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クリッカーの転職物語  作者: タヌキ汁
第二章 強くなり・・・そして
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ダンジョンの不思議


 一階層の一角を住み家にしたその日、シオウはダンジョンの不思議な現象を目の当たりにすることとな。


 シオウは目を覚ますと、そのまま二階層のブラバドを何とか数匹倒し、集めた魔石で安いパンを買い、住み家の一階層へと戻った。

 今日はお金稼ぎではなく、住み家である穴をもっと広げて住みやすくしようと考えていたからだ。

 なので、早々にブラバドの戦闘を切り上げて戻って来たのだが、なぜか住み家用に掘っていた穴を見つけることができなかった。


「あれ~? どこ~??」


 見覚えのある草木や石はあるのだが、穴が見当たらない。

 一応出ていくときに目印として周囲の石を集めて山を作ったり、木の枝を折ったりしたのだが、それすらも見つけることができなかった。


「む~~・・・しかたないな~」


 なので、シオウはまた一から穴を掘り、住み家を作る。

 今回も子供が丸まって眠れる程度の穴だ。


 そして、次の日は住み家を見つけられない。なんてことにならないように、拾った石ころで木に矢印をつけながら出かけた。

 だが、その日も同じように住み家の穴に戻ろうとしたのだが、その穴を見つけることはできなかった。

 更には、矢印の傷を付けたはずの木々すらも見つけることができなかった。


 これは流石におかしいと思ったシオウは次の日、いつも魔石を買い取ってくれるおっさんの元へと訪れて問いかけてみた。

 するとダンジョンは人がいなくなった場所を元の状態に戻す性質があると教えられた。


 この世界の戦闘では武器を振るう以外にも、周囲を巻き込む上級魔法が存在する。

 森を焼き大地を割り、有害な空気を生み出す。

 下層に行けば行くほどそんな戦闘ばかりが繰り広げられる。

 そしてそんな戦闘をされては、周囲は荒れ、荒れ果てた場所に赴く探索者がいなくなるというモノ。


 故にダンジョンを破壊した者達がその場からいなくなると、瞬く間に元通りになるとのこと。

 どういう原理なのかはわかっていないが、仮説としてダンジョンも人が足を踏み入れなくなるのは困るのだろうと、偉い学者さん達が結論付けていた。


 魔素だかが、円滑に巡るために人の死が必要とか、何やら難しい仮説を言っていたが、シオウがそれを理解することは無いだろう。

 まあ、そんな性質を持っている為、シオウが掘った穴は、シオウが離れた瞬間に元通りになり、更には目印として傷付けた木や、山の様に積んでいた石も元の場所に戻っているとのことだった。

 その話を聞いて今までの努力は無駄だったことを知り、シオウが肩を落としたのは言うまでもない。




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