第2話 図書室にて
第2話です。
最後まで読んでくれると嬉しいです。
あと、年末年始で体重が減りました。誰か体重の増やし方教えてください。
―翌日―
とりあえず学校で「能力」を持っている人を探そうと思ったが、その前に僕の「力」を1回使ってみることにする。
リュックに荷物を詰め、玄関を出て庭へと歩く。
とここで思ったが、「力」ってどうやって使うのだろうか、昨日博士から使い方についてなんも聞いていない。
とりあえずカバンを近くに置いて、両足でタンっとジャンプしてみる。
が、至って普通で、特に普段と違ったりしない。
「どうしよう……」
と考えていると、そういえば首に模様があることを思い出す。
もしかしてと思い首の模様に意識を集中する。
すると、徐々に模様が熱くなってきて、光も増していることに気がつき、その熱さと光が最大まで大きくなった瞬間に僕は跳んだ。
「ここだッ!!」
と言って跳ぶと、視点がいつもよりもかなり高い。
恐らくいつもの倍くらい跳んでいたと思う。
そのまま落下し、トンッと着地したが衝撃は普通のジャンプした時よりも少ない。
「力」のおかげだろうか。
「おお……」
なんだか別の人の体を動かしているような感覚……
なんだか楽しくなってきてそのまま走ったり飛び込んだりしていたが、そろそろ学校へ行き能力者を探すことにする。
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「……で、首にその模様が入ったというわけね。なるほどなるほど」
「あれ?意外と驚かない……」
昼休み、屋上で弁当を食べながら昨日の事を同じクラスの坂本に話しているが予想の数倍反応が無い……
もしかして5億光年離れた星の人から力を貰うって意外と普通のことだった?
「いや、こんだけ広い世の中なら誰かが不思議な力に目覚めても『あっ、ふーん』程度で終わんない?」
「その力に目覚めたのが僕ってことには驚いて欲しかったなー」
「ああ確かに……って、えぇ!?確かに70億分のなんぼかに選ばれるって、お前ヤバくね!?」
「驚くの遅ッ!」
「……コホン。とりあえずお前は今後脅威と戦うことになった訳だ、忙しくなるだろうが頑張りたまえよ」
と言って坂本は箸を持ちながら手で僕の肩をポンポン叩いてくる。
「そんな他人事な……」
「まあまあ、それで昼休みに能力者探すって言ってたけどもうそろ探し始めた方がいいんじゃないか?」
「あ、忘れてた……よし行ってくる」
「おう、頑張れよ」
弁当をしまい屋上を後にする。
その後体育館、格技場、校庭、その他色々を回ってみたが模様の入っている人はいなかった。
そして、最後に人が居そうな図書室の前に来た。
中に入ると、奥の本棚で銀髪の小さい女子生徒が手を伸ばして本棚の1番上の本を取ろうと背伸びしたり、ぴょんぴょん跳んでいたがあと少しのところで手が届かないでいた。
何か可哀想なので、その女子生徒のところまで行き、本を取ってあげる。
「よっと……はい、これ」
と言いながら本を女子生徒に渡す。
「あ、ありがとうございます!」
「いや、別に良い……」
と言ってるときに見つけた。
「よ……」
本を受け取る女子生徒の手の甲に黄緑色に光っている模様を。
「君……その手の甲の模様ってもしかして……」
「もしかして、この模様のこと知ってるんですか?」
「うん、その模様があるということは、君は何か「能力」を?」
「はい、そうです」
周りから視線を感じる、そういえばここは図書室であった。少し声が大きすぎたかもしれない。
場所を変えた方が良いだろう。
「ちょっと場所を変えよう」
と言った時にちょうど……
キーンコーンカーンコーン
「あ」
とチャイムが鳴り響く。
「えっと……どうしますか?」
と女子生徒が少し困った表情で聞いてくる。
「とりあえず、放課後にまた話そう。どこかいい場所あるかな……」
「あっ、それなら私、現代文化研究同好会なのでその部室でいいですか?」
「あ、いいけど、部室って他に人いたりしないの?」
「大丈夫です、うちの同好会私1人しかいませんから!」
と彼女は笑顔で言う。
自分で部員1人とか言って悲しくなってこないのだろうか。
「じゃあ、その部室にしよう」
「はい!じゃあ放課後待ってますね!」
と言って図書室を出て行く彼女の後ろ姿はとても嬉しそうだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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