モッソ~
「えっぐ、ひっぐ」
溺れたモッソ~を何とか陸まで引き上げたが、モッソ~はもう溺死していた。
頭の中で溺れた時に何をすればいいのか声が教えてくれ、言われた通り何度もお腹を押したが、モッソ~が息を吹き返すことは無かった。
シオウは涙や鼻水を流しながら、友の墓を作る。
ダンジョンに穴を掘っても離れば無くなってしまうことを知ってはいるが、それでも作らずにはいられなかった。
そして、数分後には石ころを墓標代わりにし、生い茂った木の枝を添えた可笑しな墓が作られた。
「ひぐっ、ひっぐ、モッソ~。天国でママとパパと仲良くね~。うえぇぇぇぇぇぇぇ」
友達がいなくなったことに声をあげて泣くシオウ。
特に仲が良かったわけではないが、それでも死を目の前にしてたまらなく悲しくなったのだ。
もしかしたら両親が死ぬ光景を思い出したりしたのかもしれない。
もこもこもこもこ
「うえぇぇぇぇぇぇぇん・・・・・うえ?」
人目もはばからず泣いていると、行き成りモッソ~の墓が動き出した。
魔物の中にはゾンビと呼ばれる動く死体が存在する。もしかしたらモッソ~もそう言った魔物に変異した可能性もあるのだがシオウはただ首を傾げるだけで警戒することは無い。
そして墓の土が盛り上がりそこから
ぼこん
「おぉ!? モッソ~! 生きてたーーっ!!」
特にゾンビになった訳でもないモッソ~が這い出てきた。
確かにゾンビと言う魔物はいるが、それはこの世に強い恨みや未練を残した魔物が変異した魔物だ。
なので今回はゾンビになることは無かったのだろう。
まぁ、どう考えても間抜けな魔物が勝手に死んだだけであるし、何より死んで悲しんでくれただけではなく墓まで作ってくれたのだ。
恨みを抱くわけもない。
「あははっ! よかった~! モッソ~生きてた~!!」
生き返ったモッソ~を抱き上げクルクルと回るシオウ。
抱きかかえられているモッソ~もどこか嬉しそう・・・ではないな。別段いつもと変わらずわさわさと足を動かし前に進もうとしていた。
恐らく第一層の魔物はとても知能が低いのだろう。
「アハハハッ! アハハハハハハッ! アハハハハハウガッ!?」
クルクルと回り過ぎたシオウは目を回し、転んでしまう。
そして、モッソ~は目を回すシオウを心配することなくその顔をガスガスと踏みながら森の中へと消えていった。
なぜかいつもよりシオウを踏みつける力が強かったのは、もしかしたらウザいと言う感情くらいは彼にもあったのかもしれない。




