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14.魔物と牽獣

 


 どうも、こんにちは。

 前回、面食いがモロバレしたモモカです。


 ダメですね。恋愛対象にはならないんですけど、やっぱり美形や美人は目の保養。ついつい魅かれてしまうのです。


 同じ理由で、小さい子や赤ちゃんや小さい動物にも惹かれます。はにゃ~ん♡て、ふにゃ~ん♡てなっちゃいます。



 でも、普段無表情、もしくは不機嫌顔の人が、ふと満面の笑顔になるのはやっぱり反則です。

 ダメ、ゼッタイ。



 ちなみに麺喰いでもありますよ。前世では1週間3食麺でも余裕でした。友のランチ奢りで阻まれましたが。


 うん、関係なかったですね! 




 そんなわけで、私が気がついたのは、タイクの町での取引が終わり、次の町・サイクに出発するところでした。


 別に手先の器用な職人さんが多いとかはないそう。どちらかと言えば、野菜の産地だそうで。



 このあたりには『○イク』という名前が多いね、と言うと、もともとヘルダラタックの元になった町がアイクという名前で、その後にできた周辺の町や村に一音足した名前が付けられたのだそう。


 さらにその後にできた村には付いてないこともあるけど、これから行く町には全部ついているそうだ。

 わー サイクの次は何かなー?



 馭者台から、オラヴィさんがちらちらと見てきます。

 目の前でぶっ倒れたものね! 気になるよね! 


 もう大丈夫だと伝えて、改めてラブロを撫でさせてもらう約束をしました。

 お昼休憩の時にさせてもらえるよう。やった♪ 



 今日の景色は草原と疎らな木々の他に、遠くにてっぺんに少し岩場の見える山があります。

 この山の向こうに強い魔物が住んでいて、こちらには弱い魔物が住んでいるのだそう。


 弱いと言っても魔物は魔物。一般人には驚異になるものは多い。

 弱い中にも強弱はあり、強いモノは山に近く、弱いモノは草原や林に出てくるという。

 スライムとかいるのかな?


「スライムは洞窟にいるわね」


 いるんだ!


「でもそんな危険なものはこのあたりには居ないわよ」


 スライム意外と強かった! ソフィアによると、強酸液による攻撃と核以外への攻撃無効、素早く隠密性の高い性質が危険とされる理由なのだとか。どれもスライムのイメージ通りなのに、改めて聞くとめちゃめちゃ怖い。

 なんで雑魚魔物のイメージなんだろう? 


「この辺りの魔物と言えば、大鼠と跳兎かしら。どちらもあまり襲ってくるものではないし、危険はないわね」


 何か知らない名前が出てきた。


 大鼠は手に乗るほどの大きなネズミの魔物。跳兎は両手に乗るぐらいの、丸いウサギの魔物。


「跳兎は可愛いし、大人しいの。見つけたら捕まえてきてあげる」


 なんと! もふもふ候補が増えた! わーい! 


 魔物は怖い。

 だけどちょっと楽しみになってきました。




 ― * ― * ― * ― 



 しばらくして、そろそろ昼休憩のための広場につくかという頃。


 道に一台の荷車が止まっているのが見えてきました。


「なんだろ、故障かな?」


 私たちの乗っているロニーさんの荷車と同じぐらいのものが、道の真ん中で立ち往生しています。


 速度を緩め、ラナさんが少し厳しい顔をして荷台から降りると。


「おぉーい! どうしたー?」


 ロニーさんが馭者台に立って、大声で呼び掛けました。


 すると。


「牽獣が怪我をした! 脇に退けるからもうしばらく待ってくれ!!」


 そう返事が来ました。


 ソフィア、牽獣って?


『荷車を牽く魔獣のことです』


 あれ? うちのワンちゃん……ラブロは?

 たしか、ソフィアが『従魔』って言ってたことがあって、私それが荷車を牽く獣のことだと思ってた。


『従魔は、従魔師(テイマー)が従える魔物のことです。このヒュージ・ボレアス・ドッグ[個体名:ラブロ]はオラヴィの従魔です』


 ラブロ、オラヴィさんにテイムされてた!! しかも魔物だったんだ! 可愛い魔物もけっこういるんだなぁ。もふもふ。


 と、いうかオラヴィさんのステータス見てなかったかも。テイマーだったんだ。


『視てみますか?』


 後で! それより怪我した牽獣って大丈夫かな? 


 しばらく見ていても、荷車が動く様子がないので、ロニーさんはこちらの荷車を道の脇に寄せると、荷車から降りました。


「様子を見に行ってみよう。オラヴィ来てくれ。ラナはモモカちゃんの側にいてくれ」


 二人は止まったままの荷車に向かいます。


「大丈夫かな?」

「ええ……たまにああやって商人の荷車を止める盗賊がいるんだけど。……もしそうでもあの二人なら大丈夫だし」


 えっ。それ本当に大丈夫?! 


 私のさっきの大丈夫? は、牽獣の怪我の具合のことを言ったんだけど! 


「あまりにも、荷車の回りの様子がバタバタしすぎてる。想定外の事態があったんでしょうけれど……あ、戻ってくるわ」


 前の荷車から、ロニーさんだけが戻ってきました。


「狩人が残した罠が残っていたのか、ロックリザードが足を毒矢で貫かれてた。しかも前足二本ともだ。4人がかりでもありゃ動かせないだろ」


 ロックリザード? 


『『相乗り車』を牽いていた大トカゲを覚えていますか? あれです』


 ああ! あれかぁ。それじゃ、動かすのは大変だ。

 でも、ロニーさんとラナさんが顔を険しくしているのは、そういうことじゃなかった。


「ロックリザードの足を貫くなんて、本当にただの罠なの?」

「……ま、違うだろうな」


 ……え?


 

お読みいただきありがとうございました。


100ptを越えて喜んでいたら、150ptが見えてました……。

本当にまさかの思いです。


感想まで戴いて(>_<)

コツコツ、がんばります。


次の更新は日曜日になると思います。


誤字脱字その他、ご指摘いただければありがたいです。


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