ああっ魔王様
久し振りのバトルは、やっぱり楽しいね。
バトルシーンは無いけど。
アムロはあいかわず元気だった。
「よう、今回は誘ってくれてありがとう。魔族との対戦が終わったら、お前とも戦うからな。俺のホワイトデビルスーツの性能を見せてやるぜ。」
「お久しぶりです。アムロさん。確かに、白いですね。」
「ああ、表面は弾丸をガムみたいに絡めて止めてしまう素材で、ダンガムって呼ばれているんだ。」
惜しい。ちょっと違う。でも大人の事情で、訂正するのは止めておこう。
「今回は魔王様がとても好意的で、転移能力を持つ部下を派遣してくれるそうです。『フハッハッハ。わしに挑戦してくる奴など、何百年ぶりかのう』とか言って、喜んでくれました。」
やっぱり魔王様も、退屈していたんだな。よーし、ちゃんと期待に応えてやるぞ。
魔王の部下に転移して貰い、魔王城のコロシアムに着く。早速会場は盛り上がりまくっている。段取り良いな、魔王。
「初めまして。ツムグ:コーダと申します。破壊神をやらさせて頂いております。本日は魔王様とお手合わせして頂けるとの事で、大変光栄に思っております。」
「おお、最近世界の力のバランスが大きく動いたと思ったが、そなたの存在のせいじゃったのだな。儂が今世の魔王、アルスラーンである。」
やべえ、プレッシャーがハンパない。確かに世界六位だわ。でも、こっちも破壊神なんだ。押し負けないぞ。
あれ、スッとプレッシャーが消えた。
「そなたとは敵対してはいけない様だな。宜しい。アリアリの組手で勝負しよう。」
直接攻撃アリ、魔法アリって意味かな?ガチじゃんか。
「だが、その前に、そちらの白い者もかなりの力を持っている様じゃ。まずうちの家臣と戦ってみんか?」
「ありがてえ。誰が相手をしてくれるんだ?」
アムロさん、ノリが良すぎです。
「儂の三十六種類の能力の内、須化宇多でお主に見合う相手を探してやろう。ムムム、これは凄いな。将軍レベルに近い。今のうちの軍なら、フェイカム副将軍、お前が適当だろう。パワーはほぼ同じ。あとは戦闘技術の勝負だ。」
アムロとフェイカムの対戦は、本当に手に汗握る、っていう勝負になった。パワーも技術も互角、削り合いの勝負だ。
決着は、アルスラーンの言った戦闘技術では無く、装備の差だった。追いつめられたフェイカムの放った切り札のバレットという弾丸を、ダンガムが受け止めてしまったのだ。
「見事。アムロ殿の勝利である。フェイカムにはもう攻め手が無い。これ以上の続行は、無意味だ。」
アルスラーンの判定で、アムロが勝った。でも本人は全然納得して無いみたい。
「おい、フェイカム、今度はお互い武器無し、装備無し、魔法無しで組手やるぞ。拳の交わし合いが男の会話だ。」
「望む所だ。その条件なら今度は私が勝つ。」
なんか、男の友情が成立したみたいだ。アムロさん、そんな熱いキャラじゃなかったでしょ。
次回は魔王様とお手合わせの予定。




