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クリッカーの転職物語  作者: タヌキ汁
第二章 強くなり・・・そして
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強くなるために


「うならぁぁっ!!」


 結局定食を二つ食べて腹を満たしてからダンジョンに戻って来たシオウ。

 だが今は住み家として住んでいる一階層ではなく三階層にいた。


「らぁ! たら! よ! ほっ! ほっ! ほっ! いっつ!?」


 三階層の回転する木に登ると迫ってくる木の枝を避けたり受けたりしながら、クリッカーで呼び出したスライム画面をこん棒で叩き、木々の間を飛び回る。

 たまに避けきれない木の枝が足や肩を殴ってくるが、痛みは根性で耐えて動きを止めることは無かった。


 いったいシオウは何をやっているのか? そう問わればこう答えるだろう。

 強くなるためだと。


 今回コボルトを50匹討伐するつもりが、残念なことに目標に遠く及ばない結果となった。

 それは何故なのか。そう考え導き出された答えは、1対1で討伐していてはいつまでたっても目標に届かないと言う結論に至ったのだ。


 ようするに奇襲で一匹ずつ仕留めていてはダメと言うことだ。

 1対複数を相手できるようにならなければならないと考えたのだ。

 普通そんな結論に至っても、多勢に無勢であるとわかるようなものであるし、現に貧民区にいた頃のシオウは1対2であった場合は逃げ出していた。

 それが己より年下の相手だったとしても、数の暴力に勝てるわけがないと考えていたからだ。

 なのになぜ、今更一対複数をやるなどと言う無謀な結論に至ったのか、それは以前見た前世の記憶とやらが原因だろう。


 アニメやゲームのムービーの中に1対複数ではなく、1対軍で戦う人達がたびたび出てきていたのだ。

 あれだ。要するにシオウは無双系の戦闘シーンを見てしまい、そして憧れてしまったのだ。


 普通に考えて剣を一振りするだけで何人も吹き飛ばせるわけもなく、気合(もしくは気)を高めるだけで大地が揺れたりするわけがないのだが、世間知らずのシオウにとって、強い人はそれくらいできるのだろうと勝手に認識してしまった。


 そして、そんな人達に少しでも近づきたいと思っているシオウは、たかが数人を相手できないなど言っていられないと考えるようになり、一対複数の訓練を始めるようになったのだ。

 視界外から迫る攻撃に対応しつつ、小馬鹿にするスライム画面を何度もこん棒で叩けるようになりさえすれば、複数体のコボルトと戦えるようになると考えた。


「やあああ! ふがっ!? あいたっ!? いたたっ!?」


 まあ、それで本当に強くなれるかはさておき、周囲に気を配って戦うことくらいはできるようになるだろう。

 まだまだ、未熟で回転する木々の枝でタコ殴りにあい、


「へぁ? うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


 バランスを崩して木から落ちることがあっても、


「いたっ!? いてててて、タンコブできちゃうよ」


 クリッカーで無駄に強化された身体ではそう易々と死ぬことも無かった。

 なので無謀な訓練方法であっても、何度でも挑戦することはできるだろう。


「うびっ! うびびびびびびっ!!」

「なっ!? おまえ何笑ってるんだよっ!」

「うびびびびびびびびびっ、ぷひゃーーーっ!!」

「うがーーっ! お前もう許さない! 肉にして食ってやるーー! あだっ!?」


 多分その内周りを見て行動できるようになるだろう。

 今は何度も木の枝に殴られていようとも。




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