表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊能探偵は今日もゆく  作者: いばら
3/5

依頼内容

依頼者の方はあまり寝ていないのか、目の下のくまが酷い。

細いを通り越してガリガリである。

今にも倒れてしまいそうな、そんな女性である。

「この用紙を記入してください。」

そう言って、僕は依頼者にいつも渡している用紙を差し出す。

所長はと言うと、ソファーでふんぞり返っている。

「なにか見えますか?」

僕は所長に小声で問いかける。

所長はいわゆる霊感というものがある。

「うーん、憑いてるのはこの人じゃなく家だと思う。」

そう呟いて考え始めた。

「終わりました。」

依頼者がそう言って、紙を差し出す。

僕は、それを受け取ってお決まりの質問をする。

「具体的に依頼内容を教えてください。」

僕はそう言ってボイスレコーダーをつける。

記録を残さないと、何かあった時に困る。

それにメモより効率がいいと僕は考えている。

「実は、寝ているときに金縛りが起きるんです。」

そう言ってポツポツと喋り始めた。

何でも、寝ているときに足を引っ張られてしまうんだそうだ。

そのため夜は眠れない。

家にいると四六時中見張られている気がして落ち着かない。

そんな状況のためご飯もあまり食べれなくなってしまったそうだ。

僕は、聞き終わり所長に顔を向ける。

所長は用紙に目を通している真っ最中である。

「家族は母親と父親。一緒に暮らしているの?」

所長は用紙から目を離さず問いかける。

「いえ、ひとり暮らしです。」

所長は、頷きまた口をつぐむ。

僕は、特に話すこともないので黙って所長の様子を眺める。

「都合のいい日はいつですか?」

所長はまたもや用紙から目を離さず問いかける。

「いつでも大丈夫です。」

依頼者は答える。

「では、一週間後に伺います。」

所長はソファーから降り、外に向かう。

「準備のため。2、3日事務所を開ける。」

所長はそう言って、依頼者と僕を残し出て行った。

俺は依頼者に帰っていいことを伝え、事務所の扉にCloseの看板をかける。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ