パーティーと会いました。
オズさんのパーティーを紹介されます。
ちょっと大人のお話が入ります。
不快感は入れないようにしたつもりですが。
今日はオズさんのパーティーとご対面です。
オズワルドさんは、「ダチなんだからオズで良い。」と言うので、オズさんになりました。
ちなみに、私はツグのままです。ダチ公にさん付けしたくないというオズさんの意向です。
オズさんは自分の事も呼び捨てにして欲しいようでしたが、お世話になっている以上、やはり敬語は必要です。
「こいつがネイグリッテ。呼称はネイだ。」
「は〜い、ネイですよ〜。主にパーティーの盾役をやってますぅ〜。どんな攻撃も防御力28を誇る私が、カバーしちゃいますよ〜。」
凄いな。細い女の子なのに、常人の2.8倍の防御力か。
「アタッカーのシリルだ。よろしく」
若い男が自分から挨拶してきた。日本人としては、つい名刺を出したくなるが、今回は最後に挨拶を、と言われていたので我慢する。名刺も作って無いしね。
「あとの二人は後衛職。リリルとルカだ。」
「リリルです。シリルとは、双子の兄妹です。見た目も、性格も全然似てないけど、仲はいいんですよ。役目は回復かな?ヒーリング系の魔法が得意だけど、まだジョブは持ってません。」
「ルカだ。得意なのは遠距離攻撃系魔法。ジョブは魔法使い。」
「そして俺がオズワルド。ジョブはファイター。遠近攻防のバランスをとる戦闘スタイルだ。」
「ちょっと待ってよ、ジョブ無い人混じってるじゃん。これで冒険者のパーティー組めるの?」
「何を言っているんだ?ジョブ持ちは俺とルカだけだぞ。5人パーティーで2人もジョブ持ちがいるんだから、充分強いパーティーだぞ。」
「じゃあ、ネイさんとシリルさんは、」
「自称、そういう役目だ。チームバランスは取れている。」
あかん。これはあかん奴や。
そこそこ強い奴らが集まって、弱い奴を相手に戦って、よし、俺たちは十分に強くなった、と思って、大魔王に挑戦して撃破されるタイプ。
勇者の名を高める為の足場になるパーティー。
「あの、・・・・が勝てなかった魔王を、勇者が撃破したぞー」
「ちなみに、君たちの目的は何だい、何の目的で冒険者やってるの?」
オズが答える。
「俺たちはみんな、生活する為に冒険者になった。
逆に言えば、冒険者にならなければ、生活出来なかった。
これ以上開拓出来ない農家の三男、食い詰めた商人の子供、娼婦になりたくなかった娼婦の娘、
そんな連中の集まりが今の冒険者達さ。」
オイオイオイオイ、そりゃ駄目でしょ。
農家の三男、新しい開拓地を探せよ。商人の子供、新規の商売ルートを作れよ。娼婦の娘、お前こそ勉強すれば、どんな仕事だってできるだろう。
この世界では、職業は世襲制で、親の職業を継げないものは、皆自分の仕事を探さなければいけないらしい。
安易な選択肢として、冒険者があるので、みんな自分の資質を考える前に、とりあえず冒険者になっちゃうみたい。
「はい、ではまずこのパーティーを解散します。」
選択の自由さんで、指導者のスキルを選択した。
スキルの選択には、魔力を使わないので、今の俺にも選択できる。ただし、今のレベルで選択できるスキルは、固有スキル以外では、一つだけのようだ。
指導者の言葉には、無意識に従ってしまう。
「今の皆さんのステータスを鑑定しました。あなた方には、冒険者より向いている職業があります。
まずネイさん、あなたの防御力は28と高いです。普通の人ならあなたに傷をつけるのは難しいでしょう。
でもあなたには、もっと優れた隠しステータスがあるのです。【チャーム】LV1:イナクティブ
この能力を使えば、あなたはどんなお店でも、看板娘になれます。」
「でも、私はママみたいな誰とでも付き合う仕事はしたく無いよ〜。だから冒険者になったのにぃ〜。」
「違います。この能力はきっと、あなたのママが与えてくれた能力。どんな人にも好かれ、嫌な人は拒絶できる防御力。あなたのママは、きっとあなたに幸せになって欲しかったのでしょう。
あなたが望むなら、私は今この能力を解放できます。どうしますか?」
「私はママが本当は大好きだったの。でもいろんな男の人と付き合うママは好きじゃなかった。ママには、パパが大好きなママでいて欲しかった。でも、パパが死んじゃった後、生活の為にいろんな男の人と付き合うママを見て、こんな仕事はしたくないと思った。たとえ私にそんな能力があっても、私はそれを使いたく無い。」
「分かりました。では、ネイさんはパーティー残留という事で。」
指導者のスキルでパーティーを組む。
「次にシリルさん。あなたには高い攻撃力より、もっと優れた計算力があります。ちょっと勉強するだけで、有名な大商人になれるでしょう。もうこの能力は解放されているので、私がする事はありません。
あなたは学校に行って、勉強して商人になる方が良いのでは?」
「今の話を聞いた限りでは、お前はとんでもない知識を持っているようだ。学校に行くより、お前に教わった方が効率が良いんじゃないか?勿論授業料は払う。」
ハイ、一応高等教育は受けていますし、大学でも理系学科でした。ビブンセキブン、やな気分、解けてよかった。
カテキョーのバイトもした事あるし、シリルさんはパーティー残留で。
「リリルさんには、滅多に無い凄い才能があります。バードです。元々得意な治療魔法を、詩に乗せて周りの人全員にかける事が出来るのです。今ジョブが発現していないのは、単純に経験値不足です。このまま順調に経験値を上げていけば、あなたの才能は開花するでしょう。」
「だったら、このまま冒険者を続けて、経験値を稼ぐのが一番いいよね。」
オッケー。パーティー残留です。
「ルカさんには、深い闇が在ります。このまま周りの人に聞かれてもいいものか、私には判断出来ません。」
「いいよ、保留で。」
とりあえずルカさんはパーティー残留で。
問題はコイツだ。
「オズさん、いや、オズワルド。あんたはこんな所で冒険者をやっている場合じゃ無いだろう。この国の第3王子であるあんたが!」
衝撃のオズさんの正体。パーティーの行方は如何に、ナンチャッテ。