身体が可笑しい
ゴミ山に着いたシオウは周囲を伺いながら何か食べられる物がないかとゴミを漁る。
そして食べられそうな物を見つけては奪われる前にその場で口に入れ食べてしまう。
流石にどう見ても腐って食べてはいけないモノには手を出さないが、それでも少しカビが生えた程度の物であれば、悪くなっている部分をむしり取り全て食べていた。
というか今日はやけに食べられそうなものが見つかる。
こんなに食料を見つけられるのは初めてのことだし、なにより誰もいない。
というか人の気配すら感じない。
変なこともあるものだと思いながら、シオウはゴミ山を一人散策する。
「バキバキバキバキッガリガリガリガリ」
おおよそ食べ物を食べている音ではないが、まあ悪くなる生もの以外にも、時々長い間放置され、食べることが困難で売り物にならない乾物なども多く捨てられていた。
食べられはするが、食べれば軽い腹痛になる物。
食べられはするが匂いが酸っぱく、全身が食べるなと拒否する物。
食べても問題しかなさそうなカビだらけの物。
そんなものが多く捨てられていた。
ただし空腹に勝る調味料はこの世界のどこにもありはしない為、どれほどヤバそうで、どれほど不味そうな物であっても今のシオウは死なない限り手を出し、胃の中に収めていった。
そして数分程食べ続けていると、不意に身体が寒さで震えだした。
「へ、へっ、へっくちん! ずずっ・・・??」
なんか今日は朝から寒いなと思いつつ、シオウは腕を擦る。
そして腕を擦ったことで違和感に気付き視線を己の身体に向けた。
「あ? あれ? ぼくの服は?」
ボロボロとは言え大事に着ていた服が無くなっていることに気が付いたシオウは、かなり戸惑いながら周りを見回す。
まるで歩いているうちに落としてきたとでも言いたげであるが、勿論そんなことは無い。
元々目が覚めた住み家の中でシオウの服は破れてしまっただけだ。
そして何故服が破れたかと言うと
「服、ぼくの服・・・あれ・・・ち、ち、ちんちんがおっきくなってる! すげぇー!!」
シオウの身体が大きく成長しているからだ。
元々満足な栄養も取れていないせいで、普通の八歳児よりも全体的に身体が小さかったのだが、今は身体が変異構築されたせいで、現在の身体は十二歳児並みに成長した肉体になっていた。
ただ、やはり栄養が足りていないのか骨と皮しかない痩せ細った姿であった。
「ほぉぉぉ・・・本物だ」
シオウは自分の股にぶら下がったそれをつつきながら、なんで行き成り身体が大きくなったのか首を傾げつつ、何か着る物は無いかとゴミ山を漁り始めた。
シオウは汚れてボロボロになったズタ袋を数枚見つけると、手足を出すための穴をあけ、それを身に着けた。
紐が切れていてズボン用に履いていたズタ袋が落ちそうになるが、そこは縄のようなモノで縛ってずり落ちないように工夫する。
それを身に着けたその姿は、なんとも不格好で、およそ服とは言えない変な恰好だったがないよりはマシだろう。
おしゃれとは程遠いが、寒さは十分緩和できるので問題ない。
基本シオウは機能重視なので不格好でも気にしなかった。
「これであったかい! 他に何かないかなぁ~」
そう言いながらシオウは己の身体が大きくなったことにさほど疑問に覚えることも、考えることも忘れ一人ゴミ山で物を漁り歩いた。
途中大の大人一人では持ち上げられないようなゴミを軽々と持ち上げ、どかしていたりするのだが、本人がその違和感に気付くことはなかった。




