ダンジョン探索を続けます。
話が中々進まない。
「という訳で、スライム倒してきました。次は、無事に第2層に進めます。」
「何でお前は毎回説明をしないんだ?『と言う訳で』じゃ分からんだろうが。」
シリルが怒っている。
「まーまー、確かにツグはスライムを倒したよ。私も見ていたから。」
リリルさんがフォローしてくれる。
「第2層に行けるのなら、問題は無いだろう。ダンジョン攻略を続けようか。」
ルカさんはマイペースだ。
「第2層攻略にあたり、リーダー命令があります。
敵の解説は、シリルに任せます。他のメンバーは、シリルの解説を聞いて、勉強して下さい。」
「何故だ。みんなで共有知識を増やすのではないか?」
「ルカさん、第1層攻略の時、シリルの知識以外は、まるで役に立ちませんでした。第2層以降は、有り得ないとは思いますが、もし万が一、シリルの解説が間違っていると思ったら、皆さんもフォローして下さい。」
「何だか、役立たず扱いされたみたいですね。」
「リリルさん、それは違います。適材適所。ネイさんは索敵、シリルは解説、ルカさんは魔法とレベルアップ。みんな得意な事をして下さい。」
「やっぱり、私は役立たずじゃないですか!」
「そんな事はありません。リリルさんには回復という重要な役目があります。回復が出来なければ、全員消耗してアウトです。リリルさんにはバードになる為、レベルアップしてもらわなければなりません。」
「うぅー、わかったよ。でも、今日は2回もダンジョンに潜って、かなり疲れた。メシ喰って休ませてください。」
俺には今日のメシ代も無いので、ギルドで今日の収穫を買い取って貰う。といっても小さな魔核一つだけど。
「500,000ペリカになるね。」
ギルドの職員が言う。ペリカって何だ?お金の単位なのか?どっかの地下で聞いた気がする。どれだけ価値があるんだ?日本円の10分の1とかじゃないだろうな。
「500,000ペリカなら、5頭分して一人100,000ペリカ。俺たちの宿代メシ付きで丁度10泊分だ。やっぱりダンジョンは効率いいな。」
シリル、それって効率いいの?俺5回戦って、報酬100,000ペリカだよ。一戦闘平均したら20,000ペリカだよ。毎回命懸けの戦闘して、それも最初のゴブリンから運良く出た、魔核一つの報酬だよ。
「何言ってるんだ。低レベルの魔物相手に、苦労はしなかっただろう。スライムにリーダーが麻痺させられたのには驚いたが、うちのパーティーなら、こんなダンジョン探索は毎日でも出来る。
5回に1回、魔石が出れば、普通に稼ぐよりずっといい。今回みたいに魔核が出れば、大儲けだ。」
ああ、そうですか。ではしばらく、経験値とお金を稼ぐ為、ダンジョン探索を続けましょう。
次は長くなりそうなので、幾つかに分けます。




