交易開始
いつも前書き考えるのが面倒くさいな。
ストーリーは続きで思いつくんだけど、前書き後書きはその度考えなきゃいけないから。
「アーサーさん、王都の商業ギルドと、定期交易する事になりました。」
「何ですと?何でそんな事に?」
「こっちの売り物は、基本的にモンスター素材。向こうから買うのは、基本的にこちらのリクエスト。リクエスト商品は、二週間前までにリストにしておいてね。売り物は私達が用意するけど、他のパーティーでも売れる物があったら、一緒に売りさばきますよ。今一番人気はモンスターの皮らしいです。解体出来る人に、声掛けておいて下さい。三週間後から、開始します。」
「ちょっと待って下さい。ちゃんと契約内容を確認させて下さい。」
「大丈夫、まだ仮契約です。三週間の間に、向こうのサリーダさんというギルマスに、確認とって下さい。」
「ツグさん。私達ネルフーリ商会は、王都商会ギルド、ランプータン支店になりました。」
「ああ、そうですか、よかったですね。」
「どの口がそんなことを言いますか!こんな怒濤の展開は、誰だって予想出来ませんよ。いきなり王都の連合商会会長さんが、直接そんなお話を持って来てくれると思いますか。こちらの在庫も、全て引きとってくれました。特に、素材を分けてあるモンスター皮は、通常の三倍の相場でした。」
「いますぐ、全てのハンターに指令を出しますよ。とにかくモンスターを狩って来ること。ただし、素材の損傷は最少で。質が良ければ、マイヨネスの三倍で買い取ります。解体費はこちらで負担します。」
「ハンターって何ですか?初めて聞きますけど。」
「どのギルドカード持っている人も、全てハンターです。要は、ギルドに素材を買い取ってもらえる人は、全てハンターです。」
えらい事になってしまった。今ランプータンは、ハンティングバブルだ。よそからも、噂を聞いて冒険者達がやって来る。そいつらが、今まで溜め込んでいた素材まで持って来たもんだから、ネルフーリの解体屋さんは悲鳴をあげている。
「あの〜、私らも使って貰えませんか?」
マイヨネスの専属だった解体屋さんが声をかけてきた。
「仕事が無くっちゃ生活できませんし、いま解体の仕事はネルフーリしかないですから。」
全然OKです。
ネルフーリは、あっという間にランプータンNO1商業商会になってしまった。
いや、もはや総合商社と呼んでも良いな。
王都の商会との太いパイプが、一番大きい。連合商会会長さんがアーサーさんと仲良しなのも好条件だ。アーサーさんは薔薇じゃないけど、そういう趣味に否定はしない人だったみたいだ。
「アーサーちゃん可愛いわね〜〜。お相手をしてくれないのが残念だけど、お話してるだけで楽しいわ〜〜。」
サリーダさんが自制の効く人で良かった。というか、自制が効かなかったらこんなに偉くなって無いだろう。
ネルフーリさんも、儲けが出ているので、口出ししていないようだ。このまま引退してくれれば、と思う。
わざわざ後書きで書くことってのも無いんだよね。
結構、定型文で済ましている作家さんもいるみたいだし。




