前略、道の上より。
ソイヤソイヤそいや。
開拓村までの道を整備してたら、えらいもんが現れた。
バシリスクの番だ。しかも卵持ってる。
当然こんな所に普通に出て来ていいもんじゃ無い。ベヒモスやマンティコアには及ばないが、素材探しにダンジョンに潜って、レベルが足りてたら当たり。足りなきゃ大外れクラスのモンスターだ。
これはアレだな。誰かが開拓の妨害をしてる。それもバシリスク連れて来れるぐらいだから、かなりレベルの高いヤツだ。
「エキセントリック勝念暴威。出動ですよ。」
久し振りのフルメンバーだ。バシリスクの討伐中に横槍が入るかも知れないから、ここは油断せずに全力で行く。
ネイさんの防御力がえらい事になっている。こっそりステータス確認したら、120超えていた。オイオイ、人外のレベルだよ。バシリスクの石化も、まるで問題にしないね。
今度教会で、ジョブ付けてもらおう。
シリルさんも、戦い方は荒っぽくなったけど、一撃の威力が段違いに上がっている。
これでジョブ無しなんて、冗談にしか思えない。
リリルさんは、バードの能力にも慣れてきた様だ。多人数の同時回復も、平気でやっている。流石はハイバード。実は、もうプリエステスになれるんだけどね。
ルカさんは、相変わらず相手の攻撃を、全部飲み込んじゃう。安定の強さだ。
これなら破壊神モード、使わなくても大丈夫。アレ地上で使うと、危ないんだよね。パーティーバトルだと、フレンドリーファイヤーが。
無事妨害もなく、バシリスクの討伐は終わった。
ここでいきなり、界○拳。後ろの林の方から、反応があった。
回り込むと知らない奴がいた。意外にも一人。誰かに雇われたんだろうな。
こちらの考えを先読みした様で、そいつが喋り出した。
「オーケー。あんたらには敵わない。素直にギブアップするよ。」
「いいの、雇い主への秘守義務とか。」
「あんたらに俺程度を当てたオーナーが悪いんだろう。俺なら絶対に敵対しないね。友達になるよ。」
「オーナーって誰なの?」
「マイヨネスだよ。今まで大名商売して来たから、仕事が持ち直せないみたいだ。せめて足を引っ張りたかったんだろう。」
素直に教えてくれてありがとう。マイヨネスには、ちゃんと御礼をしないとね。でもその前に、うちのパーティー襲ってくれたあんたはひとまず消し炭だ。
よかった。かろうじて息はあったみたいだ。生きてさえいればうちの女神様が回復してくれますよ。
ツグさんあいかわず容赦ねー。
友達になるつもりは無い様で、名前も聞きませんでした。




