始まりの質問(下)
この後の展開がだいぶ変わってしまう変更をしましたm(_ _)m
「まぁ、天使のことはもういいが、まずこの世界で生きて行くには金がないとな………」
そこでゴッヅは何か思い出した様な顔をした。
「そういやそうだったな」
「なにがだ?」
「いや、実はお前ら稀人を見つけたら各街の公的な場所、まぁこの門や図書館などといったかんじのとこだな、そこでこの世界の準備金を渡すことになってたんだ」
「ならちょうどいいじゃないか。実物で説明してくれ」
「おぉ、待っとけよ。………えぇ〜っと、確かここに………おっ、あったあった」
そういってゴッヅは棚から何かの皮で作られた袋を取り出した。
「これがこの世界の金だ」
ゴッヅが取り出したのは白色の硬貨、 茶色の硬貨、銀色の硬貨だった。
「白色のから一マルカ鉄貨、茶色の十マルカ銅貨、銀色のが千マルカ銀貨だ」
「ん? 金貨はないのか?」
「お前はバカか? 金なんか使ったら硬貨としての価値より硬貨そのものの方が価値が高くなっちまうだろ」
「金はそんな高いのか? 平均の一食分の値段と比べたらどれぐらいなんだ?」
「そうだな。一食分を自分で作ったら大体百マルカぐらいだな。そんでこの硬貨ぐらいの大きさの金だったら一億は軽くいくだろうな」
「一億⁉ なんでそんなに⁉」
「金っていうのはな、錬金術では作れないし、そんでもって魔術の高位の媒体になるんだ」
「錬金術ってのは分かるが、魔術ってのは?」
「魔術ってのはな、様々な手順、陣を書いたりすることだな、をやって様々な効果を発揮させるんだ」
「その媒体が高価ってことは需要が高いってことか?」
「その話をするならまずは魔物と魔法について話さないとな」
煌夜は魔法という言葉に目を輝かした。
「魔法なんてものがあるのか?」
「あぁ、じゃあまずは魔法から話すか。まず魔法っていうのはな、『未知の力(以降魔力)をつかい法を乱す方法』っていうんだ」
「法を乱す方法?」
「そうだ。魔法はな魔力を使って、原因を無視して結果を起こすんだ」
「つまり、火種無しで火をおこしたり?」
「簡単にいえばそうだな。だが法を乱すにも無理なものがあったりするんだ。」
「それは?」
「まずは、重力、時間、空間などのこの世界に固定されている概念は乱せない」
「そんなこと出来たら一日で世界が終わるだろうな」
ゴッヅは苦笑いした。
「まぁ、そうだろうな。で、次は、何かの現象を起こす為にはそれ相応の魔力が必要なんだ」
「魔力………ねぇ」
「魔力ってのは人の体の中にある未知の力のことで、人それぞれで魔力の量は違うんだ」
「じゃあオレにも魔力はあるのか?」
「まぁ、あるにはあるんだがなぁ………」
「ん? どうしたんだ?」
「いや、稀人はな、莫大な魔力はあるが………魔法は使えないらしいんだ」
「えっ? いや、どうしてなんだ?」
「それは恐らくなんだが、魔法ってのはなかなり才能に左右されるんだ。それも魔法がつかえるのは千人に一人といわれるほどにな」
煌夜は何か納得した様な顔だった。
「もしかして、魔法を使える奴が少ないから媒体が高価なのか?」
「あぁそうだがまだ理由があるんだ」
「魔物か?」
「そうだ。魔物っていうのはなピンからキリまでいてな、ただ蹴るだけで死ぬ奴や、どんなに鋭い剣でも一切歯が立たない奴もいるんだ」
「そこで魔法と魔術か」
「あぁ、かなり頑丈な奴でも魔法が苦手な奴なら強い魔法をあてたら一発だ。そして、魔術で火を纏う剣などを作れば、一発とはいかなくともかなり善戦できるな」
「魔法が使えない奴のための術ってことか」
「まぁ、そうだな。あと聞きたいことはあるか?」
煌夜は首を振って
「いやもう聞くことはない」
「そうか、じゃあほれっ」
ゴッヅは皮の袋を投げ渡した。
「そん中には、七千マルカあるからな。それとこれもほらっ」
ゴッヅがくれたものは………
「剣………だよな」
若干短い剣、短剣だった。
「まぁ、ここにある予備だからしょぼいがないよりはマシだろ」
「いや、これは嬉しい。ありがとな」
「別に構わねぇよ。あと鞘とベルトだ」
煌夜は剣を鞘に入れ、ベルトを腰にまきそのベルトに鞘をさした。
「とりあえず、ここを出てその道をまっすぐいくと、剣を交差したマークが書いてある看板がある。そこはギルドっていうんだがそこに行けばこの街のいろんなとこを教えてくれるだろう」
「わかった。何から何までもありがとな、ゴッヅ」
「あぁ、お前さんもがんばれよ」
そういって煌夜は部屋を出て門の街がわへとでていった。
「スゲぇ、見たことないものばかりだな………」
門を抜けてすぐあったのは屋台通りだった。
「いらっしゃぁぁい!! コッコの焼き鳥っ‼ 一本三十マルカだよ!! 買った買った!!」
そこにあったのはものすごく美味しそうな匂いの焼き鳥だったり、見たことのない魚や野菜、果物だったりといろんなものが売っていた。
「ギルドにいって今夜の宿を聞いてからあの焼き鳥食おうかな………一本三十マルカってことは一マルカを三円だと考えると九十円か、安いな………」
「ねぇねぇ君?」
「ん?」
そう呼ばれて横を見てみると。
「君、もしかして稀人さん?」
そこにいたのは、身長が百六十センチぐらいで(煌夜は百七十ぐらい)で黒い髪に黒い目の可愛い女の子だった。
(確か黒髪は稀人だけだったよな?)
「あぁ、そうだがお前もか?」
「うんっ、そうだよ!! いや〜、もし稀人さんじゃなかったら大恥かいていたところだったよ。ところで、君は今日この世界に来たの?」
「あぁ、そうだが………。お前は違うのか?」
「私はだいぶ前だよ!! 大体の人は二、三週間ぐらい前だったかな?」
「そんなに違うのか………」
「ねぇ、立ち話も何だからギルドにいって話そうか」
「そうだな。なぁお前、名前はなんていうんだ?」
「あっ‼ そうだったね。私の名前は『士道 愛香』だよ。よろしくねっ」
「オレの名前は宮藤 煌夜だ。よろしくな」
そしてしばらく歩いていると………
「あっ見えてきたよ!!」
そういって愛香が指差したところにあったのは………
「酒場………だよな?」
まるっきり酒場だった。
次回は稀人の説明と悪魔との戦闘の仕方を説明します(^o^)/