表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/17

13.人は本能的に物語を求める

 身体は本能的に闘争を求める……ではないよ。


 いよいよ、ここが本丸で一丁目一番地である。つまり「何故、人は本能的に物語を求めるのか?」という事だ。


 人間自身が持つ本能と欲望と言っても良い。それがあるから、人は社会的動物として進化してきたとも言える。


 ここは、これまでと同様に「構造主義」から見た物語の構造を探ってみたい。



 という訳で、息抜きの時間だ―!


 ウゴゴゴ、息抜きとは? などと聞いてはいけない。


 実際の所、皆も知りたいのではなかろうか。特に創作論などと、エッセイを語る人にとっては……。


 これまた、人間の生態を元に考えると他人との交流を無意識に求める、と考える。人は、一人では生きられない。誰かに聞いて欲しいし、聞きたいのだ。


 他人とのコミュニケーションを経て、同じ価値観を共有して協力する。それが人間としての自然な欲求なのだ。


 ……いや、人と関わるのを避けようとする人もいるが、それは例外としておこう。


 ともあれ、同じ価値観を持つために必要な要素を考えれば良い。


 生物として生きるが故に、避けられない事・もしくは叶わぬ願い、という二パターンあると仮定しよう。


 前者としては、大まかに次の三つに分けられるのではないか。


  ①我々はどこから来たのか?   :神話であり歴史

  ②我々はどうやって生きるのか? :仲間との連帯、または恋愛や子育て

  ③我々はどこへ行くのか?    :宗教であり死後の世界


 かなりおおざっぱだが、人として生きて考えると、このどれかの問題に突き当たる訳だ。『生まれ出づる悩み』という奴だ。うむ、どんどんと哲学的な領域に切り込んでいくぞ。


 そんでもって、後者はこれと相対関係にある。つまり、叶えられない望み・願いと言うのも存在する訳だ。


  ①我々は、特別な存在意義でありたい。

  ②我々は、万能になりたい。

  ③我々は、不老不死の存在になりたい。


 こういう事になる。


 人として悩みたくはないし、望んだ存在になりたい。なので、これらは並列で語られる。主に、人間の生活の中でなく夢として。


 ……これ、どっかで見た事が無いだろうか? つまり「テンプレなろう」の典型である。つまり、どうやっても叶わないから夢なのだろう。何故、人はチートを生み出すのだろうか? せめて仮想の世界だけでも夢を見たいからだ。


 人は、にっちもさっちもいかなくなった場合、夢を語りたがる。そしてその夢に縋る。人は弱いものである。現実逃避として、これ程簡単な解決方法も無い。


 逆に叶わないからこそ、無駄だとも感じる。それがなろう系を始めとする「創作」の負の側面である。安易に語られるからこそ、くだらないのだ。


 一方で、人々はお互いの悩みを共有する事で初めて相手を理解し、信頼する。


 同じ釜の飯を食った仲間でも良いだろう。共通の悩みを持つ者同士と言うのも良くある話だ。



 ともあれ、「創作」で目指すべきなのはどちらなのだろうか?


 ……正直に言って良い?


 やっぱ、なろうは駄目だわー! 引くわー。ドン引きですよー。


 閑話休題。


 「創作」は人それぞれ。追い求める物が違っていても良い筈だ。それ位は許されるべきだ。例え、それが「傷をなめ合う道化芝居」だろうとも。


 ともあれ、そればかりになっても困る訳で……。


 原則として「創作」とは、悩む人を助けるために使いたい。そうであって欲しい……。うーむ、困った。オチが見つからん。


 そも、人は文字を持つ前から物語を描いて来た。それは紛れもない事実である。であればこそ、その為の何かが必要なのではないか。


 例えば、「我々はどこから来たのか?」という問いには、「私は選ばれし者である」とすべきではない。「遥か昔の先祖が『そうあれかし』と望んだから」の方が良い。……精神的にもな。


 「我々はどう生きるのか?」と聞かれて「我々に未来なんてない。絶望して生きろ」などという奴は無視すべきだ。「君たち若者には前途ある未来が待っている。頑張って生きよう」と言う方が大人の対応だろう……。


 ……いかん、何を言っているんだ。俺は?


 いや、うん。前提に戻って良く考えよう。この場合、駄々をこねる子供よりも大人の対応が必要なのではないか? 無い物ねだりをしても、何も解決しないのだ。


 だったら、前向きに倒れた方が良いではないか!!


 (よし、押し通したっ!)


 ……そうだね、うん。その通りだ。


 やはり、「近頃の若い者は……」などと言う老人にはなりたくはない。もっと建設的な事がしたいのだ。「創作」とは! 人類の進化である! 


 そう思っていなければ、絶望のまま何処へ向かえば良いのか、分からなくなるだろう……。そう言うものなのだ。


 徳川家康も言っている。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず」だ。うん、良い言葉だねぇ……。


 強いては事を仕損じる。案ずるより産むがやすし。


 昔の格言や賢人の言葉というものは、何と力強いのだろうか。


 『我々は、過去に学びて未来を目指すべし!』そういう事なのかな?


 そういう事にしたい。しても良い?


 そういう事になった。


 ……うむ、これもまた良し。


 駄目? 良い話っぽいのに? 説教臭い?


 何だよ、ちゃんと考えたのに駄目出しすんなよぅ!


 こういうのはね、本来偉い人とか頭の良い人が言うべき事なの! 馬鹿に考えさせるから、こうなるのよ! 馬鹿だから「知らないと言い切る」強さがあると信じる。


 分かってたよ、自分の身の丈に合わない位。良いじゃん、それ位の事言っても!


 ……なんかさ、寂しいじゃん。一人ぼっちで悩んで、叶わぬ夢を見ているだけの人生って。


 虚勢を張っても、空元気でも! 一歩進めたら、大進歩なの!!


 そう言うものなんだよ、実際。


 だからさ、成功しても失敗してもさ。「その人だけの物語」ってのが欲しくなるんだよ。歳を取ると思い知らされる。残された時間が無い事を……。


 悲しいじゃない、年寄りが弱音ばっかり吐いているのって。


 ……せめて自分の娘にはさ、胸を張って自慢してやりたいじゃないの。自分の生き方を。


 人間ってさ、弱いけど強いんだよ。守るべき物・伝えるべき事があるって事は、大事な事だ。


 だから、人は誰かの物語を本能的に求めるんだよ、きっと。


 という事で、このシリーズも語るべき事は語ったので、終了したいと思います。


 ……人間、引き際が大事ってね。


 大丈夫、物語を求める限り「創作者」はいなくならないよ。きっと力強い物語を語ってくれる人は、生まれて来るさ。

 ふと世の中の創作を見れば、異口同音で中々真理に近づいたのではなかろうか。


 ……馬鹿、恐るべし、である。


 そして、語るべき事は語ったといった。あれは嘘だ!


 意見があれば追記する。間違っていれば修正する。あくまでこれは「私一人で考えた事」を語り終わったのであって、それに反論があれば追記も必要だ。


 もし誰かの意見の方が正しいと私が認めれば、その部分はその人の意見を受け入れる。


 そうやって、バージョンアップしていくべき問題だと思っていますので。


 つまり、誰かの意見や反論が欲しい! 議論したい!


 そう言う望みを持っているのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ