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霊能探偵の日常
「暇。」
朝、とある事務所の扉が空き入ってきた女性の第一声がこれである。
「おはようございます。昨日来た依頼をあなたが断ったからでしょ、暇なのは。」
僕は赤城蓮。今さっき事務所に入ってきたのは、ここの所長である安倍晴夏。
背は女性にしては高い部類で、かっこいい系の美人である。
モデルなどと言われても頷けるくらいのプロモーションである。
そして、この事務所は霊能探偵事務所。
幽霊に関することを調べる事務所である。
幽霊だの妖怪などと本気で信じているものが少ないご時世、依頼などしょっちゅう来るわけもなく。
「だって、あの依頼は何にもないんだもん。」
調べるだけ無駄っと言ってソファーで眠り始めた。
本物の幽霊騒ぎなどもめったに来ないわけで、暇なのは当然である。
僕はため息をつく。
そして、俺は事務所の掃除を始めた。
この事務所は滅多に人が訪れないので、掃除をし所長の相手をして一日が終わる。
こんな楽な仕事などないと僕は思っている。
しかも、給料が高い。よく潰れないものである。
こんな怪奇な事務所のお話。