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8.「第三の波」による文化的勝利(中編)

 さて私の物語の前に、少し話をしておきたい。今、我々が置かれている状況について。


 前回「パラダイムシフト」の話をした。今、人類は長いその歴史の中で重大な転換点を迎えている。


 それは、農業革命や科学・産業革命といった人類全体の価値観や総体を変化させる、とても激しい時代の変化なのだ。かつて、スマホやインターネットが無い世界があった。知識と言えば本の事だし、人々は政治家やマスコミの人間から様々な知識を得て、満足していた時代があった。


 それは、ほんの30年前。我々が青春を過ごしていたのはそんな時代だった。今では考えられないが、人々はマスコミの言う価値観を信じ、人生を謳歌していたのだ。その時代をバブルと呼んだ。



 そう、私は語らねばならない。「情報革命」ともいえる、この時代の変化に答えを出す為に。それは、無意識に変わる力であり「構造主義」とは、そのような物を指す。


 だから、注意して見ないと意識出来ない。自分だって、つい最近その変化をかつての自分の考え方を振り返る事で、やっと認識出来るようになったばかりだ。人間、認識出来ないものには気が付かないのだ。


 そうして、古今東西の知の巨人達の語った世界の構造を聞き齧って、そいつらを纏めてコンクリートミキサーにぶちまけて、「美少女化」とか「萌え」とかいう、オタク文化で塗り固める。


 今から、私がしようとしている事はそういう事だ……。


 うーむ、流石に気が咎める。天国の賢者達には、怒られるかもしれないが。それも、仕方のない事なのだ。そういう風に世界を書き換えてしまったのだから……。


 だが、この機会は逃す訳には行かない。


 『創作』という力を一早く手に入れた我々には、一刻も早くその事を語らねばならない。それは、次の未来の支配構造を決めるかも知れないからだ。誰かにくれてやるには、勿体なさ過ぎる。


 これは、私のオリジナルの論説ではない。過去にそのような発言をした人もいたのだ。だが、この「情報化社会」の中では、そう言った人達も「その他大勢のうちの一人」となってしまった。この流れは変えられない。


 今、何気なく書き込んでいる「小説家になろう」という場所は、時代の変化に合わせて作られたものだ。かつて、ほんの一握りの人達にしか与えられなかった「創作と情報の発信」という権力は、誰もが使えるものになった。周りを見渡してみると良い。


 ある人は有志を募って、自主アニメを作っている。クラウドファンディングで集めた資金で自分のオリジナルゲームを売る人がいる。ある日突然、プロ集団に混じって新進気鋭のクリエーターとして名を馳せる人もいる。


 ある日、小説がコンテストで注目されて、アニメになって人気が出るかも知れない。いや、もうそんな状態なのだろう。



 今、ここはそういう世界だ。サラリーマンをしながら創作活動をする人もいる。自転車屋をしながら大規模イベントを企画する人もいる。一介の大学生が全国の鉄道会社と協力する事だってある。誰でも『創作』を通じて何かを動かせる。


 皆、気が付いていないだけで世界の構造は変わりつつある。「その他大勢のクリエーター」と「情報を受け取る側」という関係だけが重要になる。経済や軍事力、科学と言った過去の遺物は意味をなさなくなりつつある。


 いずれは、『創作』のノウハウを知り尽くした人々が、思い思いに「己のストーリー」を語り合う時代がやって来る。誰もが各々の物語に耳を傾け、製作者達の心の想いや魂の叫びを追体験したがる。そんな時代になるのだ。



 さて、今これを見ている方達はその「創作」の第一歩を歩んでいる、もしくは悩んでいるかもしれない。「情報化社会」の完成は、個人の考えをぶつけ合う修羅場となるのだろう。それも世界中の人々が人種を超え、世代を超え、場所さえも超えて繋がっていく。


 ケモナーだ! ゲーマーだ! 鉄道オタクだ! 美少女マニアだ! ロリコンだ! と言った騒がしい世界。


 そしてそれはもう、すぐそこまでやってきている。最近の秋葉原を見た人はいるだろうか。あそこはもう、異世界になっている。


 外国人にとっての聖地。そこに行けば何でも手に入る理想郷。そこには、アニメもゲームもコミックも、最新家電にあらゆる情報が直ぐに手に入るユートピアなのだ。


 そうさせてしまったのは、他ならぬ日本人のオタク達なのだろうが……。とにかく、新たな世界では情報量の多さで優劣が決まる。最近、流行っているゲームやアニメを見ると良い。


 とにかく情報量が多い。元々オタク文化と言うのは、大量の情報を抱え込んで、それをネタに楽しむ文化だったのだ。


 それは、ネット社会の普及により凄い勢いで加速した。スラングに独特な価値観。外国人達の勘違いも含めて、とても魅力的な文化として重層的に組み上がったオタク文化を止められる者などいない。


 かつて、オタクを世間の目から騙そうとした人達も、その変化についていけていない。自分だって、ネットにドップリと浸かりながら、ようやっとそんな流れについて行っている。


 いずれは、誰もがオリジナルな作品を考え、実行して世の中に広げていくのかもしれない。その時、我々の持つ『創作』の力が発揮される事になるだろう。


 時代の流れは、決して戻る事は出来ない。こうなってしまった以上、数えきれない程の情報に塗れながら、楽しそうな事を探して、人類は大騒ぎする事になるのだろう。きっとその時には、経済や科学と言った分野も「その他、沢山の情報の一つ」として、扱われる事になるのだ。


 悲しむ必要は無い。それは、新たな世界に入った、人類の選択なのだから。

 異論・反論認めます。気が大きくなって、大げさに叫んでいる訳でもありません。


 色々と、世間の動きが変わって来た事に気付いただけです。証拠もあります、それは自分自身の心の変化。後編では、30年間の動きと価値観の変化について語ります。


 今は時代の端境期、ちょっとした変化で世界中が動き出す可能性があるのです。

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