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08.仲買さんと金髪美女

新キャラ登場します。

よろしくお願いします。

 

「ロニー・ウィルモット氏が来られました」

「入ってもらいなさい」


 所長さんが返事をして、入ってきたのは女性。


『あれはカルチェさんですね』


 あ、ホントだ。もう、私なんでこんなに人の顔覚えられないんだろ。


『私が覚えてますから、大丈夫ですよ。モモカは自分のすべきことに集中しましょう』


 ごめんね、ソフィア。

 私は次に入ってくる人を見た。


 カルチェさんより若い。前世の私と同じぐらいの男性と、さらに若い20代前半の金髪美女が入ってきた。

 え? どっち? 


「よく来てくれたね、ロニー。急に呼び出してすまない」

「はは。イルモさんには世話になりっぱなしですから。第一、元々今日ここに来る予定だったんですよ」


 そう言って、所長さんと握手をしたのは、深緑色の髪をした男性だった。

 この世界の人はみんな西洋風の顔立だから、みんなイケメンに見えるなぁ。

 と、いうか所長さんの名前今知ったわ。


「そうか。急ぎの仕事かな?」

「いや、手続きは今やって来たし、あとは後日でも大丈夫です。しばらくこの街周辺にいるつもりですから」


 談笑する二人を見ていると、ロニーさんと一緒に来た金髪美女と目が合う。


 慌てて立って軽くお辞儀すると、ニコッと笑われた。

 わわぁ。キリッとした美人さんなんだけど、笑うとすごい華やかで目が引き付けられる。顔赤くなってるだろうな私。


 照れていると、談笑していた二人もこちらを向いて、ロニーさんから誰何してきた。


「ああ、彼女を君たちに紹介しようと呼んだんだよ」


 所長さんは、二人を私の座っていた応接用ソファに案内する。


 私の向かいにロニーさんと美女さん。斜め前の一人掛けソファに所長さん。


 ロニーさんは座りながら興味津々に聞いてきた。


「へぇ、田舎から出てきたばかりに見えるけど。イルモさんの親戚の子ですか?」

「いや。まさに街に出てきたばかりの子だけど、新しい従業員にどうか、と紹介してるんだよ」


 すると、とたんにロニーさんの目が厳しくなった。


「うちの従業員に? なんでまた」


 それに対して所長さんは、含み笑いをするように言う。


「彼女は『収納箱』だ」


「「へ?」」


 所長さんの言葉に、ロニーさんも美女さんも、目を真ん丸にしている。

 それを見た所長さんは、サプライズがはまって喜んだようで、少し詳細に繰り返した。


「彼女は『収納箱』のスキル持ちだ。しかも容量がある。田舎から出てきて職を探しているので、優良な商店を紹介してる」


「ちょ……容量のある『収納箱』って、だいぶ選り取りみどりじゃないか?」


 焦った顔で、所長さんと私を見比べるロニーさん。美女さんは私を見たまま固まっている。


「それだけじゃない。読み書き計算もできる子だ。どこにだって行ける」


「なんで俺んとこに」


 すっかり狼狽えるロニーさん。嘲笑うように腕を組む所長さん。


「別にお前の所だけに紹介してるわけじゃない。彼女は将来この街に多大な貢献をする有望な新人だ。できるだけ待遇の良いところに預けるべきだろう?」


「ああ、なるほど。俺んとこに決まってるわけじゃないんだな」


 ロニーさんは半目で所長さんを見た。

 美女さんも息を吐き出す。

 そして、やっとお互いの自己紹介が始まった。


「俺はロニー・ウィルモット。色んな所に行って、いいものを仕入れて貴族や商店に売る、仲買商だ。こっちは護衛のラナ」

「ラナ・ヴィクルンドよ。彼とは冒険者の頃から組んでるの」


 美女さんはラナさんというのか。護衛、ということは強いんだろうなぁ! 


「モモカ・ヤマ=ノウチです。ノウチ村から出てきました。よろしくお願いします」


 ペコリと頭を下げると、なんとも言えない顔をされた。


「何この子。すごい礼儀正しいよ。教育要らずで大店の店頭に立てるよ」

「看板娘候補ね」


 え、いやいや、日本じゃ普通ですよ。

 そこに所長さんがフォローに入る。


「そう。けど、ちょっと引っ込み思案というか、どうも自信がないようでね。小さい所の方がいいと言うんだよ」


 フォローというか、ため息つかれてる。えー。


「ああ、それで声がかかったのか。じゃあ仮雇用とかもオッケーだったりする?」


 ロニーさんは、私と所長さん両方に聞く。


「そうだな、条件はあるが……」


 所長さんが答えてくれる。私の出番はなし! 

「ステータスや技能については一切他言無用、これが基本だ。あとは本人が辞めたいと言えばそこで即契約破棄。新しい職場を探す」


 ……そもそも任せた方が良さそう。

 私は、目の前の人が、信用できそうか見るだけ。って、答えはもう出てるんだけどね。


 ソフィア、お願い。



―――――――――――――――――――


[名前] ロニー・ウィルモット

[年齢/性別] 26 / 男

[種族] 普人族

[加護/称号] 商業神の祝福 / 元冒険者

[レベル] 52

[HP] 580

[MP] 486

[固有能力] 【商業神の見識】

[能力] 剣術Lv.6,解体,料理,生活魔法,


―――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――


[名前] ラナ・ヴィクルンド

[年齢/性別] 21 / 女

[種族] 半妖精族

[加護/称号] 妖精王の祝福 / 元冒険者 流れ者

[レベル] 48

[HP] 485

[MP] 278

[固有能力] 【妖精眼】

[能力] 弓術Lv.6,短剣術Lv.4,頑丈,妖精魔法,


―――――――――――――――――――



 ねぇ、ソフィア。

 祝福って珍しくなかったりする? 


『いいえ。全人口の0.1%にも満たないです』


 ……。


 祝福持ちの人って、信用できるよね?


『信用ならない種類の方もいますが、商業神はともかく妖精王は信用ならない人格ならすぐに祝福を切りますから、大丈夫でしょう』


 ラナさんの方がより信用できるってこと? というか、祝福って消えちゃうこともあるんだ。



 そして、所長さんとロニーさんの交渉は、順調に進んでいくのでした。




娘が入院しまして……。

今日はストック投入しましたが、明日は更新お休みします。


感想、誤字脱字修正も遅れますので、ご了承ください。

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