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クリッカーの転職物語  作者: タヌキ汁
第二章 強くなり・・・そして
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ステップアップ


 ダンジョンで過ごすようになって早一週間。

 相も変わらず、シオウは二階層のブラバドと戦い魔石を集めていた。

 三階層に向かわないのは、シオウ自身、己がそこまで強くないことを理解しているからだろう。

 だから今日もシオウは一人ダンジョン一階層で素振りをする。

 その目に映し出される人達に近づけるようにと必死にこん棒を振り回していた。


 本人はその映し出される人達が架空の人物とは知らず、ただ己の目に映る超人達に近づけるように、努力して、努力して、努力し続けていたのだが、やはりただ単に振り回しているのも飽きてくる。

 これでも子供ながらに一週間飽きもせずに振り回し続けていただけでも上出来だろう。


 そして、飽きてしまったシオウが次は何をしているのかと言うと、久しぶりにクリッカーのスキルを使いスライム画面を呼びだし、そのスライム画面に向かってこん棒を振り下ろし始めたのだ。


 初めはそこら辺に生えている木を的にして打ち込んでいたのだが、周りの芋虫達が迷惑そうな視線を向けてくるので、気まずくなって止めた。

 そんな気まずい視線から逃げるようにスライムを呼び出しつついていたのだが、なぜか久しぶりに呼び出したクリッカーの画面のスライムは赤色に変わっており、更には優しくつつくと小馬鹿にした笑みを浮かべ『その程度かよ』とか『よえぇわぁ~』といった吹き出しが現れ、シオウをおちょくり出したのだ。


 なのでつつく強さをあげていき、いつものビックリした表情に戻そうと思ったのだが、何度突いても小馬鹿に笑いながら煽ってくるだけ。

 それに不満を覚えたシオウは何度も力強くつつき続け、そのうち素手で叩き、枝でつつき、棒で叩き、最終的にはスライムに向かってこん棒を叩きつけることになったのだ。

 それでやっと赤いスライムが驚き顔になったので思い切りぶん殴るのが正解と理解し、殴る様にしている。


 傍目から見ればやっていることは凶悪そうに見えるが、時々力を弱めて殴ると、今まで殴られ続けた鬱憤を晴らすように赤スライム達が煽ってくるので、シオウはむきになって力を弱めることなく本気で殴り続けた。

 シオウの気持ち的には、コイツあんまり可愛くない! であるな。


 まあその結果、今ではシオウのいい鍛錬の的になっている。

 ただ、いくら強く叩いても問題ないとはいえ、他人から見たら絵面が酷いことになる。

 気を付けなければならないのだが、そこはダンジョンの一階層。


 魔物に襲われることは無いが、魔物が見つけづらく、見つけて殺しても得られる魔石は最低ランクの物ばかり。

 訪れるのは本当に探索者になりたての幼い子ばかりで、訪れても皆すぐに二階層で向かってしまう。

 更に人目を気にして二階層に続く階段から遠く離れた一階層の端っこに暮らしているシオウの姿を見つけることはまずできない。

 また運悪く見つかったとしても、可笑しなガキがいるとしか認知されず、皆関わることは無い。


「ふん! 会心の一撃―!!」


 だから、この広い銀世界で大きな声をあげて遊んで・・・いや、訓練していても気にされることはなかった。


『ステージクリア! ステージ11に上がります! くわえて貴方の全てが上昇します!』





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