第三十九.五話 タケっち、王宮に吠える
――胸騒ぎがした。
(んん? 何やこの感じ……)
剣が呼んでいる。
(ほほぅ……これは……タケっち、行っきまーす!)
そしてやってきました、王宮!!
でっかい門ぶっ壊して突入するとかテンションあがるわー!!
まあ今は“レイス”として行動しとるから、シュウとの約束で喋ったらあかんねんけど。
でもタケっち、元気いっぱいやからね!やっていきます!!
――んで、胸騒ぎの現場とうちゃーく!!
(むむ……タケっち、遅刻かも……!?)
王宮最上階の格式高い広間。血と瓦礫と骸骨の山。
骸骨のバケモンが王冠かぶったおっちゃんを殺しちゃったみたい。
(王女様あぶなーーい!!)
ダダッと駆け寄り、吹き飛ばされそうになった王女様をキャッチ!!
(イエーイ! ダブルピース!!)
……あ、ダブルピースしちゃった。
でもピースはセーフやろ?な?シュウさんよ?
そうや、人と喋ったらあかんのはシュウとの約束やけど……
この骸骨さんとなら喋ってもええんちゃう?
(よし、そうと決まったら……王女様、さっさと逃げてくれ!タケっち、骸骨さんと喋りたいんや!!)
手振りで階段の方を指差す。
お、伝わったみたいやな!王女様、逃げてった!!
(じゃあ……)
王女の背中を見送り、タケっちは深呼吸した。
仮面の奥で笑みを深くする。
「……ん~~~っし!! 久々に喋ると気持ちええな!!」
大剣を地面にドンと突き立てる。
「おいおいおいおい!! 骸骨さんよぉ!!」
骸骨の異形――ラディウスは無言でタケっちを睨む。
その眼窩に宿る紫黒の光が揺らめいていた。
「初めましてやな! タケっちって言います!! 本名はタケシ・ゼルナートや!! 趣味は剣の素振り!! 特技は無双乱舞斬り!! 好きな言葉は“勝って兜の緒を締めよ”!!」
自己紹介を終えると、タケっちは満面の笑みで構え直した。
「ふー、スッキリしたあ!! さあて、お楽しみ会の始まり始まりやなあ!!」
骸骨の異形がゆっくりと手を掲げる。
地面を突き破って現れる無数のスケルトンとゾンビ。
「むむ!! またしもべを召喚したな!?」
タケっち、大剣を片手で構える。
「んなもんいくら出ても意味ないわーい!!」
足を踏み込み、斬り下ろす。
「タケっち無双!! スケルトン無双斬り!! ゾンビ無限斬り!!」
剣圧と衝撃波が骸骨達を吹き飛ばし、砕き、粉砕する。
一太刀で五体、二太刀で十体――
しかし。
「おぉっと!! まだまだ元気やな、骸骨さん!!」
骸骨の異形――ラディウスが己の骨の腕を変形させ、白い骨の大剣のような刃を作り出した。
そのまま一直線にタケっちへと切りかかる。
「おおっとぉ!!」
大剣を交差させて受け止めるタケっち。
ギリギリギリ……と凄まじい火花が散る。
「ふっふっふっふ!! テンション上がってきたでぇぇぇ!!!」
二人の体がぶつかり合い、王宮最上階の王の間が振動する。
吹き飛ぶ瓦礫、割れる地面、崩れ落ちる石壁。
「さぁ!! 続きといこうや!! 骸骨さん!!!」
タケっちの瞳に、紅蓮の闘志が燃えていた。
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