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1話:序

ご覧いただきありがとうございます。

楽しんでいければ幸いです。

俺の名前は赤坂斗あかさかはるき。日本全国どこを探してもこんなに健康な人々がたくさんいる場所がないらしい村に住んでいる。

今目の前にあるのは、今日発売したばかりのⅤRMMОのバトロワゲー「リワインド・ウィルダネス」だ。

このゲームの製作会社は新しくこの業界に進出してきた会社だ。しかし、いままでのバトロワゲーのレベルと体験版のグラフィックからかなり注目がされている作品だ。

「ふわぁぁぁ」

あくびが出てしまった。でもそれも致し方ないだろう。俺は朝の四時から並んで買ったから眠いんだ。

だがそれより早くプレイをしたいという欲が勝っている。それにゲームの中だったら眠くないだろう。

俺はウキウキでⅤRMMОを頭につけ起動させる。


目を開けあたりを歩く。出店から喫茶店、飲み屋さらにはジムまであってかなり充実しているように見える。そして空や草、木なども実際と限りなく似ている。

俺は木の幹をひっかいてみる。木とはいっても自然の木なので「きぃぃ」という音を立ててなめらかに滑るのではなく土や木のくずが爪の中に挟まる。

しばらくそのままにしておくと手の上にアリが上ってきた。痛くはないが少しくすぐったくなったので手を放す。このアリはどこに向かっているのかを知ることはできない。しかしどこから来たのかを知ることはできる。

俺はアリたちが辿ってきた道を遡る。すると巣はすぐに見つけることができた。巣の周りには出入りするアリでにぎわっている。中には自分より大きい虫を何匹ものアリで運んでいるモノもいる。

俺はそのまま村の広場らしき噴水がある場所に出ると、俺と同じプレイヤー達が沢山いた。老若男女。いや、老人はいませんでした。若男女ですね。

いつのまにか、俺の左腕には液晶パネルがついた時計の形をしたものがついていた。

これはなんだ?一昔前に流行っていたアッ●ルウォッチ的なやつか?サービス性がいいな。これ持って帰りたいんだけど。後で運営に問い合わせてみるか。

そんなことを考えていたら、急にライフウォッチからホログラムが映し出され、女性が喋りだした。


【ようこそ「クロス・ザ・ハピネス」へ。

これからシステムの説明を致します。ゲームのルールについては「ライフウォッチ」を通じてご確認ください。

ご存じかとは思いますが、これからバトルロワイヤルをしてもらいます。

ご自分の左手にあります、「ライフウォッチ」をご覧下さい。この「ライフウォッチ」がある限りこの世界からは出られません。ちなみに、壊そうと殴っても画面より先に指の骨がポキポキと割れてしまうので、ご注意を。もし、外部からの接触により継続が不可能となった場合には、リタイアとみなさせていただきます。また、このゲームのリタイアは、現実世界の死となります。

「ライフウォッチ」を解除するにはこのゲームをクリアする必要があります。

具体的なゲームのシステムの説明をしましょう。このゲームにはソロとクラン戦があります。

今から皆さんにはソロ戦をしてもらいます。

ソロ戦で1位を取るとクラン戦の進出権を得ることができる、最終戦に進出することができます。最終戦で20位以上に入るとクラン戦に進出することができます。

また、これは5日間行い合計で100人を集める予定です。

またゲーム内では、1キルごとに100ポイントが付与されます。ポイントはこの世界の通貨になっており、いかなるものを買うことができます。

ゲームは1日1回9時からとなっております。

それでは、「リワインド・ウィルダネス」をお楽しみください。】


これはそういう事か。どっきりだな。危うく信じてしまいそうになったよ。

まずこの説明だとこのゲームの人数が1万人前提じゃねえか。絶対このゲーム1万人以上いるだろ。この時点で破綻してんだよ。

どうせこの「ライフウォッチ」を見たらどっきり大成功とか書かれているのだろう?

俺は馬鹿にしながら「ライフウォッチ」を見る。しかし、そこには……

《1・安全地帯が迫ってくる。

また、安全地帯の状態や、フィールドのマップは「ライフウォッチ」で確認できる。

2・物資などはフィールド内に落ちているものを使う。

3・開始地点はランダムである。》

俺は何回も見返す。しかし、何回見ても俺が期待しているような文字は見当たらない。

嘘だろ……?まさか本当に閉じ込められたなんて言わないよな?

周りもかなりざわついている。それはそうだ。いきなり閉じ込められて死と隣り合わせにいるっていうのに笑っていれるやつなどいるはずがない。

そう間もなくしないうちにまたホログラムが映し出された。

今度は男だ。

【やあやあ、みんな。元気にしているかい?】

するとあたりからかなりのブーイングが飛び交う。「話が違うだろ!」「騙したな!」そんな内容だ。俺の気持ちを代弁してくれた。ありがとう。

【君たちノリが悪いな~でも僕はみんなを楽しませるつもりだよ。

ということでこれよりゲームを始める。みんなお待ちかねミニゲームだ!】

そう男が告げるとあたりからとんでもない量の歓声が上がる。

どういうことだ?なんでみんな喜んでいるんだ?ブーイングは!?ちょっと!

【ルールは体験版と一緒だ。まあいちいち説明はいらんだろう。でもそれだけじゃつまらないよな。

そうだ。上位五名にはエキストラスキルとポイントを贈呈するよ。でもいい話があれば悪い話もある。そうだろう?ということでこのゲームでの順位が上位1万人には入れなかった愚民には鉄槌を下してやろう。具体的に言えば死だ。ということで楽しませてくれよな。】

すると周りから波のような歓声が押し寄せ俺を飲み込む。

『ちょっとちょっと!なにお前ら喜んでるんだよ!こいつの言ってることが正しければ数万人が死ぬぞ!?』と俺は心の中で叫ぶ。のどまで出ていた言葉を必死に飲み込んだ。こんな空気の中こんなことを言ったら場違いにもほどがある。いや場違いなのはこいつらだよな?こいつら全員自殺志願者なのか!?俺やるゲーム間違えたのか!?

それにこいつの思考がサイコパスすぎないか?無理やり1万人に抑えようとしてるってことだよな。

この男本当にやるんじゃないか……?

俺は混乱を抑えられないまま「ミニゲーム」とやらに巻き込まれてしまった。


次回更新は未定のため、よろしければブックマークお願いします。

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