盛鴎外 その4
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
羽曳野あひる Dstars2期生 雑談配信が得意
<話題に出てくるだけ>
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
収録前の楽屋でのお話
◇ ◇ ◇ ◇
あひる「それじゃあ、次は話を盛るコツなんだけれど」
「これは、あひるよりばにらの例の方が説明しやすいか」
ばにら(あ、なんか嫌な予感)
あひる「たとえば、ばにらとずんだの百合営業なんだけど」
ばにら「盛っちゃうバニですか⁉」
あひる「盛っちゃうバニ」
「公式案件で収録が一緒になったりするでしょ?」
「そしたら『事務所の前でばったり会っちゃって!』とか言うの」
ばにら(……言えない)
(プライベートで仲が良いのがバレたくなくて)
(一緒に家を出たのにスタジオに入る時間ずらしてるなんて)
あひる「後は普通に帰っただけなのに」
「『昨日はずんだ先輩と一緒に帰って!』とか言うわけよ」
「もっと踏み込んで『昨日、ずんだ先輩とご飯食べて』とかでもいいよ」
ばにら(……週一で晩酌してます)
あひる「とにかくね、こういうのは盛ったもん勝ち!」
「勢いで『いける!』と思ったら盛っちゃうの!」
ばにら「いや、勢いとか言われても」
「それが分からないから困ってるバニよ」
あひる「例えば今のこれだってそう」
ばにら「これ?」
あひる「『実はあひる先輩に、ずんだ先輩のことを相談して……』」
「って、盛っちゃう!」
ばにら「攻めすぎでしょ!」
あひる「だいじょうぶバニ、だいじょうぶバニ」
「これくらいの物語をリスナーは求めているバニ」
「そう、大事なのはそこ――」
ばにら「そこ?」
あひる「話を盛るポイントその3」
「リスナーが欲しい物語を盛る!」
「『ずんばにてぇてぇ』が欲しいリスナーを想像して話は盛るグヮ!」
ばにら(……それは、真面目に想像したくないなぁ)
あひる「はい、それじゃ練習!」
「今からあひるがシチュエーションを言うから」
「それを『ずんばにてぇてぇ』になるよう盛ってみて」
ばにら「無茶振りがひどいバニ!」
あひる「はい! ずんだが前の日に配信したゲームを配信します!」
「この時、どう盛りますか?」
ばにら「……普通に『ずんだ先輩の配信見て、面白そうだったから』とか?」
あひる「違うやろ!」
「そこは『ずんだ先輩が勧めてきて』が正解や!」
ばにら(……普通に勧められてる)
あひる「次! 一緒の企業広告に出ることになりました!」
「どうやってリスナーに説明しますか!」
ばにら「普通に『ずんばにでオファーが来ちゃって』とか?」
あひる「違う!」
「『ずんだ先輩が出るなら、ばにらも出るバニよ』や!」
「正妻ムーブをするとこやろが!」
ばにら(……むしろ、ずんだ先輩がよく配信で言ってる)
あひる「もっと『ずんばに』に飢えてるリスナーの気持ちになって!」
「はい、じゃあ、これがラスト!」
「ずんだのグッズの発売日です!」
「どうやって配信内で話題にしますか!」
ばにら「……いや、どうやってもなにも」
「普通に『そういえば、ずんだ先輩のグッズはもう買った?』って」
あひる「からの⁉」
ばにら「からの⁉」
「えっと……」
「『すごくいいよね。思わず二つ買っちゃったバニ』とか?」
あひる「買うな! 貰え!」
「『ずんだ先輩から、サンプル貰った』や!」
「『みんなより一足先に、お迎えさせていただきました』や!」
「ここで同じ事務所なのドヤらずにどこでドヤるんや!」
ばにら(……そういえば最近、ずんだ先輩からグッズのサンプルせびられる)
あひる「ダメ! ぜんぜん分かってない! まるでダメ!」
「もっと『ずんばにてぇてぇ』を求める気持ちになろうや!」
「そんなふわっとした気持ちで百合営業してたら社長が泣くぞ!」
ばにら「望む所ですけど?(真顔)」
あひる「もっとリスナーの気持ちを考えて!」
「とりあえず、今日のあひるとのやり取りも」
「『あひる先輩にずんだ先輩のことを相談してたバニ』って」
「配信で話すんだぞ?」
ばにら「はい!」
あひる「返事だけはいいな! 絶対言わん奴やろそれ!」
ばにら「はい!」
あひる「……あと、なんで顔が真っ赤なの?」
「……あひる、なんか変なこと言った?」
ばにら(……『ずんばに』の震源地って、ずんだ先輩だったんだな)
(そりゃ需要がなくならない訳だわ)
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相変わらずばにらへの愛が重い。(正妻ムーブ)
ゆるゆる更新なんで気軽に☆を入れてくると嬉しいです。m(__)m