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5 ユアンの告白

 一日の仕事を終えて部屋に戻ろうとしていたアルは、途中、深い溜め息を吐きながら厨房に戻る料理長のグラントを見かけた。手には厨房を出て行った時と同じものを持っていて、それは彼の顔から一切手を付けてないというのがすぐに分かった。

(またダメだったのか…。ってか、何がダメなんだ? 食材は一流のモンだし、味も完璧だろ? 病気で食えねぇってならまだしも、単に食う気がしないなんて、ただのワガママじゃねーか)

 次期国王が食事を摂らなくなって三日。

 それまで夕食の量を減らすよう命じられ、どうされたのかと心配するシェフも多かったが、それまでと変わらないか、もしくはそれまで以上に生き生きとしていた為、さほど気にする事もなくなっていた。が、数日前から元気がなくなり、ついには食事を摂らなくなれば、さすがにこれは一大事。とにかく何か食べていただかないと…と、料理長を始め全てのシェフ──まかない担当のアルは除く──が、次期国王の為にありとあらゆる料理を用意したのだが、未だにどれひとつとして口にする事はなかったのだ。

(…まぁ、三日も食う気がしないのは、ある意味 病気だけどな…)

 ならば医者に診てもらった方がいいのでは…とも思うが、ペーペーの、しかも入ったばかりのシェフが口を出す事ではないだろう。心配しないわけでもないが、自分にできることはない為、アルはその事に関してあまり深く考えないようにしていた。


 部屋に戻ってベッドに突っ伏すと、ややあって、ドアをノックする音が聞こえた。こんな時間に誰だろう…と思えば、それを口にする間もなく扉の向こうから声がした。

「アル、セロンです。ちょっといいですか?」

「セロン…?」

 セロンとはここに来たとき以来 会っていなかった。突然珍しいな…と思いつつ、今問題になっている人物の側近とあらば、何か聞けるかもしれない…という思いが湧く。

「あ、あぁ…いいけど…」

 そう返事してベッドに座り直すと、セロンがドアを開けて入ってきた。

「何か、大変みたいだな?」

 言っている意味はすぐに分かったが、第一声がそんな言葉とは思わなかったのか、セロンは 〝え…?〟 という顔をした。

「次期国王の事だよ。ユアン…とか言ったっけ? メシ、食わねーんだろ?」

「え、えぇ…」

 〝ユアンとか言ったっけ?〟

 その言葉に、セロンはユアンの様子がおかしかった理由を知った気がした。

「アル、実はその事であなたにお願いがあるのですよ」

「お願い? お願いつったって…俺にできることはねーと思うぞ…?」

「いいえ、きっとあなたにしかできないことだと思います」

「……よく、分かんねーんだけど…?」

「簡単に言えば、あなたに食事を作ってもらいたいのですよ」

「は…? あいや…だって…食わねーじゃん?」

「えぇ、でも…あなたがユアン様のために心を込めて作ってくれたなら、あの方もその気持ちに応えてくれると思うのです」

「そういう問題かよ? だってそいつの為に…って思って作るのは、料理長や他のシェフだって同じだぞ? さっきだって、料理長 すっげー心配そうな顔して歩いてたし…」

「それは分かっています。ただ、同じ料理でも人が変われば味も変わるでしょう?」

「それって…いいモンばっか食ってると、たま~に、安っぽいのが食いたくなるとかっていう意味かよ?」

「いいえ、そういうわけでは…。でもどちらかというと、ずっとそれを望んでいたのだと思いますね」

「…ワケ…分かんねぇ…」

「とにかく、ユアン様はもう三日も何も食べていません。アル、あなただけが頼みの綱なのです」

「……………!」

 〝三日〟

 〝頼みの綱〟

 その二言は、ここ数日、アルの中にあった 〝気がかりな事〟 を更に強くした。

(あいつも…来なくなってから三日目なんだよな…。俺の料理が命綱とか何とか言ってたし…ちゃんと、メシ食ってんのかよ…?)

 三日前の事を気にしてないといえばウソになるが、だからといって命綱とまで言われた料理を食べさせないつもりはなかった。けれどその男は翌日から来なくなり、ある意味ホッとした部分もあったのだが…さすがに三日目ともなると、心配する気持ちのほうが強くなってきたのだ。

「アル、作ってくれますか…?」

「ん…? あぁ…まぁ、そこまで言うんなら…。けど、俺にもひとつ頼みがあるんだ…」

「頼み? ──何です?」

「あ、いや…あとで言うよ。ただ、その頼みに関して誰も咎めないって約束してくれねーか?」

(咎める…?)

 さすがのセロンもアルの願いは予想できなかった。けれど今大事なのはアルの料理をユアンに食べさせることであり、それができるならこの際 願いは何でもいいだろう。

 セロンは、〝いいでしょう〟 と首を縦に振った。



 部屋を出て、厨房に行こうとしたアルをセロンが止めた。そして、〝まずはこちらに〟 と案内されたのは、どうやらセロンの部屋らしかった。

「なんでここに…?」

「先に、知っていてほしかったのですよ」

「……………?」

 そう言うと、隣の部屋を隔てる壁に掛かっている絵を外した。そこには小さな窓がついていて、セロンはその窓を覗いてみるようアルを呼び寄せた。一瞬戸惑ったが、向こうからは見えないから大丈夫だと言われ、恐る恐る覗き込んでみれば──

「あい…つ…!?」

 視線の先に見えた人物に、アルの心臓がドキリと鳴った。と、同時に三日前の事が鮮明に思い出され、唇をギュッと結んだ。記憶はとてもリアルで、口の中までその感覚が蘇ってきたからだ。けれど、セロンの次の言葉に、アルは声をあげそうなほど驚いた。

「次期国王、ユアン様です」

「次期…国王!?」

「はい」

「…あ…次期国王…って…あ…あいつ、囚われの身だって……」

「囚われの身…?」

「監視がいるから、おいそれと一人で出歩けないって…」

「監視……ユアン様がそう言われたのですか?」

「そう言ったっていうか…そんなもんだって…。メシもまともに食わしてもらってないから俺の作る料理が命綱だって…夜に抜け出してまで厨房にメシ食いにきてたんだぞ…。それがここ最近 やってこなくて…ちょっと心配してたっていうか…」

 半ば呆然としながらのアルの説明に、セロンは 〝なるほど〟 と思った。

(それで、咎めないという約束を…)

 おそらく、ついでに その 〝囚われの身〟 の男性に食事を運んでやってくれというのがアルの願いだったのだろう。囚われの身の人物をアルが知っているとなると、男が監視の目を盗んで部屋を抜け出した事がバレてしまう。それを咎めないでくれという約束だったのだ。

「あいつ…俺を騙してたのかよ…。何が囚われの身だ? 何が命綱だよ!? どこでも一人で自由に行けるし、メシだって毎日 上等なモン食ってんじゃねーかよ!!」

「騙してはいないでしょう、アル。立場が立場ですから、〝囚われの身〟 というのは、ある意味 正しいのかもしれません。それに、名前を聞かなかったのはアルの方ではないのですか?」

「そ、それは……」

 ユアンの性格から言って、隠し事をしたり騙したりというのは有り得ないことだった。特に惚れた相手に対しては、自分の事を知って欲しいと思うのは当然のはず。なのにアルが 〝囚われの身〟 の正体を知らないという事は…つまり、アルがその正体を知ろうとしなかったということなのだろう。

 そう判断すれば、案の定、アルは図星だというように言葉に詰まってしまった。

「アル、三日前の事はユアン様も後悔しておいでです」

「……………!」

「あなたを傷付けてしまったと、謝りたい気持ちはあるのに…顔を会わせた時のあなたの反応を思うと、怖くてどうしても会いに行けなかったのですよ」

「そ…そんなの…しょうがねーだろ、自業自得なんだから…。だ、だいたいな…そんなに後悔するくらいなら、始めっからあんなことしなきゃいいんだ」

「えぇ、それは本人が一番よく分かっていらっしゃいます。分かっているからこそ、自分を責めているのですよ。ただ あの時は、ずっと思いつめていた事があってどうしようもなかったのです」

「……………」

「アル、どうかユアン様を──」

「それが、原因なのかよ?」

 〝許してあげてください〟 という言葉を遮って、アルが確かめるように質問した。

「あン時の事を気にしてたから、メシも食わなくなったのか…?」

「…えぇ」

「……………!」

 セロンの返事に、アルは何だか腹が立ってきた。

(そんなことでメシ食わなくなるなんて…今にもぶっ倒れそうじゃねーか! だいたい何考えてんだよ、あいつは!!)

「──バッカじゃねーのか!?」

「あ、アル…!?」

 怒りに任せてそう叫ぶや否や、アルはセロンの部屋を出て行ってしまった。

(やはり、正体は明かさない方がよかったか…)

 けれど、正体を明かさず料理を作ったところで、肝心のユアンが食べない事は分かっていた。

(どうしたものか…)

 小窓からユアンの姿を眺めていたセロンは、困り果てた長い溜め息をついた。



 それからしばらくすると、ドアがノックされた。いや、ノックというよりは拳で叩く音だ。そんな叩き方をされるのは初めてで、返事もせずドアを開ければ──

(アル…!?)

 入り口で声を出せばユアンに気づかれてしまう為、セロンは心の中でそう言った。慌てて部屋に招き入れれば、

「ほら」

 ──と手に持っていたものをお盆ごと差し出された。

「これは…」

「野菜と米を一緒に煮込んだものだよ。ちゃんと味もついてる。三日も食ってねーからな…いきなり普通のメシくったら、胃がビックリしちまうだろ」

「アル…」

「けど…俺が作ったからって、食べるとは限んねーぞ?」

「いいえ、きっと食べてくれますよ。ありがとう、アル」

「別に礼なんか…」

「では早速、持っていきます。アル、あなたはここで待っていてください」

 そう言うと、セロンは隣の部屋に通じる扉をノックし、ユアンの部屋に入って行った。

 部屋は防音の為、閉めてしまうと声が聞こえなくなる。ユアンとの会話を聞かせるためか、セロンはその扉を完全には閉め切らなかった。



「ユアン様?」

「……………」

 出窓に座っていたユアンは返事もせず、視線だけをセロンに向けた。

「お食事を持ってきました」

「…いらんと言っただろう」

「アルが作った食事でも?」

 その一言に、ユアンの顔が一変した。

「アル…が…?」

「えぇ。あなた様の為に、アルが作ってくれたのです」

「……………」

 〝まさか…〟 と思うその無言の中で、ユアンはその可能性をすぐに否定した。

「お前が頼んだのだろう? 次期国王の為に、とでも言って」

「ユアン様…」

「アルは、次期国王のために作っただけで、夜 出歩いていたオレの為ではない、そうだろう?」

 それは予想通りの言葉だった。

「あんな事をしたんだ…オレに作るはずがない…」

「ユアン様、アルは──」

「いいんだ、放っておいてくれ。アルの料理を口にする時は、次期国王でなく──」

 〝ユアンという一人の人間としていたいのだ〟

 そう続けようとした時だった。突然、〝バンッ…!〟 と壊れそうなほどの大きな音がしたかと思うと、その音に被って怒声が響いた。

「…ッカやろう!」

「────ッ!?」

 その声と反射的に捉えたその姿に、ユアンは言葉を失うほど驚いた。

「ア…ル…!?」

「次期国王が、メシ食いにきてたあんただって知った上で作ったんだ、俺は! 文句あるか!?」

「アル…」

「だいたいな、将来 国を背負って立つモンが、あんな事くらいでメシ食えなくなるほど気にしてんじゃねーよ!! 普段いいモン食ってるからって、ラクダみたいにしばらく食わなくても大丈夫だと思ったら大間違いなんだぞ!!」

「ラク…ダ…」

 まさかラクダと比較されるとは…。一瞬、あっけにとられた二人だったが、それより何より、三日前の事を 〝あんな事くらい〟 と言われた事に、ユアンの気持ちが一気に軽くなった。思わず、笑みまでこぼれてくる。

「な、なに笑ってんだよ…?」

「いいや、別に」

 そうは言ってもこぼれてくる笑みは止まらず、そんなユアンを見て、セロンもまた笑みをこぼしていた。

「何だよ、セロン、あんたまで……」

「いいえ… 〝ラクダ〟 の事があまりにも面白かったので…」

「面白いって……俺は真面目に言ったんだぞ!?」

「えぇ、そうですよね。すみません。でも、これでユアン様も食べる気になったのでは?」

 そう言ってユアンに視線を送ると、ユアンもまた 〝あぁ〟 と頷いた。

「これからの夕食は、アルが作ったものを食べるとしよう。──どうだ、アル?」

「どうって…別に俺はいいけどよ…」

「では、決まりだな」

「あ…ぁ、けど、他のシェフが作った料理もちゃんと食えよ? みんな一生懸命作ってんだし、食材だって、俺らみたいな庶民が汗水流して一生懸命作ってんだ。無駄に残したりしたら承知しねーからな!」

「あぁ、分かった。ただし、お前の料理を食べる事が前提だがな」

「…は?」

「お前の料理を食べるから、他のシェフの料理も食べるという意味だ」

「ふ~ん…まぁ、どっちが先でもいいけどな」

 要は自分がちゃんと作ればいいだけのことだと、アルはユアンの言葉に納得した。

「ンじゃ、俺は戻るからな」

「何故だ?」

「何故って…メシは作ったからもういいだろ?」

「オレがちゃんと食べるまで見てなくていいのか?」

「食うって言ったんだから、食うんだろ?」

「さぁ、それは分からんぞ」

「はぁ!?」

「それに、食べ終わったらまた食器を片付けにくるのだろう? だったら、食べ終わるまでここにいればいいではないか」

「……………」

 確かに、そう言われたらその通りなわけで…アルは勧められるがまま、セロンの隣に座って待つ事にした。

 セロンから食事を受け取ったユアンは、向かい合うソファに座り、スプーンを手にしたのだが、すぐに何か思い改まるように小さな息を吐き出した。

「アル…」

「な、何だよ…?」

「この前の事はすまなかった」

「え…? あ…べ、別に俺はもう──」

「だが、オレはお前の事が好きだ」

「ぃっ……!?」

「初めてお前の料理を食べた時、そう思ったのだ。でもすぐに違うと気付いた。この前の事でその想いは間違いだった、とな」

「そ、そうか…それはよかっ──」

「愛している」

「────っ!?」

「オレは本気だぞ」

「あ、愛して…って…お、俺は男だぞ!? あんたも男で──」

 〝好きだ〟 という告白だけなら、百歩譲って聞き流すこともできただろう。友情を勘違いしてそう思ってしまうこともあるだろうから。けれど、〝愛している〟 というのは、明らかに恋愛対象として見られているという事。

 有り得ない話だと、改めて 〝俺とあんたは男なんだぞ〟 と言おうとすれば、ユアンのほうが一瞬だけ早かった。

「オレは、アル──お前を愛しているんだ」

 〝性別など関係ない〟

 言葉にしないその言葉は、アルの心の中にあるどんな反論も通じないのだと知らされた。

「あぁ…それからな、アル?」

「今度はなんだよ?」

 ユアンの告白を受け止められないアルは、反論はおろか考える余裕もなく続く会話に、半ばヤケクソに返事をした。

「オレの名はユアンだ」

「あぁ、それが?」

「 〝あんた〟 でも 〝てめぇ〟 でもない」

「だから? 別にいいだろ、名前は覚えたんだからよ」

 とにかく考える時間をくれとばかりに答えれば、ややあって、ユアンが持っていたスプーンを静かに置いた。

「な、何だよ──」

「食べてやらん」

「は…?」

「アルがオレの事を名前で呼ばないなら、食べてやらん」

「な、何言って──」

「いいのか? お前の料理が命綱なんだぞ?」

「────!!」

 それはつまり、他のシェフの料理も食べないという意味だ。

(な、なんで俺が軽く脅されてんだよ…? 普通だったら、俺が作ってやんねーぞって脅す立場だろ…?)

 〝いいのか?〟

 そんな目を向けられ、更にはセロンまで 〝呼んであげてください〟 とばかりな目を向ける。

「アル…」

 諭すようなセロンの口調に、アルはフンと鼻を鳴らした。

「分かったよ! 呼べばいいんだよろ、呼べば!!」

「あぁ」

 そう頷いたユアンは、隠しているが嬉しそうだ。

「じゃぁ、何て呼んで欲しいんだ? 〝殿〟 付きか、それとも 〝様〟 付きか!?」

「何もいらん。 〝ユアン〟 でいい」

「……………」

 その返答に、アルは少々驚いた。次期国王を呼び捨てとは…これが 〝愛している相手〟 故に許されることだとしたら、

(できるなら、避けたいんだけどな…)

 ──と思うのは当然のことで…けれど、ユアンが許してくれないことも、アルには予想がついた。

「オレとセロンの前でだけだ」

 〝だからそう呼べ〟 と改めて言われ、アルは仕方なく、その名前を口にした。

「…う…ユ、ユア…ン…」

「ふむ…。〝ウユユアン〟 とは妙な名前だな?」

「………!」

 わざとらしく首を傾げ、〝ほら、もう一度〟 とユアンの目がその名を急かす。

「ユ、ユアン…」

「…ユユアン…?」

「………!」

(こいつ…)

「──ユアンだ!」

「ユアンダ…?」

「……てんめぇ…」

「てんめぇ…とは誰だ?」

(くっそぉ…からかいやがって…もういい! 呼んでやろうじゃねーか、ハッキリと!! この、クソ──)

「ユアン!!」

 心の中で 〝クソ〟 とつけてようやくそう叫べば、それを知らないユアンはニッコリと微笑んだ。

「もう一度だ」

「ユアン!」

「もう一度」

「ユアン!」

「もう──」

「ユアン、ユアン、ユアン、ユアン、ユアン!! どうだ、これで満足かよ!?」

 こうなりゃヤケクソだと繰り返すと、ややあって 〝あぁ〟 と言ったユアンの表情は、セロンさえ見たこともないような穏やかで優しいものだった。そんなユアンを目にして、一瞬、アルの心臓が乱れた。

(な、なな…なんで心臓が…)

 思わぬ自分の反応に驚き慌てて落ち着こうとすれば、更に焦りが生じて顔まで熱くなってくる。思わずユアンから目を逸らしたものの、まるで心臓が耳元で騒いでいるような感覚に、いつの間にか立ち上がっていたアルは、眩暈を感じてソファに座り込んでしまった。

 そんなアルを満足そうに見ながら、ようやくユアンが食事に手を付けた。


(…けど…なんだろ……? 俺、どこかであんな顔見たような気が…)


 のぼせてボーっとしている中で、アルは遠い記憶を辿るようにそんなことを思っていた。

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