表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/42

27.雑踏と大福

 


 ハイクライクの街の中は、ごちゃごちゃしていた。

 雑多なだけでなく、他の街と比べて、狭くて曲がりくねった道が多い。


 いつもなら入ってすぐに裏通りの中で、ある程度の広さがあるところに行くのだけれど、この街ではメインの道しか車体が通らない。

 いや、なんとか入るけど確実に人を轢く。



 もうすぐ夕方になるし、宿を確保するためには、一時的に一方通行になったこの道を行かねばならない。




 普段は街に入ると降りて周囲を警戒するラナさんも、私のとなりに乗ったままでした。

 けれども、警戒はするのでキリッと真剣な眼差しで周囲を見ています。

 すごく、カッコいいです。


 膝の跳兎ちゃんも、鼻をピクピクさせながら、ラナさんに見とれているような気がしました。

 夕暮れに向かう雑踏を、人と車を分けるようにタタールは進みます。



 跳兎ちゃんが門をくぐれたことについては、宿で話し合うことに決まりました。


 けれども、何となく想像がつきます。


 あれですよね。

 転生者特有のご都合主義による補正的な、アレですよね。


『……モモカ、ステータスをご覧ください』



 ずっと黙って表記ナビだけをしていた、ソフィアの声がしました。


 同時に開かれる、私のステータス表(正)。




 ―――――――――――――――――――


[名前] モモカ・ヤマ=ノウチ

[年齢/性別] 15 / 女

[種族] 普人族

[加護/称号] 転生神の加護 / 転生者

[レベル] 1

[HP] 500

[MP] 800

[固有能力] 【ナビ】【テキパキ】【他言語理解】【ペットテイム】

[能力] 頑健,無限収納箱,生活魔法,聖属性魔法,

[ペット] 【跳兎】- 


 ―――――――――――――――――――




【ペットテイム】ってどういうこと?!


 ペットって!




 ―――――――――――――――――――


【ペットテイム】

 魔物の好感度を上げることにより、従魔ペットにすることができる。無理矢理従わせることはできない。好感度が最低になると自動的に解除。他、双方の任意で解除することもできる。


 ―――――――――――――――――――




 なにこの都合よすぎる能力。

 他の転生者にもこんなことが起こるのかな? 起こってるんだろうな。


 ソフィア、どう説明したらいいかな? 



『わからないけれど、従魔になった気がする、というようなぼんやりとした説明がいいと思います。弱いテイム能力はたまに突然追加される人も珍しくなく、特に祝福持ちは能力が追加されやすい特性があります。驚きはされると思いますが、納得を得やすいでしょう』



 テイム、後天的に追加される能力なんだ。

 他にも後天的に能力が発現することはあるの?


『スキルは繰り返し練習をしたり、実践を積むことで表記される状態になることがあります。全く素質がなければ覚えることは出来ません』


 あ、意外とよくあることなんだ。


『突然、というようなことは、珍しいです。……しかしそうですね。もともと素質のあったモモカが、魔物と触れあったことで出現した、という理解のされかたをするかもしれませんね。ロニーならそういう推測をするかもしれません』



 そうか。


 あ、でも、そういうことなら普通のテイムが普通に能力として追加されれば良かったのに。

 そこまでの素質はなかったってことかな。


『本来発現するまでの時間としては足りません』



 そっかそっか、本当ならもっとかかるはずなんだ。

 でも、それだとこの跳兎ちゃんには間に合わない。

 だから、特別に早く発現させた結果がこの……。


「いやいやいや。普通に発現させてよ。なんで固有能力なの」



 思わず口にした文句は、ラナさんにはよく聞き取れなかったみたいで、よかったです。

 あぶない、あぶない。






 宿についたあと、なんとか二部屋確保して、片側の部屋に集まることに。



 最初、オラヴィさんが疑われたあと、なんとなくこの子が従魔になったような気がすると話すと、やはり驚かれたあと納得されました。

 ほっ。


 明日、どこかで従魔の登録をすることが決まり、テイマーの先輩であるオラヴィさんにいろいろと教わることに。


 本当なら名前をつけたあとに、正式に従魔になるのだと教えられ、跳兎ちゃんに名前をつけてあげることになりました。



 かわいい名前がいいなぁ……。

 でも、私センスないからなぁ……。



 すると、目の前に透明な画面が出現。

 選択肢が表示されます。



――――――――――――――――――――――――――――――


▼ ラパン  とつける

  コニー  とつける

  レプレ  とつける

  ブランシェとつける

  ダイフク とつける


――――――――――――――――――――――――――――――



 5 番 目 ! 


 確かに、真ん丸で白くてふわふわで、それっぽいけど! 

 ああ、なんかそれにしか見えなくなってきた。



――――――――――――――――――――――――――――――


 ▼ ダイフク と名付けます。


 よろしいですか?  yes/no


――――――――――――――――――――――――――――――



 違うよ?! つけないよ?! 

 ソフィアも『ダメですか?』じゃないよ、この子は食べ物じゃないよ。


 ああでも、真ん丸もちもち……。





 結局。



 ダイフクと名付けました。


 こちらの人には通じなかったのが幸いです。





 

お読みいただき、ありがとうございました。


タイトルを変更後、初めての日曜日に、驚きの延びを見せて、

当方 ビビっております\(^o^)/


感謝にたえません。ありがとうございます!


また、誤字脱字ご指摘ありがとうございます。

また見つけた際にはお気軽に訂正いただければありがたいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


+*゜。*。゜*+―+*゜。*。゜*+―+*゜。*。゜*+

ランキング参加しています。

小説家になろう 勝手にランキング

ツギクルバナー

+*゜。*。゜*+―+*゜。*。゜*+―+*゜。*。゜*+
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ