帰宅
アクセス数が増えてきた様です。
ワイバーン素材料をギルドカードに振込んだ後、薔薇の花亭に戻り、みんなにランプータンに帰る事を告げる。
「え〜〜〜。もっと泊まっていきましょうよ。帰っても急いでやる事無いですし。」
「ウム、今回はシリルに同意だ。私には今はこの安らぎが必要だ。」
あかん、緩みきってダメな人になっちゃってる。
「ダメですよ。此処一泊幾らすると思ってるんですか。用事も済んだし、ランプータンに帰って、また商売しますよ。」
「私は自分の宿泊料ぐらい、自分で出しても構わない。」
「ウム、右に同じじゃ。」
あれだけしっかりしていたシリルさんが〜〜。ルカさんは予想通りだけど。
「ダメですよ。この街で商人カードを持っているのは私だけです。私がチェックアウトしたら、冒険者カードではこの宿には泊まれません。ほら、さっさと帰り支度しますよ。」
「あれだけ優しかったツグが、鬼になってしまった。」
「お金というものは、本当に恐ろしいものだのう。」
「つまらない事言ってないで、さっさと荷物をまとめなさい。」
これからは定期的に交易しないといけないので、拠点が必要だ。いつまでも高級ホテルではいけない。
かといって、無人の賃貸家屋は勿体無い。
よし、ここはサリーダさんに相談だ。
「サリーダさん、この王都に活動拠点が欲しいんですけど。」
「あらまあ、やっと気付いたのね。とっくに探してあるわよ。いつ言って来るかと思っていたわ。」
やべえ、サリーダさんの有能さハンパねえ。紹介された物件も、王都の中心からは遠いが、12人ぐらいは平気で泊まれる一軒家。普段は無人でも、人がいる時は近所の農家のおばさん達が交代で賄いをしてくれる。留守の間の維持費も込みで、購入料はほぼ今回の売り上げと一緒だった。
「サリーダさん、条件に申し分は無いのですが、これだと私今回手ぶらでランプータンに帰る事になるんですけど。」
「あらまあ、初期投資っていう言葉を忘れちゃったの?私としても、あなたに期待して、思いっきり値引きした初期投資をしたつもりよ。今後2ヶ月おきには行商に来てね。利益が出るのはそれからよ。」
その通りだ。でも、交易で来た以上、何らかの仕入れをしなければ帰れない。
しょうがない、とっておきのカードを切るか。
「サリーダさん、ギレンさんにも見せなかった素材があるのですが。本当はお金が貯まったら、自分で加工したかったんですが。」
「あらまあ何なの?」
「こいつです。サリーダさんなら、説明要らないでしょう。」
「こ、これは、、、ベヒモスの角!何でこんなトンデモ素材を持っているの?」
「うちのメンバーが探索に行った時、たまたまベヒモスの死骸を見つけたんです。素材はみんな駄目になっちゃってたけど、丈夫な角だけは使えそうだったんで持ち帰ったんです。流石に特S級の素材なんで、人に売る気はなかったんですけど、今回の行商で仕入れ金がなくなっちゃったし、ギレンさんよりサリーダさんの方がうまく使い回してくれそうだから、買って下さい。」
実は、ベヒモス素材、スタンドさん達が倒したから一揃いあるんだよね。でも、角は加工が難しいから、どうしようかと思っていたんだ。ランプータンには加工できる技師もいないし、ここで出すには丁度いいでしょう。
それにしても、強過ぎるよね、スタンドさん達。
サリーダさんはかなりお高めの買い取り価格をつけてくれたので、街で不足している消耗品や嗜好品を購入し、やっとランプータンに出発する。
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