闘してくれると思ったんだけれど」
ばにら「今後もモーミーオンラインさんの案件は増えると思うんです」
「あと、他のオンラインクレーンゲーム会社の案件も」
「そういう時に、無様なプレイングはしたくないなって」
ずんだ「で、私に教えろってこと?」
ばにら「……ダメ、ですか?」
ずんだ「…………」
「ダメじゃないよ」
「ただ、私もぜんぜんたいしたことないから」
「ほんと、基本的なことしか教えられないけど、いい?」
ばにら「大丈夫です! 美月さんのゲームの腕前を信頼していますから!」
ずんだ「信頼ねぇ……」
「じゃあ、その信頼に応えて」
「みっちりしごいてあげるとしますか!」
電子音『ピンポーン! すみませーん! 宅配便でーす!』
ばにら「あれ? こんな時間に宅配便だなんて珍しいですね?」
ずんだ「本当ね。何か頼んだ覚えはないんだけれど」
ばにら「私、いただいてきますよ。美月さんは休んでてください」
ずんだ「そう、それじゃよろしくね」
ばにら「はい!」
ずんだ(いけないなぁ)
(どんどん花楓に甘えてきてる)
(慕ってくれる後輩の心理につけ込んじゃってる)
(私も、もっと素直に花楓のことを好きって言わないと)
(でないと……)
ずんだ「うみやうさぎに獲られちゃうかもなぁ……」
ばにら「美月さ~ん。荷物、いただいて来たんですけれど~」
ずんだ「玄関に適当に置いといてくれればいいわよ。後で運ぶから」
ばにら「いえ、それがですね」
「『モーミーオンラインさんからの景品』でして」
ずんだ「……『モーミーオンラインさんからの景品』?」
ばにら「なんか、引っ越しサイズの段ボール箱なんですけど?」
「いったいどれだけ獲ったんですか?」
「あと、何を獲ったんですか?」
ずんだ「…………はぁ」
「あったわ、宅配便の覚えが。今、思い出した」
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら『え! ずんだ先輩のクッションがもうちょっとで獲れそうな状態に⁉』
『それは獲らなきゃダメでしょ!』
『ばにらのクッションと一緒に、部屋に並べて飾るバニ!』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
はい、というわけで正解はやっぱり「ずんだ」でした。
そして、一人じゃ手が回らないので「りんご」も手伝っておりました。
ゲーセン育ちの二人を敵に回してはいけない……! うみの最大の敗北は、この二人の先輩に根回しを忘れたこと……!
ちなみに、後日りんごから獲りすぎたばにらグッズを押しつけられ、さらに置き場所に困るずんさんなのでした。愛がほんと重たいんよ……。
今回はだいぶ変則回でしたが面白いとおもっていただけたなら、ぜひぜひ☆をいただけると続きを書く励みになります! m(__)m




