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史上最高のサキュバスと契約を結んだのは良いけれど、何か思っていたのと違うのでチェンジしたいんですが……え、もう遅い?  作者: 釧路太郎
夜のちょっとエッチな時間

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第十五話 強気と弱気

 積極的に目を合わせようとしてくるゆいと絶対に目を合わせようとしないゆか。対照的な二人の姿を見ているとどちらがお姉さんでどちらが妹なのかわからなくなってしまいそうだが、ゆいがゆかのことをお姉ちゃんと呼んでいるのだからゆかの方がお姉ちゃんで間違いないのだろう。でも、言動を見ているとゆいの方がお姉ちゃんなんじゃないかと思ってしまうこともあった。そう思ってしまっていたけれど、やっぱりゆかの方がお姉ちゃんなんじゃないかと思ってしまう。


「ねえ、お兄さんって凄く強くて有名なんだよね?」

「まあ、ある意味ではそうかもしれないけど、それがどうかしたの?」

「そんなに凄い人なのに、どうして私たちを指名したのかなって思って」

「お兄さんはまだ未成年だから大人のお姉さんを指名するのが怖かっただけなんじゃないかな?」

「そうは言っても、私もお姉ちゃんもお兄さんよりは年上だと思うんだけど、それは問題ないの?」

「きっと、浅はかな人間だから見た目でしか判断できてないんだよ。私たちのことも子供だと思ってるみたいだし、人を見た目で判断するのは良くないことなんだけどね」

「いくら強いって言っても所詮はただの人間だもんね。サキュバスに弄ばれる程度の知性しかない下等生物だから仕方ないよ」

「肉体も魔力も人間の限界をはるかに超えて育ってるのは凄いと思うけど、それに比べて精神は本当に未熟だよね。心が強くないのは人間が人間であるという証拠でもあるもんね」

「あれ、そんなこと言って良いのかな? おねえちゃんだってくそざこめんたるよわよわなきむしなのに」

「ちょっと、そんなこと言わないでよ。私がメンタル弱いんじゃなくて、ゆいちゃんがメンタル強すぎるだけなのよ。ゆいちゃんに比べたら誰だってクソ雑魚メンタルになっちゃうでしょ」


 会話の主導権を握っているのはゆいだと思うのだが、ゆかも負けているという風には見えない。ちょっとだけ弱点を付かれているだけのようにも見えるけれど、そんなに効いていないようにも思えた。

 ただ、まー君は自分のことをメンタルが弱いと思ったことがなかったので精神が未熟だと言われたことに少なからずショックを受けていた。

 メンタルの強さと精神の成熟度合いが比例しないというだけの話かもしれないが、これ以上どう成長すれば精神が成熟していると認められるのだろうか。そんな疑問は残っていた。


零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)からはなんて言われてたっけ?」

「お姉ちゃんって本当に零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)の言ってること覚えようとしないよね。私ばっかり覚えるの嫌なんだけど。どうにかして覚えてよ」

「無理だよ。だって、あのおじさん変なニオイするんだもん。近くにいると頭だけじゃなくて喉もいたくなるんだよ。そんな状況で話なんて聞けるわけないじゃない?」

「それはみんな同じことを思ってるよ。でもね、それをわかった上でみんな零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)と付き合ってるんだからね。まー君もそうなんでしょ?」


 零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)と話をしていて極まれに加齢臭を感じることはあるが、そこまでひどく言われるほどだとは思っていなかった。普通に会話もしていたし、近くで一緒にご飯を食べたこともあった。いつも零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)の近くにいる愛華もいやそうな顔をしているときはあったけれど、それは単純に零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)の言っていることに共感できずに嫌がっていただけなんだと思う。

 もしも、零楼館乳首郎(れいろうかんちくろう)が臭いのだとしたら、まー君も同じくらい臭くて感覚がマヒしているだけでニオイを感じていないだけだったらどうしよう。まー君は真剣に悩んでしまった。


「あ、お兄さんは別に臭くないよ。これは気を使ってるとかじゃなくて、本当に臭くないと思ってるから」

「ゆいちゃんの言う通りでお兄さんは臭くないと思う。どっちかって言うと、落ち着く感じのいい匂いだと思うよ」

「お姉ちゃん、そういうアピールをするときはちゃんと相手の目を見て言わないとダメだって教えてるでしょ。そんなんだからお姉ちゃんはいつも振られちゃってるんでしょ?」

「別にそれは今関係ないでしょ。っていうか、ゆいちゃんはちょっとでもいいなって思った人をすぐに誘惑するの良くないと思うよ。ちょっとでも違うなって思ったらすぐに捨ててるでしょ。それってどうなのかなって思うよ」

「でも、ちょっと優しくしただけで好きになる方が悪いと思うな。大人だったらそんな簡単に乗せられずにちゃんと考えなよって思っちゃうし。お姉ちゃんもいいなって思った人が出来たら積極的にいけばいいのに」

「そ、そんなことできるわけないでしょ。バカ」


 ゆいは相変わらずまっすぐにまー君のことを見ていた。上目遣いで表情も作っているからアイドルのようにも見える。ただ、子役のようにも見えるので受け手側の印象次第で変化しているのかもしれない。

 ゆかもまー君のことをチラチラと盗み見るようにして見てきているのだが、絶対に目を合わせようとはしなかった。気弱なのか内向的なのか恥ずかしがり屋なのかわからないが、そういう風に見られると気になってしまう。

 ゆいもゆかもどちらも可愛らしいとは思うのだけれど、さすがに子供をどうこうするというつもりはない。


 ただ、小さく見える二人の方がまー君のことを子ども扱いしているという事実には目を背けているのであった。

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