商売を始めます。
商売を始めようと思った。
とりあえず、商売人ギルドに行く。
「すみません、登録したいんですけど。」
「ああ、カードを出して。」
俺は、さっき貰ったばかりのカードを出した。
「ちょっと、このカードまだ所有登録されていないじゃ無いのー。すぐに教会行って登録して来なさい。」
「えっ、何ですかそれ?」
「このままだと、誰かに盗まれたら、そのままそいつの物になっちゃうよ。教会かギルドで説明されなかったの?」
どうやら先程の教会の職員には、悪意があったようだ。WinWinなんて、いかにお人好しだっただろう。
「登録はどこのギルドでも出来るのですか?」
「商売人ギルドでは出来ないわ。教会か、冒険者ギルドでないと。教会で登録すれば、プライマリーナンバーが付いて、他人に貸与出来るようになる。冒険者ギルドではプライベートナンバーで、自分専用に成る。自分にとって一枚目のカードなら、冒険者ギルドで登録した方が良いかもね。」
さっきの教会の受付の人と違い、この人は本当に良い人みたいだ、
「失礼しました。私はツムグ:コーダと申します。ツグと呼んでいただければ幸いです。宜しかったら近所にある冒険者ギルドの場所を教えて頂けませんか?」
「あらあら急にしゃちほこばって、私はサリーダ。商人ギルドの受付よ。見ての通り、身体はオトコ。でも気持ちはオトメよ。ヨロシクね。」
間違えた。気持ちは良い人みたいだが、キモチワルイ人だった。
「冒険者ギルドなら、丁度ウチの向いの建物よ。サリーダの紹介だって言えば、ギルマスのギレンに逢えるはずよ。ギレンは昔っから、私に首ったけだから。」
マズイ。冒険者ギルドのギルマスもキモチワルイ人みたいだ。
「ありがとうございます。とりあえず登録して来ます。」
「すみませーん。商人ギルドのサリーダさんの紹介で、カードの登録に来たんですけど。」
「サリーダの紹介だと…」
「おい、ボスを呼べ、他の奴じゃ対応出来ん。」
「わざわざサリーダが名前を出して紹介するとは、よっぽど気に入られたんだな。
俺が冒険者ギルドのギルマス、ギレンだ。サリーダとは幼馴染だが、ずっと付きまとわれて迷惑している。」
あれ、サリーダさんとの意見の相違が、
「今日はカードの登録をお願いします。プライベートナンバーで良いので、こちらでお願いします。」
「えらく上等なカードだな。教会で登録しなかったのか?」
「教会の担当者が説明してくれませんでした。」
「成る程、後日横取り出来る様に企んでいたんだろうな。でも、即日登録に来たのは立派なもんだ。」
「サリーダさんのアドバイスで。」
「アイツ底抜けのお人好しなんだよなぁ〜。アレであの性癖さえ無ければ、一番の親友になってたのになぁ。」
「ギレンさんがサリーダさんの追っ掛けだっていってましたけど。」
「キサマ、殺すぞ。」
あまりの殺気に、ガクブルです。
商売を始められなかった。




