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その後のそれぞれ

作者: しづ

ここユーグル帝国には、3人の賢者・1人の大魔法使い・2人の剣の英雄がいる。

みんな不老不死との噂だ。

なんでも女神様に認められたら不老不死になれるそうだ。

賢者様になった一人はこの国の建国に力を尽くし、もう一人は一度この国が滅びそうになった時に英雄様と二人で救ったそうだ。

残りの賢者様・大魔法使い様・英雄様達はパーティーを組んで魔王を滅ぼして世界を救ったと言われている。

そんな6人は今何をしているのだろう?


~建国の賢者様の場合~

建国当初に国民の学力の低さに嘆き、勢いで建てたジロミート高等学院の某部屋にて優雅に紅茶を飲んでおりました。

20代前半の黒髪・黒目と、この世界にはあまりいない色を持っております。

スラリとした優雅なたたずまいで紅茶を飲むお姿は絵になっておりますね。

お顔も整っており、優しげな雰囲気の癒し系賢者様です。

さすがと言いますか、女神様とお茶をされています。

ニッコリと微笑みながら賢者様は女神様に話しかていらっしゃいますよ。

「新しく国を造りたいからって、平和ボケしている日本人拉致るってマジありえませんね。私は召喚されて人生を棒に振りましたよ。、資産家の次男でしたけど、長男はボンクラで名家なのに没落するなんて未来しか想像できなくて早々に退散願って遊んでいましたのに。完璧・無敵人生の勝ち組で各方面に落とし穴・・・ゴホン・・・罠・・・もとい・・・皆さんと楽しく仲良く遊んでいる最中だったのにこちらに召喚されて良い迷惑でしたよ。」

あれ?優雅に?お茶?

「あらぁ。そんなあなただから召喚したの。お詫びに不老不死を受け取ってくれたじゃない。」

甘くいつまでも聞いていたくなる美声で話す女神様。

絹の様な金色の髪に輝く美貌、ナイスバディーなお姿。慈悲深く国民思いの女神様。

「まるで私が了承したかのように言いますね。『私といつまでも一緒にいられるように不老不死にしてあげたわよ。』なんて他者が聞いたら誤解するセリフを言って・・・本音は自分好みの人間をこの国のために働かすためでしょうに。現に次の賢者&英雄の時も手伝わされましたよ。」

ん?国が滅びそうになったときも参加されてたんですか?

「ほんとは表で活躍してほしかったのよね。裏方まわっちゃうんだもん。」

ぷんぷんと怒る女神様、かわいいですね。

まだまだお話は続いておりますが、次行きましょう。


~国が滅びそうになったとき現れた賢者様&英雄様の場合~

城の執務室の中は現在二人しかおりません。この方達が賢者様&英雄様ですね。

落ち着いた雰囲気の部屋に、不釣り合いなぐらい机の上に書類が積まれています。

お仕事ご苦労様です。

「俺、いつまで国王しなくちゃならないんだろう?」

金髪碧眼の美貌の王様が嘆いています。この方が賢者様でしょうか?

「それを言うなら俺もだぜ。将軍なんて言われて軍のトップに立たされて・・・」

こちらは燃え立つような紅髪に紅瞳ですね。この方は英雄様ですね。

「『国が滅びます。今こそあなたたちの力を貸してください』って貴族だった私達の前に女神様が現れておっしゃられるので協力したけど。」

そうだったんですね。今回は召喚ではなく自国民の手で解決されたんですね。

「国内の腐敗が他国の軍を呼び寄せる結果にに女神様が嘆かれての協力要請だったよなぁ。不老不死にしてくれたから無茶もできたし・・・でもなぁ、不老不死の嫁さんもほしかったよ。」

え?嘆くとこそこなの?

「不老不死だから、跡継ぎいなくても国王は不在にならないですしね。」

あ!言われてみれば、跡継ぎ問題不要ですね。

「俺よりも建国の賢者様のほうが王様にむいているよ。」

「あぁ。怖かったなあの方。笑顔で色々と思い通りに操っていたよ・・・裏で。今現在も時々遊ばれているもんなぁ。」

「おかげで腐敗貴族とかもなく国のためになっていますが・・・書類がぁー!」

そう言って机に突っ伏してしまう賢者の王様。

哀愁漂わせっている英雄の将軍様。

お疲れ様です。


~魔王を倒した賢者様・大魔法使い様・英雄様達の場合~

質素な部屋に思い思いの格好で座っている3人がいました。

この方達が魔王を倒した賢者様・大魔法使い様・英雄様達ですね。

おや?部屋の外からノックの音がします。

部屋に入る許可をもらい書類片手にかわいらしい女性が入ってきました。

「失礼致します。各ギルド長様達に頼まれていた書類を持ってきました。」

そう言って書類を手渡すと女性は部屋を出ていきました。三人ともギルド長なんですね。

この国にはチョコレート髪の長が仕切る商業ギルド・銀色の髪のギルド長がいる魔法ギルド・金髪の髪のギルド長がいる冒険者ギルドがあります。

「また、建国の賢者様の遊びの後始末かぁー。」

そうチョコレート色の髪を持つ方が嘆きます。この方は商業ギルドの賢者様ですね。

「そう言いたくなる気持ちもわかるが、あの方は怒らすとまずい。」

この方は銀色の髪ですから、魔法ギルドの大魔法使い様ですね。

「そうそう。魔王退治のために黒い笑顔で色々鍛えてくれたし・・・もう二度とイヤ。魔王より怖いって・・・」

そう言って顔面蒼白にしながら震えているのは、金髪の冒険ギルドの英雄様ですね。

「俺達が魔王を倒しに行かなくても、あの方なら一瞬で倒してたよ。それなのに、『女神に言って、不老不死にさせたんだから死なないよね。思いっきり学べるよね。』って黒い笑み浮かべてさ。」

なにされたんでしょうね。ご愁傷様です。

「『魔王退治終わって何するの?良い働き口紹介してあげる。』と言って、一般市民だった俺らに無理やりギルド長させるし。」

あぁ、ここでも哀愁漂わせています。

苦労が絶えないんですね。




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