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クリッカーの転職物語  作者: タヌキ汁
第三章 強者へと至るその代価
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効率的な方法


「ガリゴリガリゴリ・・・・ゴクンッ! 美味い!」


 ブラブラと歩き続けて数日。

 シオウは先程捕まえた獣の肉を食べながら、その目に映る小さな街へと向かっていた。

 スライムの姿ではなく、人の姿はやはり凄い。

 猪とか突進してきても普通に受け止められるし、逃げる鹿も難なく追いつくことができた。

 おかげで今後ご飯に困ることは、そうそうないだろう。

 しかも、


「ガガギリギリゴゴゴゴリリゴリッ!」



 物凄く固そうな部位・・・というより骨でさえも噛み砕くことができ、食べることができていた。

 もはやハイエナレベルの歯と顎の強さである。


「ねえ、お姉ちゃん。これ美味しいよ!」

『どう見ても美味しそうじゃなさそうだけど・・・・・まぁ、貴方が気にいったんならいいんじゃない?』

「ん! 骨美味い!」

『そう、それにしても骨まで食べるなんて、これも種族が人じゃなくなったのが原因なのかしら?』

「ん? なんか言った?」

『ただの独り言だから気にしなくていいわよ・・・それより街に入る為のお金。ちゃんと用意しておくのよ。身分証になるギルドカードは無くしちゃったのよね?』

「うん! 首にぶら下げてたはずなのにどっかいっちゃった!」


 いったいいつの間に無くしたのか全然気が付かなかったよ。

 恐らくシェミを助けるために暴れ回ったときか、騎士達に捕まったときに奪われたのかもしれない。


『なら再発行するしかないけど、その分のお金を用意しないといけないわね。今あるお金で足りるといいわね』

「大丈夫! きっと足りるよ! 足りなかったら何かお仕事して貯めればいいしね!」


 チャリンチャリンと廃村となった村から集めてきたお金。

 なかなかの金額になっているが、シオウも女の人もこの国の物価を知らない状態であるので、手持ちのお金でどれだけ街に滞在できるのかわからない状態であった。


『頼もしいわね』

「頼もしい?・・・・えへへ、そうかなぁ~」

『ええとても頼もしいわよ。けど、街に入ったらこうやって私と話すのは止めなさい。私の声は貴方にしか聞こえてないんだから』

「えぇーっ! 街に入ったらお姉ちゃんとお話しできないのっ!? なら街行かない!」

『話はできるわよ。ただ声を出さずに話すだけ。少し難しいかも知れないけれど心の中で私と会話することを想像しながら話してみなさい』

「う?・・・・肉美味い!」

『第一声がそれってどうかと思うけど・・・・ダメね。全然できてないわ。というか声出してるじゃないの』

「ぬぅ、そう言われても難しいよ」


 独り言は良く言うが、流石に誰かと心の中で会話するなんて経験したことがない。

 時々変な声は聞こえてくるが、あれは会話と言うより一方的に話しているだけだからなぁ。


『そうねぇ・・・・・私は貴方の中にいて、貴方の一部と考えてみたらどうかしら。右手の親指を動かせと念じるみたいな?』

「う? お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ? 僕の親指じゃないよ?」

『いえ、私は貴方の能力から生み出された存在であるから間違いじゃないのよ? 私は貴方の身体の一部、指だったり髪の毛だったりと変わらないのよ』

「?? お姉ちゃんは髪の毛なの? 変なの~」

『だからそういう意味じゃ・・・・まあ、いいわ』


 説明するにも時間がかかると思い女の人は諦めた。

 シオウの頭は決して悪くはないが、まだまだ子供。

 恐らく言っていることも理解はしているのだろうが、受け入れたくはないのだろう。

 シオウにとって私はお姉ちゃんという存在であり、姿が無くとも人であり、一個人であると思いたいのだろう。

 そう女の人は考察する。


『それじゃあ、街に着く前に一度だけ練習しておきましょう。そうすればいつでもお話できるわ。美味しい物とか見つけた時すぐに教えられるから・・・』

『お姉ちゃん! 僕パン食べたい! 美味しいパンが食べたいっ!』

『・・・食に関連付けると行き成り効率よくなるわね・・・・まあ、いいけど』


 そして、シオウの場合は下手に説明するよりも、餌をぶら下げた方が効率的なのかもしれないと思うのであった。




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― 新着の感想 ―
[一言] おもしろそうな作品だったけどスキルが意思を持って会話するやつきらいなんよな。 ここまで読んだけどちょっと残念だわ
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