パーティー名を決めました。
本当のリーダーと別れ、新たなパーティーネームを決める相談をします。
「ええ〜、何でパーティーネームを変更するんですか〜。これは、リーダーの意見を、みんなで検討して、納得してつけた名前でしょ〜。」
「パーティーネームを変更すると、今まで稼いだ貢献度が、全てリセットされてしまいます。勿体無いじゃないですか!」
「何で変更するんですか?私達兄妹は、下町の出身だからこのチーム名に馴染んでいたのに。理由を教えて下さい。」
「うむ、勝利を念じて暴れ、威力を示す、特別な集団。良い名前だと思うがな。」
ああ、ルカさんも厨二病を患っていたんですね。ツンデレで厨二病。かなり面倒くさい人みたいですね。
だが、貢献度リセットの話は無視出来ない。
「シリルさん、貢献度がリセットされるって、どういう事ですか?」
「私達パーティーは、ギルドに登録しています。今では、ギルドの指定依頼だけでなく、指名依頼を受けられる程ギルドへの貢献度が貯まっています。今回の指名依頼である街の外周警護も、言って見ればギルドからのボーナスで、次に冒険に出るまでの間生活費を補償してくれる為のような仕事です。危険度も低く、達成ノルマもない。貢献度が高くなれば、ギルドからはこんなに美味しい仕事も回ってきます。
それが、パーティーネームを変更すると、新規に登録しなければいけません。今まで溜まっていた貢献度はリセットされ、新たに貢献度を貯めなければなりません。」
「ちなみに、いまの貢献度は、どのぐらい貯まっているの?」
「うちのパーティーの貢献度は、無料で指名依頼をして貰える程です。これは冒険者パーティーの中で も、上位40パーティーにしか与えられません。リーダーの方針で、人が嫌がる依頼を多く受けた為、貢献度は高くなっています。あれ?ツグさんって、そんなにいい人だったっけ?」
リーダーとして認識されてはいるが、俺個人の評価はまだされていないようだ。オズさんはやっぱりいいリーダーだったらしい。
ごめんね、DQNネームだなんて言って。オズさんの意志を継ぐ為にも、恥ずかしいけどパーティーネームは残そう。
「すまなかった。みんながパーティーを大事に思っている事を忘れていた。パーティーネームはそのままにしよう。
ただし、今後自分からパーティーネームを名乗るのは止めよう。大事な名前だから、自分達の中でだけ、しっかりと持っていこう。
他の人に聞かれたら、『ただの冒険者のパーティーですよ』と答えよう。」
さすがに、エキセントリックの名前は恥ずかしい。子供に指差されて、「あー、エキセントリックだー」とか言われたら悶死する。
「そうね〜、自分からは名乗らない、ってのはアリかも〜」
「大事なもの程大切にする。その気持ちは分かるな。」
「あんまりパーティー名が広まって、安っぽくなっちゃうのも良くないよね。」
「フフフ、謎めいていて良いではないか。」
みんなも同意してくれた。
ただ、この後、俺たちの通称が『チームナナシ』になる事には、全員気付いていなかった。
ちょっと、オチがついちゃいました。