表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/162

ep53 ヤソミ②

「そうか!コイツら、ヤソジマを襲ったヤツらか!たしか......エトケテラ!」


「小娘。ヤソジマの島民だったか?まあいい。お前のようなイカれた女には付き合ってられん」


 ロテスコたちは窓からプテラスへ跳び移った。

 大怪鳥は悪党どもを乗せ、バサーッバサーッと羽ばたいていく。

 俺も窓際に駆け寄ったがもうどうしようもない。

 とその時。


「小娘!ひとつ忘れていたぞ!」


 悪党どもを乗せた大怪鳥がぐるんとこちら側へ向いた。


「借りを返すのは、早いほうがいいよな!?」


 ロテスコがにやっと危険な笑みを浮かべるのに続いて、大怪鳥の口がガバァッと開く。

 その瞬間、ヤソジマでの記憶が蘇る。

 俺たちに......撃ってくる気だ!


「マズイ!」


 予想通り、大怪鳥の口内にエネルギー弾が生成されていた。

 クソッ!どうする?

 エマとミアを抱えて飛び降りるか?

 ダメだ。もう間に合わない。

 

「死ねぇ!!」


 ロテスコの怒声とともに、大怪鳥プテラスからゴァァァンッ!とエネルギー弾が発射された。

 俺の瞳に破壊的な閃光が映る。

 万事休すか。

 でも、ヤソミの身体なら、ひょっとしたら耐えられるかも?

 考えている時間はない。

 やるしかない!


「ミア!エマ!ふせてろ!」


 窓に向かって飛び出した。

 ヤソミの全身で、あれを受け止めてやる!


「うおぉぉぉぉ!!」

 

 叫びながら目をつぶって構えた。

 死の恐怖に打ち勝つために。

 あとは祈るしかない......と思ったその時。俺は「??」となる。

 エネルギー弾が、来ない?


「!!」


 目を開いた瞬間。

 助かったと思った。

 これもヤソジマの記憶と重なる。

 そうだ。

 あの時もこの人が助けてくれたんだ。


「遅くなって悪かったな!」


 颯爽(さっそう)と窓際に着地し、肩越しに快活な顔を見せる、デッカい銃を携えたスタイル抜群の美女。


「プテラスの魔力弾が...相殺された!?いったい誰が......なっ!?」


 悪党どもの驚声が響いた。


「ジェットレディだとぉ!?」


「ほ、ホンモノなの!?」


 ぐったりしていたはずのエマが誰よりも先に声を上げた。

 ジェットレディは肩越しにウインクで応えると、空に向けて銃を構えた。

 

「〔激鉄(ロック):グランス〕」


 ズバァァァァン!

 

 (とどろ)く発砲音。

 (ほとばし)る閃光。

 空に鮮やかに(はし)る一筋の光線。

 それは一瞬のうちに巨大な鳥獣を見事に(つらぬ)く。


「ぐ、ぐわぁぁぁぁぁっ!!」


 悪党どもの悲鳴だけを残し、大怪鳥プテラスは黒い(ちり)となってサーッと空に霧消(むしょう)した。

当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

面白かったら感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

気に入っていただけましたら今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ