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念動力に目覚めたけど

作者: るい
掲載日:2026/01/24


自分は横着な性格だと思う。布団から手の届く範囲に生活スペースを凝縮して地方のワンルーム四畳程の部屋でフリーターとして生きているアラサー男性彼女無し。


趣味はネット小説を読んだりバーチャルYouTuber(VTuber)の配信を見たりとお金の掛からない生活を過ごしている。


月の手取りは約二十万円。そこから家賃や光熱費、食費等を引いたら手元に残るのは約五万円。それは細々とした貯蓄と投資に回している。


そんな自分の生活を良いとも思わなければ悪いとも思わず数年を過ごしていた。


そんな日常が変わったのは自販機で飲み物を買おうとして小銭を落としかけた時だった。


落とした瞬間に拾わないとと思った小銭はいつまでも地面に落ちることはなく空中に静止したままだった。


あの時は何度か目を瞬かせたが変わることはなかった。


きっと気のせいだろうと思ったが、流石に今までの人生で小銭が空中に静止しているのなんてマジックか手の込んだドッキリをテレビなどで見るくらいだった。


年甲斐もなく浮かれて家に戻ってからも小銭を浮かせることが出来るのか試したら動かすことはできた。


そして分かったことと言えば動かせる物体の重さは最大五十グラム、動かせる距離は十センチメートル。動かす物体を目視できないといけない。


「これだけ??しょうもない」


一人そう呟いてしまったことは仕方がないと思う。


この能力でどうしろと言うのか全く想像も出来ないが、この能力がなくても生活に困る事はないと思い能力の事はアルバイトへ行く時間となり暫く忘れ去っていた。





「そう言えば昨日給料入ったからパチ屋行ったんすよ!」


そう言うのは大学生のアルバイトで後輩の高志(たかし)


こいつは仕事中にも良くパチ屋の話をしてくるが、俺は二十歳になって先輩に連れられて行ったが良く分からないままお金が無くなった。


VTuberがパチンコやスロットの配信をするので全く知らないわけではないが詳しいわけでもないが、高志が職場で話せるのが俺らしい。


「羽根物で二万円勝ったんすよ!」


「おー、良かったじゃん。それは脳汁ドバドバだな~」


なんて取り留めない会話をしていてふと思い立った。


(俺のあの能力でパチンコ打ったら勝てるんじゃないか?)


と。



その日の仕事を終えて次の日。昼頃に近所のパチンコ屋へと向かい、羽根物の台へ座る。


(確か羽根物は何段階かのゾーンを潜り抜けて最後の当たりの所に入れば良いんだよな?)


(一玉入るだけで千五百発の出玉か。これは楽勝だな)


結果はその日の二時間で約十万円の稼ぎになった。


たったこれだけで半月分の収入と同じか。と空しくなりながらも、この能力で働かなくても良いのでは?と思うがこの能力が本当に一生使える保証もないし、もしもアルバイトを辞めるならガッツリ稼いでからだな!


そんな決意をふんわりと抱きつつ地元の少し良い焼肉屋に行き、普段なら頼まないようなお高い肉を食べつつ少し酒を飲んで気持ち良く家に帰りシャワーを浴びて気持ち良く煎餅布団に寝転んですぐに夢へと旅たった。











あれから数ヶ月経って休みの日にはお決まりの羽根物を打つ生活に僅ながら飽きたが、タンス預金ならぬテーブル預金は一千万円を越えた。


(税金どうしよう??)


そんな俺の心境とは裏腹に日常は過ぎていくし、アルバイトもいつも通りこなしていつも通りの日々。変わったのは休みの日に数時間能力を使って玉を当たりに入れる作業をして月に約三百万円を手に入れる。


(羽根物で当てすぎてそろそろ近所だと出禁になりそうなんだよなぁ)


当たり前だが普通はこんなにパチンコで稼げる訳がない。そんな中で俺は毎回十万円以上のお金を手にしてる訳で狭い地方だからこそ情報は出回るだろう。そう考えれば更に遠くの場所へと考えてもそれは移動も面倒だ。


出来ることなら近場で稼げるなら稼いでおきたい。


それにそろそろ稼いだお金の事をどうにかしないとなと思いながらとあるVTuberの雑談で法人化したと言う話題で思わず「それだ!」と言ってしまった。


そこからは怠惰な俺とは思えない程早く、法人化をすることが出来た。


色々な書類やら何やら提出したりしたが無事に一人法人としてパチンコでどんどん稼いでもある程度は経費等に当てることが出来るようになった。


そして法人化したことで数年間働いたアルバイト先を辞めることになったが、理由は濁して会社を立ち上げるからという理由をそれっぽく話して有給を消化しての退職となる。




これでパチンコで稼いでもちゃんと税金を納めることが出来るし、仕事と割り切れば少し遠くのパチンコ屋に行くのも苦ではない。











あれから十年経ってアラフォーだが、能力を使い続けた影響か効果が強まっていた。


最大重さ五百キロ、最長距離は百メートル、目視は変わらずだが、最大値の能力の使い道が分からない。部屋のインテリアを簡単に変えれることと動かずに大体の物を手元まで持ってくることが出来る。


そして年収が三千万円を越え、貯金は数億円と不動産や投資等で資産は十億円を越えている。そして現在の職業がなんの因果かVTuberとなった。


時間と資金の余裕があって道楽として配信を始めてみたら何故かコアなファンが出来た。


配信コンテンツは投資とパチンコと雑談。


投資の話では堅実さが良いと話題になり、パチンコは全く遊んだ事の無い人にも分かりやすいと評価を受け、雑談では日常のアレコレや部屋が引きこもりのそれと言われ何故かバズったりする。











人生で何が起こるのかは分からないけど、今なら念動力に目覚めなくても似通った人生を送ったのでは?と思うがそれこそ()()()()の話か。



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