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祈りを繋ぐもの  作者: 和穂ゆう
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タケヒトの治世物語 - あらすじと背景

第一章 天皇への信認とニニギの功績



今までの時代を振り返ってみよう。

天皇への信認がこれ程にも高まったのは、特に第十代天皇ニニギの功績によるところが大きかった。ニニギは、雷雨のエネルギーを災害から資源として活用する試みをした。土木事業によって実際の防災と資源化を実現するのはもちろん、さらに象徴的に自然神の分離祭祀をすることで効果の向上を図ったのである。

雷雨を分けて、火と水に、それぞれアタコ(京都・愛宕神社)とミツハノメ(京都・貴船神社)に祭った。イカツチを分けて祭って資源化をする、このことに、アマテルカミは特別の褒め名をお与えになった。初代の天皇のクニトコタチを彷彿とさせる行為だと褒め、ワケイカツチのアマキミと褒め名を賜ったのである。




第二章 二朝廷並立の始まり



ニニギは、弟であったため、皇位を継ぐことは諸事情に照らして困難であったが、アマテルカミは、ご苦慮を重ねた結果、三種の神器を授与なさった。兄のホノアカリとの二朝廷並立が、こうして始まったのである。

三種の神器の授与を得たニニギを補佐し輔弼するのが、左大臣カガミのトミのアマノコヤネ、右大臣ツルギのトミのコモリ(第三代オオモノヌシ)であった。三種の神器はそれぞれの役割について分け授けられる。アマノコヤネにはカガミが、コモリにはツルギが授与され、代々に受け継がれた。




第三章 ウカヤフキアハセスの九州行幸と悲劇



第十二代のアマキミのウカヤフキアハセスが九州への農業指導に行幸なさった時のことであった。三種の神器のうちのヲシテ(「カクのフミ」)は、キミが九州へとお持ちになった。八咫の鏡は、この時オシクモ(アマノコヤネの子)が受け継ぎ所持していた。また八重垣の剣は、クシミカタマ(第五代オオモノヌシ)の所持となっていた。

ツクシ(九州)にて、ウカヤフキアハセスの崩御があった際に、ヲシテ(「カクのフミ」)は若いタケヒトに譲られた。同じ頃に、タケヒトのご生母のタマヨリヒメもお亡くなりになってしまう。このため、八咫の鏡は、カアイのミヤ(河合神社、下鴨神社の境内)に納め預けになる。八重垣の剣は、ワケツチのミヤ(上賀茂神社)に預け置くことになった。




第四章 ナガスネヒコの攻勢



このように世上に空白感が漂ってくると、残るミヤはアスカミヤの独断場になってきた。それも、キミを専横するナガスネヒコの独断場である。先に「タマカエシのフミ」の盗写事件で問題視されていたナガスネヒコは、いよいよ、軍事的な攻勢を強めてゆく。弱体化してきたニニギの系統の方に、軍事力で優勢に立って盗写事件を揉み消してしまおうとする。

奈良盆地から出征し、ヤマサキ(大山崎)に進軍する。ヤマサキは淀川を遡上する船の要である。当時の首都のタガへの主要な輸送ルートである。ここを制圧されると、船での穀物や物資の輸送ができない。クシミカタマは第五代オオモノヌシとして、戦闘準備を始める。ヰツセのミコは一時避難のために、ツクシ(九州)のタケヒトの許へ下った。この、騒ぎのため、ヒタカミ(東北地方)と、ホツマ(関東地方)からのミヤコへの租税の輸送が一時停止になった。




第五章 忠臣たちの抵抗と犠牲



クシミカタマと、オシクモは共同してナガスネヒコを討とうとするが、ナガスネヒコは戦いを引いて奈良盆地に引き籠った。クシミカタマは、ナガスネヒコを追撃して、カワチのヤオ(八尾)に留まる。そして、ナガスネヒコの防衛のために主に三人の首長が当たる。ひとりは、タケチのコリである。もう一人は、アウエモロ(クシミカタマの孫)である。もう一人は、ヤマトのソフであった。

クシミカタマはタガに戻る。オシクモは、カワチに行き、アマノコヤネ(「タマカエシのフミ」の継承者)を移祭することでナガスネヒコに対して心理的な防衛を張り及ぼそうとした。カワチのヤシロに、アマノコヤネを移祭して、オシクモご本人もお亡くなりになってしまった。オシクモの子のアメタネコは、九州のタケヒトに付き添っていたが、九州からヒラオカのヤシロに来て、喪主を務めるのであった。そして、先祖の偉人であるヨカミ(アマノコヤネ、ヒメミコ(ヒトリヒメ)、フツヌシ、タケミカツチ)を祭った。そして、アウエモロにカワチも兼ねて治めさせることにして、アメタネコ本人はツクシへ戻って行った。




第六章 平和の維持とタケヒトへの期待



クシミカタマは、琵琶湖岸のオオクニミヤ(兵主大社)を建て変える。コシネ(越前・越中・越後・山陰道諸国の東部分)のクニと、サホコ(出雲地方)までもを治めて各地の平和を保った。

こうして、タケヒトのご到達を国民の多くの皆々がじっと待ち、期が熟してヤマト討ちが実行されたのであった。

そうして現在、カシハラの新ミヤの造営が完了し、いよいよ、タケヒトの天皇へのご即位の準備に掛ることになった。これより語られるのは、初代天皇タケヒト(神武天皇)の偉大なる治世の物語である。

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