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全肯定奴隷少女ちゃん

ヒロイン登場です!

「わん! にゃー! 死ね!!!!!!!!」


 少女が猫と戦っている!!!!!!


「なんだあれは?」


 道行く人々は少女に目もくれない。まるでこれが日常茶飯事のことのように。


「知らないのか? アレは全肯定奴隷少女ちゃんだ」

「全肯定奴隷少女?」


 首を傾げたフードの人に武器を持った荒くれものみたいな男の人が教えてくれる。


「全肯定奴隷少女ちゃんだ」


 正式名称らしい。


「奴隷……だから道行く人はあの子を気にも止めないのか?」

「いや、彼女たちは愛玩種族だ。見てみろ。外見はかわいいだろ?」


 全肯定奴隷少女ちゃんはそれはもう美しい外見だった。穏やかな湖畔のように僅かに波打ち、光を跳ね返す金髪。シミ一つ無い白磁の肌は、血色がよくハリがあり、瑞々しく若く活発さを表している。そして碧眼。そばかすでもあれば純朴でかわいらしい少女といった様子だが、あれでは確かに傾国の美女になるといえるだろう。すでにその片鱗が見え隠れしている。


「ね、ねえ。君」


 そんな外見に惹かれたのであろう。その美しさにやや腰が引けながらも、肌の浅黒い男が近寄り、声をかけてくる。


「……」


 しかし少女は一向に男へ意識を向ける様子はない。

 そんな態度に、男は怒るでも声をかけるでもなく、ガックリと肩を落として去ってしまった。


「あれは……どういうことだ?」

「全肯定奴隷少女ちゃんには鑑定という能力がある。彼女たちは自らの容姿の良さを自覚しており、その能力を使い、確実に強い存在に媚を売ることを得意とした種族なのだ」

「思ったよりも嫌な存在だな」


 強きに下る。そんな生き様。


「彼女たちは媚を売る相手を間違えない。鑑定というのは、自身より強い存在には通用しないのだが、その特性を活かして、彼女たちは貴族や王族などにも愛用されている」

「……一番強いのは彼女たちなのでは?」


 フードの人は訝しんだ。


「大抵は王よりも騎士に媚を売るせいで今は王族が持っていることは少ない」

「金や権力よりも力優先なのか」

「ステータス画面には出てこないからな」


 狭すぎる物差しである。


「ちなみにだが、彼女たちは俺らのような人間とはまた別の種族だ。全肯定奴隷少女ちゃんというのが全体の種族名だな」

「ネット小説のヒロインみたいな存在だな」


 さすごしゅ!


「同じ愛玩動物の猫を天敵としている。だからあんなふうに争っているのだ」

「へぇ……なら、全肯定奴隷少女ちゃんが勝つのでは?」

「一時期それでネズミによる疫病が発生したため、謎の保護団体が均衡を保つように活動している」


 そんな風に、会話を続けていると、全肯定奴隷少女ちゃんがハッとした表情でこちらを見つめてきた!

 駆け寄る少女! フードの人の足元へ素早く入り込み、物乞いのように縋り付いてきた!


「ご主人様!」

「ちなみに、ご主人様より強い存在が現れるとすぐに鞍替えするから気をつけろよ」

「嫌すぎる生態だな」


 まさに生きることに特化した存在!


「くっ……俺には関わらないほうがいい。なにせ、手違いで俺を殺した神ですら、不祥事により地獄へおとされたからな」


 関わるもの全て不幸にするフードの人。安心させるようにそっと首を振る少女。


「大丈夫ですよ。私、失うものは何一つありませんから!」

「やはり強すぎるのでは?」


 媚を売る種族に、プライドも地位も名誉もなかった!

もっと勢いの振り切れたギャグが書きたいです・・・・・・・・・・

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