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thx
「う~ん」
かなりぐっすり眠れた。いや、眠りすぎたか?
外は雨が降っている。まだどしゃ降りではないが結構降ってしまっている。
俺は時刻を確かめようと、時計を見る。
「8時30分!?後30分しかない!まずい。飯を食わなきゃ!」
俺は急いで屋台へと向かう。傘をさしていると走れないので濡れるのを無視して走る。
「すみません。モーニングセット一つください!」
「10ポイントだよ」
俺は決済をしようとライフウォッチを操作する。
「え……」
しかし、俺のポイントは0だった。横にも後ろにも何もない。ただのゼロ。
何故だろうか。俺はバグではないかと何回もページを開きなおすが数字は変わらない。どういうことだ?俺は理解が追い付かない。
「兄ちゃんどうしたんだ?ぼーっと突っ立って。10ポイントだぞ?早くしてもらわないとこっちも準備があるから困るんだよ」
「すみません、やっぱり取り消しで……本当にすみません」
俺は必死に頭を動かす。昨日まで絶対あったはずのポイントがなくなっている。昨日、昨日といえば!
『クランのリーダーがメンバーとポイントを管理することができます!』
俺の脳裏であの女性の言葉がフラッシュバックする。
「まさか…そんなことが!いや、それしか!」
俺は一つの答えにたどり着いた。あの女にはめられてポイントを取られた。
俺は急いでライフウォッチを確認すると案の定クラン未所属になっていた。
俺は怒りと焦りで震え、雨に濡れながら昨日の店へと走る。いるはずもないというのに。
「くそっ!」
あの女!絶対に許さない!
視界が暗転し、また転送された。
「くそ、絶対に見返してやる!絶対に…絶対に勝って見返してやる!」
俺は街に転送された。俺は昨日と同じ要領で漁り始める。
一通りの武器、防具を揃えるとマンションの屋上に陣取る。すると、道路を挟んで反対側のマンションに敵がいることに気づいた。俺はすぐにスコープを覗き、撃つ。
「当たった!1発当たったぞ!」
しかし、敵に隠れられてしまった。
「くそ!」
俺は銃を床にたたきつける。一発じゃダメなんだ!俺はキル、いや勝たなきゃならないんだから!兎に角早く顔を出せ!
しかし、その瞬間乾いた音が鳴り響き、俺の腹を弾が貫通した。すごい威力だ。狙撃銃か!
俺は咄嗟に障害物に身を隠す。HPが40まで減ってしまった。敵は依然顔を出してこっちを狙っている。邪魔しやがって!あいつ!
回復をしようとした瞬間、例の向かいのマンションの敵が顔を出した。どうやら狙撃銃のやつを撃とうとしているらしい。焦っている俺はチャンスを逃さんとばかりに、顔を出して撃つ。
「なんであたんねえんだ!」
俺は叫んで怒りをあらわにする。玉切れしてしまった銃をリロードしようと俺は弾を詰める。すると待ってたといわんばかりに当てられてしまった。まずいと思った俺がしゃがんで隠れた瞬間俺の頭上数センチで着弾した。
ひとまずあいつらは無視して回復をし始めたと同時に足音がマンションで聞こえ始めた。
このマンションはマンションと言っても低層だ。すぐにここまでこられてしまう。それに最悪な事に敵は階段を駆け上って来た
「来るな!やめてくれ!」
回復が追い付かない。だからといって回復をやめて撃ち勝てる筈もない。つまり敵が来るまでに回復を終わらせなければ俺に勝ち筋はない。
「頼む!早く終わってくれ!終わった!よし、撃つぞ!」
しかし、終わった時にはもう敵は目の前にいた。
「あああああああああああああああああ!!」
もうこんなのいじめじゃねえか!俺が何をしたっていうんだよ!
この世界はいつもそうだ。何もしてない人間があるとき突然些細なことで理不尽を受ける。
もしあの女の代わりに女性が生きていたなら。俺は悔しくて仕方がない。
こんな世界…こんな世界なんてやめてやる!
俺は歯を食いしばり、決心する。
もう戦わないと……。
またすぐupします。