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祈りを繋ぐもの  作者: 和穂ゆう
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息抜き回)フタカミ物語~愛のドタバタ劇場~

第一章 ツクハの新婚生活と予想外の妊娠


筑波山の麓での新婚ライフ


筑波山の麓――朝靄が立ち上り、森の緑が白い薄幕に包まれていた。

その幻想的な景色は、まるで二人の新たな門出を祝福しているかのようだった。

「さあ、共に歩もう」

イサナギが決意を込めて言うと、イサナミは頬を染めながら応えた。

「はい♪」

イサナミは頬を染め、心臓が跳ねるのを感じながら微笑む。

――ああ、本当にこの人と生きていくんだ。


そんな実感が、胸の奥に広がっていった。



新婚ハイテンション期


二人は毎日のように互いの存在を確かめ合い、

日常は光り輝く時間に包まれていた。


「君と結婚できて本当に幸せだ」

「私も♪毎日が夢のよう」


イサナミは照れ隠しに笑ってみせる。

だがその言葉に嘘はなく、彼女の心は甘やかに満ちていた。


「じゃあ今夜も...」

「あなたったら♪」



まさかの妊娠発覚


「あ......もしかして...」

イサナミがそっと口を開いた瞬間、イサナギの胸に緊張が走る。

「え?何?」

「赤ちゃんができたかも...」


「えええええええ!!!」

イサナギは大声をあげ、鼻血まで吹き出す。

喜びと驚きが入り混じり、足元がふらついた。


「まだ『かも』よ?」

「でも、でも、もし本当なら...!」

「落ち着いて!」



ヒルコヒメ誕生


「女の子です」

助産師の声が響いた瞬間、イサナギは跳ねるように立ち上がった。

「娘だああああ!俺の可愛い娘だああああ!」

「うるさい!」

イサナミの叱責も耳に入らない。

小さな手、鼻、か細い泣き声――そのすべてが宝石のように愛おしかった。

「見て!この小さい手!可愛い鼻!」


「まだ産まれたばかりなのに...」

「ヒルコって名前はどう?太陽の子って意味で...」

「素敵ね♪」



親バカ全開のイサナギ


「ヒルコ〜♪パパですよ〜♪」

赤子を抱きながら、イサナギは完全に別人格と化していた。

威厳ある声はどこへやら、今は赤ちゃん言葉でデレデレだ。


「ばぶ〜」

「喋った!天才だ!」


「まだ『ばぶ』しか言ってないでしょ」

イサナミが呆れながらも微笑む。

けれどその頬には、愛娘を見つめる柔らかな光が宿っていた。



イサナミの嫉妬


「最近、私より娘の方が大切なんじゃない?」

イサナミはふとした瞬間にぽつりと呟く。

胸の奥でモヤモヤとした感情が渦巻いていた。


「そんなことないよ!君が一番!」

「本当?」


「ばぶ〜」

「ああ〜可愛い〜」

イサナギの視線は一瞬で娘に奪われる。


「...」

イサナミの瞳はジト目に変わり、唇を尖らせる。


「あ、あれ?今何の話だっけ?」

「もういい」(プイッ)



アメのフシ(厄年)の大問題発覚


「イサナギ様は40歳、イサナミ様は33歳...どちらもアメのフシですな」

占い師の低い声が響いた。


「厄年?」

「アメのフシの年に産まれた子は、身体や心に病を負う可能性が...」

「え!?」

イサナミの血の気が引く。胸の奥を冷たい手が掴んだようだった。


「一度捨て子とし、他の人に拾い育ててもらえば災いは避けられます」

「ええええええ!?」

天地がひっくり返るような衝撃が二人を襲った。



涙の別れの準備


「そんな...ヒルコを手放すなんて...」

イサナギは唇を噛みしめ、拳を震わせる。


「でも、この子のためなのよね...」

イサナミの瞳には涙がにじみ、視界が揺らいだ。


「うう...俺の可愛いヒルコが...」

イサナギはとうとう声を上げて泣き始める。

その姿に、イサナミも堪えきれず涙をこぼした。


「あなたが泣いたら私も...」(もらい泣き)

「ばぶ〜?」


無邪気に笑うヒルコヒメ。

その笑顔が健気すぎて、二人の涙はさらに止まらなくなった。



舟に乗せる日


川辺に木漏れ日が降り注ぐ。

水面はきらめき、まるで運命を告げる鏡のようだった。


「きっと、きっと立派に育っておくれ」

涙で声を震わせるイサナミ。


イサナギ「パパとママはいつでもヒルコのことを愛してるからな」

イサナギは鼻水をすすりながらも必死に笑顔を作った。


「ばぶ〜♪」

舟に乗せられたヒルコヒメは、不思議と楽しそうに声を上げる。

その姿に二人はまたしても号泣した。


舟がゆっくりと流れていく。二人は川岸で、

手を振りながら声を枯らすまで泣き続けた。



第二章 オモタル様のお叱りとセキレイ先生の恋愛指導


オモタル様の緊急召集


「イサナギ、イサナミ、すぐに来い」

重々しい声が宮殿に響き渡った。

「はい!」

二人は背筋を正し、まるで雷に打たれたかのように緊張する。


「お前たちは何をしている!」

「え?」

オモタルの鋭い視線が二人を貫く。

まるで心の奥底を見透かされるような圧に、

イサナギの額から冷や汗が流れ落ちた。


「皇位を継承したのに、ちゃんとした儀式もせずに子作りなど!」

「!!!」

二人の顔が一瞬で真っ赤に染まる。


「お、お叱り、ごもっともで...」

「すみません...」

イサナミとイサナギは小さく縮こまり、子供のように頭を下げた。


第一回目の公式儀式(超恥ずかしいバージョン)


「間口八間の建物で、大黒柱を中心に儀式を行え」

オモタルの指示は厳格で、空気を一層重くした。


「はい...」


「そしてこう唱えるのだ」

『女性には成り足らぬメモトあり、男性の成りて余るモノ、合わせてミコを産まん』


「...」(顔真っ赤)

イサナミは俯いて声を失った。イサナギも喉を詰まらせ、耳まで赤くなる。


「何をもじもじしている!」

オモタルの一喝が轟いた。


「だって...その...」

「直接的すぎて...」


二人の声はか細く、消え入りそうだった。



実際の儀式


大黒柱の周りを歩き始めた二人。

「女性には成り足らぬ...その...メモトが...」

イサナミは顔を伏せ、声を震わせた。

「男性の成りて余る...ゴホン...モノと...」

イサナギは声を裏返しながら続ける。

「合わせてミコを...」

声は蚊の鳴くように小さく、風にかき消された。


「声が小さい!やり直し!」

「ええ〜!?」


結果、イサナミは懐妊したが流産となった。


「やっぱり恥ずかしがってちゃダメだったのね...」

「俺たち、夫婦なのに照れてどうする...」

「でも恥ずかしいものは恥ずかしいのよ」

「そうだよね...」


二人の胸には重たい後悔がのしかかった。



セキレイ先生の登場


オモタルの太占によれば、儀式に不備があったらしい。

「セキレイの番を見よ」


示されたのは、小川のほとりでつがいのセキレイが戯れる姿だった。


「雌が鳴いても雄は応えず、雄が求愛してこそ雌が応える」


その言葉に、二人は顔を見合わせた。

まるで自分たちに言われているようで、耳が痛かった。



セキレイ観察会


「ほら、あのセキレイを見て」

「可愛いですね」


雄が鳴き、雌が応える。二羽は波紋を立てながら仲睦まじく舞っていた。

「おお!応えた!」

「仲良しですね」


しかし次の瞬間――

「チリリリ♪」

雄の必死のダンスも、雌はそっぽを向いて無視してしまった。


「あ、あれ?今度は無視された...」

「ツンデレですね」

イサナギは思わず天を仰ぎ、イサナミは小さく笑った。



第二回目の儀式(今度は真面目に)


今度はイサナギが先に声を上げた。

「アナニヱヤ ウマシオトメニ アイヌトキ」


イサナミは赤面しつつも答える。

「ワナニヤシ ウマシヲトコニ アヒキトソ」


二人の声は澄み渡り、やがて空気は静寂に包まれた。天地すら祝福しているように思えた。


「今度は恥ずかしがらずに言えたね」

「あなたが真面目だったから私も...」

「君への愛は本物だから」

「急にカッコつけて...でも嬉しい」


二人は微笑み合い、心を一つにした。



第三章 国土再建という名の全国新婚旅行


正しい儀式を終えた後のイサナギの提案


「愛しいイサナミよ、あなたは二度も辛い思いをされた。しばらくは世継ぎのことは考えず、まずは国の建て直しに専念しましょう」


イサナミの内心(そんなこと言って、要するに新婚旅行したいだけでしょ?でも嬉しい♪)


「あなたの心遣いに感謝します。二人で力を合わせて、この国を豊かにしましょう」



東海道での珍道中


「この地の名物は何だろう?」

「海の幸が自慢でして」

「わあ、お魚!」


イサナギは勢いよく釣竿を振り回すが――

「じゃあ釣りを改善しよう!っておわぁ!」

ドボン!


「あなたが改善される前に溺れてどうするの!」

イサナミは必死に引き上げながら、怒りと笑いを同時にこらえた。



九州での橘植樹事件


「この橘の木に建国の精神を込めて...」


神聖な空気が漂う中、突風が吹き――イサナミのスカートがふわり。


「...!」(鼻血)

「ちょっと!神聖な儀式中よ!」

「いや、これは...感動の涙が鼻から...」

「そんな涙あるわけないでしょ!」

村人たちの視線が痛かった。



四国でのアワウタ普及活動


「みんなでアワウタを歌おう!」


「アカハナマ イキヒニミウク...」

「アカハマナ?」

「アカナハマ?」


「みんなバラバラじゃないですか」

「だ、大丈夫!練習すれば...」


3時間後――まだバラバラだった。


「あなた、教え方下手すぎ」

「そんなこと言わないで...」



第四章 富士山での愛の誓いとプロポーズ大作戦


国家再建が軌道に乗った頃の富士山での出来事。


山頂でのロマンチック計画


「愛するイサナミよ、この美しい景色のように、君への想いは...」


イサナギが真剣に口を開こうとしたその瞬間――

「きゃー!」 「え?何?」 「虫!大きい虫が!」


ロマンチックな空気は吹き飛び、イサナギは慌てて虫退治に奔走する羽目になった。


「虫も神の使いで...」 「理屈はいいから取って!」


情熱の言葉は空中に消えた。



コノシロイケでの禊ぎ


「この清らかな水で左目を洗い太陽に祈り...」


イサナギは荘厳な雰囲気で禊を始める――はずだった。

しかし次の瞬間、足を滑らせて水にドボン。


「あなた、神聖な儀式のはずなのに...」

「寒い...風邪ひきそう...」


イサナミは呆れつつも、優しくタオルで拭いた。

「君って優しいなあ...」

「当たり前でしょ、夫なんですから」

イサナギ(この言葉が一番嬉しい)



改めてのお願い


「ええと...そろそろ世継ぎの皇子をもうけることを考えようか?」

「もう、そんなに遠回しに言わなくても...」

「え?」

「『もう一回儀式をしよう』って素直に言えばいいのに」


イサナギは耳まで赤くしながら頭をかいた。

「じゃあ...」

「はい♪今度こそ、きっと」


二人は新たな誓いを心に刻んだ。



第五章 育児は戦争だ!皇子たちの誕生


ヒのカミ(アマテルカミ)誕生


「生まれました!」

「おおお!男の子だ!」

力強い産声が響く。

「立派な声だ!さすが俺の息子!」

「まだ何も分からないのに自慢しないでよ」


イサナギは胸を張り、イサナミは呆れながらも微笑んだ。



ツキヨミのカミ誕生


「今度も男の子だ!」

「二人とも男の子なんて珍しいですね」


アマテルは「おぎゃー!」と大声で泣き、

ツキヨミは「ふぇーん」と小さく泣いた。


「兄弟でも性格が違うのね」

「兄弟だねえ」

二人の成長を思うと、夫婦の胸は温かくなった。



第六章 ヒルコヒメとの感動と爆笑の再会


数年後、美しく成長したヒルコヒメが現れた。


再会の瞬間


「お久しぶりでございます」

「どちらさま?」

「ヒルコです」

「え?」

「お父上、お母上」


「ええええええええ!?」

イサナギは目をこすり、イサナミは唖然とした。

だが娘の笑顔は確かにヒルコのものだった。



親子の感動(?)再会


「めちゃくちゃ美人になってる!」

「失礼よ、あなた」

「いや、でも本当に美人で...」

「親バカ全開ね」

ヒルコヒメは笑い、イサナギは号泣。

イサナミは溜め息をつきながらも目尻をぬらした。



成長報告会


「カナサキのヲキナ様に大切に育てていただきました」

「料理、裁縫、歌、踊り...」


「すごい!俺より何でもできる!」

「あなたと比べたらダメよ」


ヒルコの言葉に、イサナギはまた涙。

イサナミは苦笑しつつも、心の奥で娘の成長を誇らしく思っていた。



兄弟紹介


 イサナギは改めてヒルコに説明する。

「君には弟がいるんだよ」

「弟ですか?」


イサナミは兄弟の名前を教える。

「アマテルとツキヨミって言うの」

「二人共おいで~」


アマテル「あい~」(よちよち)

ツクヨミ「う~」(ハイハイ)


「かわいい~!!私も子供がほしい~!」

ヒルコはこらえ切れず二人を抱きかかえる。


「ダニィ!俺の可愛い娘に近づく男は誰だ!!」

「まだ、お相手もいないわよ...」

イサナミは苦笑しながら夫をなだめた。



家族水入らずの時間


イサナギは背筋を正して(おごそ)かな雰囲気を出す。

「これからは、アマテルやツキヨミと兄弟揃って仲良く...」


「ヒルコ。あなたにアワウタを教えるわ。

アマテルとツクヨミと一緒にタミに広めましょう」

イサナミはツキヨミを抱えながらヒルコに言う。

「はい!お母さんと一緒にがんばります!」

「あい~」(とてとて)

アマテルもそれに続く。


イサナギ(ぽつーん)

「あの...話聞いて...」



第七章 ソサノヲの大事件と育児ノイローゼ


熊野での第三子誕生


「今度こそ女の子かしら」

「どっちでも可愛いよ」


ソサノヲ誕生


「ぎゃああああああ!」(超大声)

だが産声は轟音のようだった。

「声が一番大きい」

イサナギは3人目の男の子に少し青ざめる。


「イサナミ様の産後の体調が宜しくありません。

イサナギ様育児お願いします。」

助産師はさらっと言い、イサナギは慌てだす。


「え......?ちょっと待って!冗談だよね?」



育児奮闘記


「ぎゃー!ぎゃー!」

「ミルクか?オムツか?」

「ぎゃー!」(さらに激しく)


ソサノヲは泣き止まず、イサナギも一緒に号泣した。

「イサナミ〜助けて〜(泣)」

「ぎゃー!」



泣き虫ソサノヲ


「ママー!ママー!」(一日中大泣き)

「皇子が...また泣いてます...」

「もう三日間ずっと...」

家臣たちがイサナギに相談する。


「どうしたら泣き止むんだ?」

「ママじゃなきゃヤダー!」

「ママは体調が悪くてな~」

「ギャアアア!」(さらに大泣き)



イサナミの自責の念


「すべて私の不徳のせい...」

「そんなことないよ」

イサナギは必死に慰めたが、ソサノヲの泣き声は館を震わせた。


「でも、この子がこんなに泣くのは...」

「きっと元気な証拠さ」

「ぎゃー!」(館が震える)

「......元気すぎるかも」


それでもイサナミは決意した。

「クマノミヤを建てて、ソサノヲの(かん)の虫の祓いと、

人々の心の病を祓います」



運命の日(火災事故)


「たき火をしたら煙を見てママが来てくれるかな?」

ソサノヲは木に火をつける。

風が強く、一気に森に燃え広がり、ソサノヲは火に囲まれた。

「わわっ燃え広がっちゃった!ママ助けて~!」


イサナミは森の火事を発見し、ソサノヲのところに飛び込んだ。

「ソサノヲ!」


火がどんどん大きくなる。

人々は消火しはじめるが中々火の勢いが減らない。


そんな中、イサナミはソサノヲを抱えて、

全身やけどを負いながら森から出てくる。

「ソサノヲ...大丈夫だからね...私が助けるから...」

「ママ~(泣)」


人々はようやくイサナミの姿に気が付き寄ってきた。

「イサナミ様!!酷いやけどを!!」

「イサナミ様を安全な所に!!」


イサナミは息も絶え絶えに人々に聞く。

「ソサノヲは...?」

「ソサノヲ様は傷一つありませんよ!」

「よかった...」

「イサナミ様!!おい!誰かイサナギ様に連絡しろ!!」


「イサナギ...」

「子供たちを...お願い」

「ごめんね...」

イサナギが駆けつける前に、彼女は静かに瞼を閉じた。



第八章 黄泉の国のドタバタ劇


葬儀での混乱


「イサナミは!!どこだ!!!」

葬儀の場に到着するやいなや叫ぶイサナギ。


「兄上、落ち着いて」

「落ち着けるわけないだろ!」

妹のココリヒメはイサナギを落ち着かせようとするが

イサナギは取り乱したままだった。


「母上...」「お母さん...」「ママ〜!」

アマテル、ツキヨミ、ソサノヲは涙を浮かべて

洞窟をみていた。


「お父上...」

ヒルコヒメが見かねてイサナギに声をかける。


イサナギはようやく子供達の姿に我に返る

「はっ!みんな...すまない...」


イサナギはそれでも落ち込んだままだった。



イサナギの錯乱


イサナギは喪主を務めてくれていたココリヒメに嘆願する。

「会わせてくれ...!一目だけでも...!」

「でも、風葬で...お姿が...」


イサナギはココリヒメの静止も聞かずに松明を持って洞窟へ。


悲しみの対面


洞窟の中...

松明の光に照らされたのは...

「こ、これが...あの美しかったイサナミなのか...」

イサナギは、力が抜け、膝をついた。


「本当に...イサナミは生きていないのか...」


そして呆然として洞窟から出ながらつぶやく......

「イサナミ...私も後を追うよ...君の居ない世界なんて...」



夢の中の追跡劇


夢の中でイサナミに出会った。

「来ないでと言ったのに」

「ごめん!でもどうしても会いたくて...」

「それに...私の後を追おうとしてるわね...」

「...」

「それでもアマキミですか!子供達やタミはどうなるの!!」

「...それでも俺は...」

「シコメたち、追い払いなさい!」

「まってくれ!イサナミ!」


イサナギは必死にイサナミに近寄ろうとするが

8人のシコメに押しやられる。

「はいはい。これ以上はだめですよ~」

シコメ達はヨモツヒラサカのほうにどんどん押していく。



シコメとイサナギの争い?


「シコメさんたち!待って!話し合おう!」

「問答無用〜」(ぐいぐい)

「ブドウを食べて落ち着いて!」

イサナギはシコメにブドウを渡す。


「わ〜い♪大好物~♪」(モグモグ)


「よし!今のうちに...」(ダッシュ)


「あ!逃げた!」「まて~」


「竹の櫛はどうだ?」

イサナギは櫛を投げる。


「櫛なんて食べられない〜」

櫛は踏み壊されて、イサナギはまた捕まった。

ヨモツヒラサカというあの世とこの世の境目まで押しやられる。



桃パワーでシコメ退散


イサナギは境目にある桃の木に気が付く。

「桃の木がある。ここは...境目か?」

「そうだ!桃の実!」


イサナギはシコメ達に桃の実を投げる


「桃は嫌い〜!」

シコメ達は退散していった。


「結局、だいぶ追い返されてしまった...」

汗だくになりながらイサナギは呟いた。



第七章 ヨモツヒラサカでの最終決戦(?)


夫婦最後の会話


イサナミが桃の木に近づいてくる。

「まだ、私の後を追おうとしてるの?」

「...」イサナギは顔を上げられない。

「千人の民にその性根が移るわよ」

「身近な人が亡くなって、悲しんで、後追いでまた人が亡くなる。

はじめに亡くなった人は、私はどう思うと?」


そう言われてようやくイサナギはイサナミの気持ちに気が付く。

「そんな...俺はただ君に会いたかっただけで...」


「分かってるわ。でも、あなたはアマカミなのよ」

イサナミは夫を諭すように優しく言う。



イサナギの成長(?)


「君の言う通りだ...」

ようやく、心が落ち着いたのかイサナギが話し出す。


「俺は情けなかった。周りのことを何も考えていなかった」

「千五百人に君が教えてくれた道理を教えるよ」

「君は死んでまで俺を救ってくれた」


イサナミはほっとしたように話す。

「...やっと分かってくれたのね」



感動の別れ


イサナギは最後に笑顔を無理やり作りながら言う。

「やっぱり君が一番だったよ」


イサナミは優しい笑顔を浮かべながら答える。

「私も...あなたが一番よ」

「子供たちをお願いします」

「きっと大丈夫。見守ってるから」


「ありがとう...さようなら...」

「さようなら...愛してる」

イサナギとイサナミは最後の言葉を交わし、

イサナギは現世へ、イサナギは黄泉へ向かうのだった。



エピローグ~新たな始まり


イサナギは目を覚ます。

「さあ、禊ぎをして心を清めよう」

「イサナミとの約束を守らないと」

「千五百人に教えを広めるんだ」


そして、川で禊ぎをしながら...人々の事を思いやる。

「自分でも悲しみに心を囚われたんだ」

「人々だって同じはず...」

「そんな心に寄り添って助けてくれる神を祭ろう」


「心を闇を祓う神」「心を清める神」

を創造して社に祀っていく...


「イサナギ様はイナサミ様を亡くしてお辛いのに...」

「我々のために神様を祀ってくれている...」

「わたしたちもイサナギ様に倣おう...」

イサナギに倣って、タミ達も神を祀っていく。


「タミが同じように神を祀ってくれている。」

イサナギは空を見上げて呟いた。

「イサナミ、見てる?俺、頑張ってるよ...」


空から聞こえる声「頑張って♪」


「君の声?気のせいかな...」

でも心は軽やかになっていた。

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