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X ~クロス~ (電脳世界でデスゲーム)  作者: shue
§1:奇禍の中の僥倖。
5/10

5:1戦目

thx

ここは村とは全然雰囲気が違う。時計を確認してみると時計のデジタル針は9を指していた。

どうやら「ミニゲーム」をやっているうちに9時をまわってしまったらしく直接ソロ戦につながったみたいだ。


俺は近くの家に行き、戦闘に使えるものはないかと物資を漁る。

バトロワゲーの経験はないがこのぐらいのことはわかる。武器がないと始まらないからな。

それに俺はゲームをやる前にバトロワの立ち回りを友人から教えてもらっている。とは言っても、友達はゲームを買えなかったみたいで、若干すねながらだったから少ししか教えてもらえなかったけどね……?

でも今考えてみるとそれで本当に良かった。こんなのに巻き込まれるのは俺だけでいい。

あいつには何より専念してもらいたいことがあるから。


「あった。これはARだよな」

俺は友人から得た知識を繰り返すように銃を拾う。当たり前だが重いな。ずっと構えていると肩が凝りそうだ。ほぐしてくれるヒロインでもいればな~って、あるわけないか。


その隣には、黒い物体があった。どこかで見たことがあるが思い出せない。あいつが言ってたような気もするが思い出せない。あって損なものは無いだろうというのが俺のスタンスなので、しっかりと拾った。


その後も俺は順調に漁り続け、一通りの防具や回復道具などを揃えた。しかし、ヘルメットはやけに豪華だがベストのほうはやけにボロい。効果あるか疑うレベルだ。ライフウォッチもそのレベルの低さを表している。このままじゃまずいのでより良い防具を求めてまた違う家にドアを大げさに勢いよく開け向かう。


しかし、ドアの目の前まで来た瞬間に足音に気づいた。

急に弱気になった俺はそのまま家に乗り込み交戦…とはならずに引き返す方を選んだ。正常な判断ができていなかった俺は、足音を聞こえる範囲まで来たのにもかかわらず、敵には聞こえないってことはあるはずもないということが頭から抜けていて敵に背中を向けて走った。案の定、敵がチャンスを逃さんとばかりに俺の背中を撃ってくる。

さっきも言ったように俺の防具の質は最低レベルだ。俺のベストは役割を果たさずほぼ貫通して、みるみるうちにHPが減ってくる気がする。

このままでは家の中に入る前に死んでしまうと思った俺は華麗なスライディングを見せ、ギリギリで家の中に滑り込んだ。セーフ!

ライフウォッチを見ると、HPが15まで減っている。まずいな。でも死ななかっただけましだよな、回復できるし。ポジティブシンキングでいこうぜ!

HPを80まで回復したその時、俺の隣の部屋で爆発音が響いた。なにが爆発したのだろうか。

爆発と言えば……そうか!確かあいつが言っていたな。

俺はポケットの中からさっき拾った物体を出す。俺の記憶と目の前にある物体が一致した。

俺が物体をポケットの中にしまいなおしていると、また足音が聞こえただした。足音は土を踏む音からコンコンと木の上を歩く音に変わった。

「来たか」

俺が廊下の突き当りの角で待ち伏せをしていると敵が階段を登り終え、廊下まで来た。俺はすかさず外に出て銃を構えて撃つが、思ったよりも銃の反動が強くまともに打てない。

「一発も当たらないぞ!」

惜しいとも言えないぐらいの結果だ。具体的に例を出すとするなら天井に弾が当たっている。敵もびっくり!


敵の動きは止まっていたがふと我に返ったように俺が全段撃ったところで銃を構え始めた。

「やばい!死ぬ!」

このままでは勝負にならないと悟った俺は咄嗟に銃を投げつけ、元居た部屋まで全速力で走る。だが、部屋には言う途中で二発ほど当たられてしまいHPはもう本格的になくなり始めている。

部屋は1つしかないので俺の場所はすぐにばれる。敵が来るまでに、どうすればいいかを考えなければ……!


一様俺は、銃を二丁持っていたので撃てない事は無い。しかし、今のHPで敵に勝てるとは思えない。だからといって回復をする時間があるとは思えないし、出来たとしても結果は変わらないだろう。実力差が開きすぎている。


「そうか!その手があったか」

電流が走るような感覚とともに俺は敵に勝てる唯一の光明を見出した。

足跡が近づいてくる。俺は敵との距離を音で測り物体を使った。敵がドアを開けたその瞬間、部屋の中が轟音と共に、炎に包まれた。


「危なかった~」

グレネード作戦が上手くいった。相打ちとはいえキルはキルだ。敵には少し申し訳ないと思うが…。

俺はまた、村の中へと転送された。

今日は撃ち合いに関しては散々だったが、戦略的には大勝利だ。打ち合いは練習すれば改善できる点でもあるしな。この調子で明日も……。





「許さない…」

俺は怒りから椅子を勢いに任せて蹴る。すると椅子は5メートルほど吹っ飛んだ。

「雑魚風情が俺様に歯向かうなんて…。いつか!いつか…いつか…いつかいつかいつか!殺してやる!」

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